フランスの郷土のお菓子 その4 [フランスのお菓子]
シリーズの四回目は、フランス中部オーヴェルニュ地方のお菓子ポンプ・オ・ポム(pompe aux pommes)。
早口だと “ポンポポム” なんてゆかいな名前に聞こえます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年1月31日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
雪に覆われたサン=ドナ村。
ある農家の厨房では、お菓子作りが始まっていました。
小麦粉とバターと水をボールに入れ生地を作ります。この生地の出来具合で、おいしいポンプ・オ・ポムになるかならないかが決まります。
「母から教わったのですが、あまりこねすぎてはいけません。じっくり待つことが大事です」とパトゥーさん。
手伝いにきてくれたのがお隣さん。皮をむいているのはリンゴ。
ポンプ・オ・ポムの作り方は超簡単。型に生地を広げて、そこにスライスしたリンゴをのせたら砂糖をまんべんなくふりかけ、もう一枚の生地でフタをし、200℃に熱したオーブンに45〜60分入れて焼き上げます。
なあ〜んだ、ポンプ・オ・ポムとは、アップルパイなんじゃないですか!
一方、サン=ドナ村から50キロほど北に行ったオルシーヌのパン&ケーキ屋さんでも、ポンプ・オ・ポムを作っていました。
オーベルニュ地方でも美味しいポンプ・オ・ポムを作るお店として知られています。
こちらは本格的なパイ生地作りから始まります。
生地とバターが層を作るようにパイ生地を作って行きます。
フランスではこの手の生地をパット・フイユテ(pâte feuilletée)と言います。
因にパトゥーさんが作っていたパイ生地はパット・ブリゼ(pâte brisée)といい、材料を全部ボールにいれて作ってしまいます。
ポンプ・オ・ポムは、オーベルニュ地方の農家で作られ、ワインの収穫と仕込みが終わった後や、農作物の収穫の後などに食べられていたそうです。
労働の後に食べるポンプ・オ・ポムはさぞかし美味しいことでしょう。
「父もパン屋だったんです。このお菓子を作ってみせてくれたのが父でした。忘れられない思い出です」とジャン=ミッシェルさん。
お店のポンプ・オ・ポムはオリジナルと同じで長方形。少しずつ切って販売します。
切り口からのぞいたリンゴがとろっとして美味しそうです。
さて、パトゥーさんのお宅はどうなっているかというと、いつのまにやらお客さまが倍以上に増えていました。
「すごくおいしい!」と男の子。
お皿からはじみ出すくらい大きな一切れでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、料理には縁遠い私ですが、思い立ってリンゴのクランブルを作ることにした。何しろ15分で出来るからだ。しかし、その時間で私にできたのはリンゴの皮をむくことだけ」
VDM (Vie de merde)より
早口で、ポンポポム・・・・に聞こえるなんて、ユーモラスで楽しい響きですね。
名前だけでも美味しく感じます。
by rabbit (2013-02-02 12:11)
今まで3回も美味しそうなお菓子をご馳走になりました。このポ・・何とかは作ってみたいと思いました。
by t-toshi (2013-02-02 13:30)
どちらのアップルパイも美味しそう!リンゴは加熱してしんなりすると格別なおいしさがありますね。
by opas10 (2013-02-02 14:56)
rabbitさん
なかなか愉快な名前ですよね。いったいどんなお菓子なのかと思っていたら、アップルパイだったんですよ。この辺りの人たちは「ポンポポムでも食べるか」なんて言ってるんでしょうね。^^
by carotte (2013-02-03 11:08)
t-toshiさん
農家で作っていたパイ生地だったらわりに簡単に出来そうですね。そうでなかったら、冷凍のパイ生地を買ってくれば、お店で作っていたのとそっくりなアップルパイが出来上がりそうです。私も作ってみたくなりました。
by carotte (2013-02-03 11:10)
opas10さん
それぞれ生地が少し違っていて美味しそうですね。リンゴは加熱すると本当に美味しくなります。このポンポポムは、中までよく火を通すらしく、中のリンゴがどろっとした感じなんだそうです。
by carotte (2013-02-03 11:12)