ブルターニュの港巡り その1 [ブルターニュ地方]
フランス西部、海に突き出した半島にあるブルターニュ地方。
ここには小さな港町が無数にあります。
今日から5回シリーズでその小さな港町をのんびりと回ってみましょう。
第一回目の今日は、モン=サン=ミッシェル湾に面したカンカル(Cancal)(下記地図の青印)を訪ねます。
春の朝、カンカルの港は平和そのもの。
引き潮の海に見えていたのは牡蠣の養殖所。
海岸ではその牡蠣を売る屋台が静かに準備を始めていました。
カンカルはかつては大きな漁港でした。昔は100人ほどの漁師がここからニューファンドランド島をめざして船出して行ったそうです。
その漁師たちの家族が住む界隈では皆が顔見知りで話も弾みました。
「『いい匂いがしてたけど、お昼は何食べたの?』なんて隣同士で話したもんです」とかつて漁師だったリオネルさん。
通りには漁師の無事を祈って作られたマリア像が残っています。
そして、何と言ってもカンカルは牡蠣の養殖でも知られています。
約20の養殖業者が、ここで牡蠣を養殖しています。その規模は約400ヘクタール。
牡蠣の生育を促進するためには、こうして牡蠣の入ったカゴをひっくり返さなくてはならないそうです。
この仕事はやはり引き潮の時にするのが一番楽ですね。
港の屋台では一年中新鮮な牡蠣が販売されています。
鄙びた感じの屋台ですが、有名だそうです。
「こんな風にして牡蠣を食べたり買ったりするのは気取らなくていいですね」とお客の男性。
「港の端に座ってモン=サン=ミッシェルを見ながら牡蠣を食べるのはいい気分だね」と別の男性。
海の幸は海を見ながら食べるのが一番美味しいのかもしれません。
海岸には港の様子を絵の具で描き留める人もいます。
もう一ヶ月もすると数千人の観光客で賑わうカンカルも、この時期は静かでのんびりとしていました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、そしてずっと前から夫は釣りが大好き。パソコンの壁紙が結婚式の写真だったのに、最近、川かますの写真に入れ替えられていてちょっと不愉快」
VDM (Vie de merde)より
すごい広範囲で大掛かりな養殖なんですね。お皿にいっぱいカキを並べたものを買って海辺で食べていらした方がいましたが、おいしそうですね。ここの海はそう思ってみるせいもあるかもしれませんが、南仏の海辺とは違う感じがします。
by yuzuhane (2013-06-03 08:47)
モン・サン・ミッシェルを眺めながら牡蠣を食べる・・・最高の贅沢ですね。一度やっ絵見たい!
by rabbit (2013-06-03 20:52)
yuzuhaneさん
400ヘクタールあるそうですから、広大ですね。
ブルターニュの海は地中海に比べると荒々しい感じがします。地中海もそれなりに野性味があるのですが、やはり太陽の日差しがある分、印象が違いますね。
by carotte (2013-06-07 01:00)
rabbitさん
ここへ来ないとそういう食べ方はできないですねえ〜。
私もちょっとここに行ってみたくなりました。
by carotte (2013-06-07 01:01)
潮の香りとモンサンミッシェルを堪能しながら牡蠣を食べるって・・・なんという贅沢なロケーション!!堤防で牡蠣を食べていた男性、殻を投げ捨てていたけどいいんでしょうかね!?
by opas10 (2013-06-09 22:29)
opas10さん
あのモンサンミシェルを見ながらですからねえ。贅沢ですね。カキの味もひとしおですよ。私もあの殻はちょっと気になりました。海のものだから海に戻していいのかとか、皆がああやって食べたら、海に大量の殻がたまってしまうしなあ・・・・なんて。
by carotte (2013-06-10 13:32)