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ワイン作りの村 その2 [フランスのワイン]

 シリーズの二回目は、西へと飛び、ボルドーワインのサン=テミリオン(Saint-Émilion)(下記地図のC)を訪ねます。


 ワインの産地として有名ですが、中世の趣を残す世界遺産の村としても知られています。


Paris_vin&raisin.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月3日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 収穫を待つブドウ畑の向こうに見えるのが、人口2,000人足らずの小さな村サン=テミリオンです。


 世界遺産に登録されたのが1999年のこと。それ以来、オーストラリア、日本、アメリカ、ベルギーなど世界中から観光客がやってきます。


 「なぜここにやって来たかって?ワインと田舎のこの風景が気に入ったからですよ」と観光客。


 古い街並を楽しみながら美味しいワインもいただけるという贅沢な旅ですね。


 となると、やはりワイナリーを訪ねてみましょう。


 ここは、シャトー・ガデ(Château Guadet)。グランクリュクラスのワイン(最上級のワイン)を作っています。


 800あるワイナリーのうち、このワイナリーを含めて2軒が村の中にあります。


 大きな窓が開けられましたが、収穫されたブドウはこの窓から中に入れられるそうです。


 村にはかつて11ヘクタールほどの石切り場があり、今はご覧の通りワイン蔵になっています。


 「一時、キノコ栽培に使われていたこともありますが、光から遮断され、ほどほどの湿気と一年中変わらない気温がワインの保存に適しているのです」とワイナリーの方。


 村の地下には地下道が通っています。この地下道が教会とシャトーを結んでいたそうです。


 教会の建物は大きな岩を削って作られました。工事は12世紀に始まったそうです。


 この規模の建物が出来上がるまでには200年〜300年かかったと考えられています。


 そして、ここに葬られたいと願う人たちが数多くいたそうです。


 「石の中に埋葬されるということは神に守られているということを意味します。誰もが埋葬を許されたわけではありません。裕福な貴族などの特権でした」と観光事務所の方。


 サン=テミリオンは中世に繁栄した集落でした。


 当時の人口は12,000人ほど。経済を支えていたのはやはりワインでした。


 近くを流れる川には船着き場があり、ワインの入った樽を積んだ船が出港していったそうです。


 かつては船員であふれていたサン=テミリオンですが、今は観光客でにぎわっています。


 数年前、財政破綻がささやかれていた村ですが、なんとか踏みとどまっているようです。

 

 

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、経済の授業で初めて議論に参加してみることにした。私が手を上げると、教授がけげんな顔をして言った。『トイレにでも行きたいのかい?』」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 6

cycloo

ドルドーニュ川とガロンヌ川に挟まれた、この地方(サンテミリオンはちょっとはみでていますが)はEntre-deux-Mer地方というらしいですが、土地の起伏がメチャクチャに激しく、一旦はサンテミリオンに向かって、ごく近くまで行きましたが、訪問は断念しました。代わりに、この画面で楽しませて貰います。
by cycloo (2013-09-09 07:55) 

carotte

cyclooさん
この辺りは起伏が激しいんですね。こればっかりは現地を走ってみないとわからないですねえ~。ここはいろいろ見どころがあるみたいですよ。岩を削って作った教会なんて世界でも珍しいらしいです。
by carotte (2013-09-09 13:47) 

yuzuhane

サンテミリオン、いいですね。ほんと古い田舎の街並みとワインが楽しめて言うことなしですよね。ここは行ってみたい場所の一つです。
by yuzuhane (2013-09-09 15:49) 

carotte

yuzuhaneさん
いいところですね。観光もワインも楽しめそうです。私もまだ行ったことがないので、行ってみたいです。
by carotte (2013-09-10 00:45) 

opas10

番組を見ていて、やはりヨーオッパの建築様式は石という素材を前提にしているんだな~ということを改めて感じました。ロマネスクのアーチやゴシック尖塔のカーブは、石で強度をかせぐ力学的必然性から出てきたもので、日本の寺院建築の屋根の曲線は木材で強度を保つ必然性から出てきたもの。素材の違いが文化の違いになって現れるものですね。
by opas10 (2013-09-15 16:47) 

carotte

opas10さん
なるほど、石と木では建築力学に違いがあるのですね。よく分かります。さらに文化の違いとなると、鉱物を使うか植物を使うかの違いにつながるような気がします。なにしろ日本の建築は木の他に紙も使いますね。やっぱり植物系。文化自体が植物系の感じがします。
by carotte (2013-09-16 12:18) 

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