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パリ リヨン駅 前編 [パリ]

 パリに行ったついでに、少し地方も見てみようと思った方なら必ずと言っても良いほどお世話になるパリ・リヨン駅(下記地図の青印)。


 フランス東部やスイス、さらにはパリー南仏間を走る列車が発着する駅です。


 この駅を今日と明日の二回に分けて紹介します。


 前編の今日は、リヨン駅界隈を訪ねます。


 本日は内容が充実しているぶん、6分強という少々長いビデオになっております。

Paris_Paris.jpg
より大きな地図で パリ・リヨン駅 前編 を表示

  下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年3月3日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)




 リヨン駅はパリ12区にあります。


 人口は約145,000人。一年間の乗降客数は1億人。高速列車TGVは一日に200本。


 本日は、パリのタクシーがリヨン駅界隈を案内してくれます。


 まずはパリの西側(16区あたり)から東にあるリヨン駅へと、セーヌ川に沿って向かいます。エッフェル塔やオルセー美術館を右に見ながらどんどん走って行くと、目の前にリヨン駅の時計台が見えてきます。


 リヨン駅は、1847年、パリから地方都市リヨンに向かう列車の発着駅として生まれました。


 当時はホームにあったのは1番線と2番線だけ。一つは発車用、一つは到着用でした。


 パリからリヨンまで乗り合い馬車なら5日という時代に、鉄道ならたったの10時間で行くことができたそうです。


 因に今ならTGVで2時間ほど。


 駅はしだいに大きくなり、20世紀初頭にはホームの数は12番線まで増えます。あの時計台が出来たのもこの頃。


 さて、オマールさんは20年前からパリでタクシーの運転手をしています。


 リヨン駅は仕事場。これから列車で出発する人や、列車でパリに着いたばかりの人をのせて走ります。


 この100年、リヨン駅界隈は再開発が行われ続けてきました。そしてTGVが走り始めてからはビジネス街にもなりました。


 しかし古いものも残っています。


 オマールさんが連れて行ってくれたところは、かつて鉄道が走っていた場所。


 鉄道はバスティーユ駅まで続いていました。


 現在はアーチ型の鉄橋がドメニル通り(Avenue Daumesnil)1番地から129番地まで続いており、橋の上は遊歩道になっています(上記地図の紫色のライン)。


 白黒の映像は、1969年、最後の列車がバスティーユまで走った時の映像です。


 橋の上を歩いていた年配の皆さま方は、この列車を使っていたそうです。


 さて、橋の下はと言えば、50軒ほどの工房が入っているそうです。


 その一つがフラソワさんの皮革工房。


 「ここに来てから有名になりましたし、お客も増えました」とフランソワさん。


 この界隈は17世紀頃から職人の集まる場所として知られていました。


 そして1910年の大洪水のときもここは生き延びてきました。建物の壁に、浸水した位置を記したパネルがはめ込まれていました。


 オマールさんの運転するタクシーはこの界隈をさらに東へと進みます。着いた場所はヴァンセンヌの森(上記地図の赤印)。


 「ここは自然があっていいですよ」とオマールさん。


 ごみごみした都会が嘘のように静かです。


 この日は日曜日。ヴァンセンヌの森から再びリヨン駅の方へと戻ると、アリーグル通りで市が立っていました(上記地図の緑印)。


 ここはパリでも安いことで知られている市の一つ。なんとなく庶民的な感じのする市です。


 日曜日だけあってにぎやかな楽隊もいました。


 さて、リヨン駅の真向かいに、大きなブラッスリーL'Européenがあります(上記地図の黄印)。


 駅の近くのお店らしく旅行客の大きな荷物を置く場所が確保されています。中は1910年からほとんど変わっていないそうです。


 「時間を気にしながらのお客さまが相手ですから仕事はてきぱきやらなくてはなりませんよ」と支配人。


 カウンターの向こうでボーイのサミーさんが、ぴかぴかのカウンターを指差しながらなにやらおっしゃっています。


 「カウンターをよく見て下さい。鏡のようでしょう?」


 よく見ると壁にかけられた時計がカウンターに映り込んでいます。


 壁の時計を見ると数字が逆さま。カウンターに映るとちゃんとした数字に見えるというしかけになっていました。


 外ではリヨン駅の時計台の時計も同じ時間をさしていました・・・。


 次回の後半では、その時計台のあるリヨン駅の中を見ることにしましょう。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「駅前で配っている無料の新聞。いつもは受け取らないのだが、今日はお菓子がついてきたのでもうらうことにした。すると、配っていた少年が私をじっと見て言った。『あり得ない!』」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 4

yuzuhane

リヨン駅、何度かお世話になったことがあります。日本で言ったら上野みたいな感じかなと勝手に思っています。ルトランブルーは横目で見ただけなので、一度行ってみたいなと。此処は大きな駅の常なのかもしれないですが、タクシーが拾いにくいし、法外な値段をふっかけてくるものがいて娘が喧嘩したことがある思い出があります。ベルシービラージュあたりも出ていましたね。そしてここは意外とバステーユに近いんですね。
by yuzuhane (2013-03-07 21:59) 

carotte

yuzuhaneさん
私はしばらくブルゴーニュ地方にいたことがありまして、リヨン駅にはパリとの往復で何度もお世話になりました。ルトランブルーは一回だけ入ったことがあります。確かに、タクシーなかなか大変ですね。長〜い列に並んでやっと乗ったことを思い出しました。フランスは日本と違って自己主張しなければ置いてかれる国なので喧嘩してちょうどいいみたいなところがありますね〜。
by carotte (2013-03-09 08:57) 

opas10

自分のようなパリに疎い者は、バステューユと聞くと昔世界史で習ったバスティーユ監獄という単語がアタマに浮かんできました(笑)
by opas10 (2013-03-17 17:25) 

carotte

opas10さん
私も同様ですよ。バスティーユと聞けば監獄。でも、実際にその場所に行ってみると、そんな雰囲気の影も形もないのです。通りの真ん中に大きな塔がたっているだけで他の町となんにも変らないのでした。
by carotte (2013-03-18 13:26) 

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