パリ最古のパン屋さん閉店へ [パリ]
パリ1区リシュリュー通り51番地。
ここにパリ最古のパン屋さんがあります。200年も前から続いて来たパン屋です。
しかし、これも今年の12月31日で終わり。
家賃の値上がりでとてもやっていけないと、今年限りで店じまいすることになったのです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年11月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
現在のパン屋のご主人クロードさんがお店を引き継いだのは1969年のこと。
以来、毎日平均で200本ものバゲットを売っています。お店に並んでいるパンやお菓子は全部自家製です。
お客さんもちょっと残念そう。
クロードさんはノルマンディ出身の66歳。
そろそろ若い同業者にお店を譲ろうかと思っていた矢先のことでした。
2010年にこの建物のオーナーになった会社SNC 5 Versaillesは、これまで年間18,000ユーロ(184万円ほど)だった家賃を35,000ユーロ(357万円ほど)に値上げすると言ってきました。およそ2倍です。
従業員4人を抱えてとても払える額ではないと、店を閉める決心をしました。
「もうあと200年は続けて行けるはずでしたよ。残念ですね。パン屋は私の愛人のようなものでしたから」とクロードさん。
パン屋さんがいなくなった後、ここには少しの間、マカロンのお店が入るそうです。
その後は、きれいに改装され有名パティシエのお店になることが決まっているそうです。
因に、SNC 5 Versaillesの株の半分を、あの俳優クリストフ・ランベール(またはクリストファー・ランバート)がもっているそうです。どんな俳優さんかと言えば、こんな方。
******** フランス人のつぶやき *******
「私はパン屋です。今日、よく知っているお客さんとおしゃべりをしたのですが、その人のなまりがすごくて言っていることがよく分からない。で、とにかくいつものように微笑んでうなずいたのです。後から分かったのですが、母親が亡くなった話をしていたそうです」
VDM (Vie de merde)より
200年の歴史に幕ですか・・・時代の流れでしょうが寂しいお話ですね。
66歳の決断、お疲れ様!
by rabbit (2012-11-17 10:43)
200年も続いた味のあるパン屋さんが閉店…残念ですね。でも家賃が2倍はちょっと厳しいのかもしれませんね。ただでたちのきではないにしても、建物の持ち主の採算性ばかりが先に来てるようでなんだかちょっとさびしいし、有名パティシエのお店が入るという話にふーんって感じもしてしまいます。
by yuzuhane (2012-11-17 11:57)
rabbitさん
時代の流れでしょうねえ〜。建物のオーナーにとってはパン屋さんが200年先も続くも続かないもあまり関係なかったみたいです。パン屋さんの方が自分の代で終わってしまうのがちょっと寂しいでしょうね。
by carotte (2012-11-18 09:02)
yuzuhaneさん
家賃2倍はかなりの痛手です。2010年に建物を購入してますから、その時の費用を取り返さなくてはならないし、もう少し利益が欲しいということなんでしょう。世知辛い世の中になってしまいました。最後に有名パティシエの店になるなんて確かにふーんって感じです。
by carotte (2012-11-18 09:05)
欧州全体が不景気のさなかに家賃2倍とは、随分強気なオーナー!しかし、いくら有名パティシエの店といっても、市場全体の購買力が落ちている昨今、単価の高い売り物だと却って客足が遠のき、思ったより売上が伸びないせいで家賃負担に耐え切れず店子の入れ替わりが激しくなる、ってことも起きるんですが・・・。
by opas10 (2012-11-18 10:52)
opas10さん
ひょっとして、最初の有名パティシエを入れたかったというのがあるのかも。だとしたらちょっとひどいですね。ヨーロッッパ全体が不況でフランスもじわじわ失業率が上がってますからこの先不透明。パン屋さんはちょっと地味かもしれませんが、商売としては固いんですけどねえ。
by carotte (2012-11-19 09:54)