ル・ノートルの大きな庭 [イル=ドゥ=フランス地方]
ル・ノートルの小さな庭を見た後は、やはり大きな庭も見ておきましょう。
パリから車で一時間ほどのところにあるヴォ=ル=ヴィコント城(Vaux-le-Vicomte)。
ベルサイユ宮殿に先立つこと20年。ルイ14世の時代に財務大臣を務めたニコラ・フーケが建てた城です。
この城の庭を担当したのがル・ノートル。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年6月14日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
広大な庭にふさわしい音楽と光のエンタテインメントショー。
フーケがこの城の完成を祝って国王を招待した時もこんな風にショーが繰り広げられたのかもしれません。
その庭も、地道に手入れをする人たちがいればこそです。
幾何学模様のフランス式庭園は維持するのに手がかかります。図面を見ながらの庭作りです。
編み物の図面のように一目一目に番号がふってあり、その番号の花を植えて行きます。
ヴォ=ル=ヴィコントの庭はル・ノートルの最初の作品です。
こういう広大な庭は上から眺めるのが一番ですね。
「フーケがこの土地を購入したときは、小さなお城や農場、風車などが建っていました。ここに自分のお城をたてることに決めたフーケは、全部を壊して平地にしたのです。言わば、白紙の状態にして建築家と造園家にまかせたのです」
一階の大広間を抜けると、目の前に広大な庭が広がっています。
お城の建物から四角い池までは500メートルも離れていますが、池の水面に建物が映っています。これもル・ノートルの計算だったのでしょうか?
高低差を巧みに利用した水路を通って水の吹きでる噴水。現在20個ある池は、かつては36もあったそうです。
そしてあちこちにある彫像は18世紀から19世紀にかけて設置されました。
ここでは、夜になると建設当時の頃のようにロウソクの炎でライトアップするようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、何年も前から庭に起きっぱなしになっていた古いベンチのペンキを塗り直した。作業が終わった頃にはへとへとになり、おもわずベンチに腰掛けてしまった」
VDM (Vie de merde)より
シャトーを望む庭、夢のような美しさですね。幾何学模様の庭が上から見るとタペストリーのようです。娘の友達の弟がパリ市の公園整備の仕事をしてるそうですが、こうしてみるとこれらを維持するために大切な仕事だと感じます。ルノートルってまずお菓子を思い浮かべてしまいましたが、公園素晴らしい腕前ですね。
by yuzuhane (2013-06-21 09:24)
yuzuhaneさん
そう言えば、ルノートルはお菓子屋さんですね ^^
上からみた庭が絵のようですね。これを維持するためには、きちんとした管理の下で、毎日の手入れが欠かせないような気がします。パリは広大な庭や公園があちこちにあるので整備もたいへんそうですね。
by carotte (2013-06-23 00:18)
これだけのスケールの人工庭園は、侘びさびや借景をよしとする某国には見当たらないですね~。これだけの庭園、毎年の維持管理の費用を想像するに・・・(汗)。
でも、こんな庭園をポンと作っちゃうような感覚の人が財務大臣だったなんて、当時のフランスの財政状況やいかに?(笑)。
by opas10 (2013-06-23 14:05)
opas10さん
侘び寂びの対極にあるような庭ですね ^^
この庭園ができた時代は、あのごてごてのロココ調が全盛を迎える時代のちょうど始まりくらいになるでしょうか?この庭を作った財務大臣、王の不興を買って失脚してしまうのですよ。王よりも早くこんな豪華な庭園付きのお城を建ててしまったのが運の尽きだったのかもしれません。
by carotte (2013-06-26 10:18)