メイド・イン・フランス3 その1 [メイド・イン・フランス]
フランス製と言えば、すぐに思い浮かべるのが高級ブランド品。
しかし、人件費の安い海外で作られてもおかしくない日用品や工業製品などの中にもフランス製はあります。
その中から今日紹介するのが、鎖かたびら。
中世の騎士が鎧の下に身につけていた鎖のアンダーウェアです。
とは言っても、現代の用途はもっと多岐にわたります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのネットTV局francetvinfoで2012年11月4日に放送)
フランス東部ベルフォール近郊のある工場では、この鎖かたびらが作られています。
鉄の細い糸が特殊な機械で鎖状に編まれ、一枚の布のようになっていきます。
大昔から同じ方法で作られてきました。違いは機械か手作業かだけ。
世界で10軒ほどの工場が今でもこの金属の布を作っているそうです。
価格は1㎡で200ユーロ。
主に防護服用に使われてきましたが、生き残るためには新しい顧客を開拓する必要がありました。
その一つがファッション業界。オートクチュールでここの製品が採用されたのです。
「機械を改良しつつ、様々な形態のものを製作して、デザイナーや建築家に提案してみたんです」と責任者の男性。
となると、職人さんたちの熟練のワザもまた新しい道を開く力になったとも言えます。
「仕事を続けていけるようになりますし、もっと幅も広がると思います」と従業員。
成功の鍵は、様々なデザインを開発したこと。
新しい分野への進出は2000年ころから始められましたが、今では製造全体の10%を占め、増加の一途をたどっています。
そして、昨年は、一つの受注で300,000ユーロ(約3,000万円)という高額なものまであったそうです。
建築家のパスカルさんにとって、この工場の製品は欠かせない素材になっています。
「工場の方達の創造性に驚きました。そして、ものを見せていただいて大変気に入りました」
この工場の製品は、スペインやスウェーデンの大型ホテルで採用されました。
また、現在は独自に、一般むけにインテリアの装飾品や小物も製作しています。
******** フランス人のつぶやき *******
「私はインテリアデザイナーですが、今日、女性のクライアントにプランを提案するために2枚の写真を見せた。するとクライアントが言った。『ええと、こっちがビフォーで、あっちがアフターね』いやいや、その逆なんですが……」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、おはようございます。
鎖かたびら、金網の布のようなもので作った防護ジャケット、防護手袋は、刃物を使う危険な作業が多い食肉工場で見たことがあります(防護手袋は試しました)。それが、フランスの食肉工場だったのか、アメリカのそれだったのかは記憶がはっきりしていませんが、重くて作業効率が悪いということは記憶に残っています。
by wattana (2012-11-06 04:23)
時代変わればですね。
それにしても中世に作っていたころ金属を糸のように加工するのはさぞたいへんだったでしょうね。
京都の伝統工芸にも通じるテーマです。
by orange (2012-11-06 08:27)
私も数月前にメールチェインに挑戦して、アルミの針金を細工してベストを作りました。家族から何にする?とあきれられています。いつかブログに載せます。
by t-toshi (2012-11-06 12:18)
鎖カタビラを着てサメの餌付けショーをしているのをテレビで見たことがあります。
でも、新たな用途や販路を見つけないと生き残れないんでしょうね。
そういえば、今日『マルメロ』いただきました。すごくいい香りです。
日本でも栽培されているようですね。
by 島酔潜人 (2012-11-06 21:38)
wattanaさん
保護服だけの利用では生産量も限られてくるようで、先のことを考えないと会社を持続させて行くのはなかなか難しいようです。しかしここはうまく別の用途に広げて行ったなという感じがします。
by carotte (2012-11-07 09:54)
orangeさん
現代のあのマシーンを見ていると、昔の人はどうやって作っていたのかなと思ってしまいますね。金属の加工から編み上げまで全部手作業ですもんねえ。
by carotte (2012-11-07 09:58)
t-toshiさん
うわあ〜、すごいですね。ご自分で作られたんですね。
確かに、何にする?かもしれませんが、ファッションということで良いんじゃないですかねえ ^^
これはぜひともブログで紹介お願いします。作品を拝見したいです。
by carotte (2012-11-07 10:00)
島酔潜人さん
サメの餌付けショーに鎖かたびら.....がぶりとやられても大丈夫ということですね。それに、雰囲気も盛り上がります。^^
マルメロ、日本では無理かなと思っていたんですが、作ってるところあるんですね。近くに売ってるところがあるかもしれないのでちょっと私も探してみます。
by carotte (2012-11-07 10:24)
生地を作るところで使っている機械は、原料が糸と鉄の違いだけでアパレルと同じ自動織機ですが、加工の段になると急に金属加工っぽくなるアンバランスが面白いです。インテリアやファッションへの応用、確かにアリですね。内装素材としては使いでがありそうです。
by opas10 (2012-11-11 11:47)
opas10さん
生地から仕立てるとなると、一旦編んだ物を外して、リングでくっ付けて行くという感じになってますね。やっぱり金属加工みたいになってます。職人さんたちのアイデアだったのか、アイデアマンがいたのか、うまいことインテリア業界とファッション業界へ進出してますね。
by carotte (2012-11-11 22:05)