ヴォーバンの要塞 その2 [フランスのお宝]
シリーズの二回目は、大西洋側を守る要塞です。
ジロンド川にある3つの要塞を訪ねます(下記地図のピンクとオレンジのピン、オレンジのドロップ)。いずれも世界遺産に登録されています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月10日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
大西洋から大きなジロンド川を通ってボルドーへと侵入しようとする敵をどう食い止めるか?
それがヴォーバンにとっての大きな課題でした。
そこで作られたのが3つの要塞です。2つはそれぞれ川の左岸と右岸に、一つは川中の島に作られました。
まずはガイドのジラルディーヌさんと一緒にボートで右岸にあるブライの城塞(上記地図のオレンジのドロップ)へ向かいます。
ボートを降りたらブドウ畑を通り城塞へと上って行きます。
バルコニーからはジロンド川を見渡すことができます。そして、川に向かって大砲が備えてありました。
これで万全かと言えばそうではありませんでした。
ジロンド川の川幅が3キロもあったのに対し、当時の大砲で飛ばせる弾の距離は800メートル。これでは船を止めることはできません。
そこで反対側にも要塞を作り、そこから大砲を撃てば、両側からの攻撃で侵入を食い止めることができると考えたのです。
こうして作られたのが川の真ん中にあるパテ島の要塞です(上記地図のオレンジのピン)。
パテ島は私有地。
「父がこの島を購入した時、私はまだ2歳でした」とジャックさん。
ジャックさんのお父さんは1948年に国から6,000€相当で買い取ったそうです。
緑の中を少し歩くと見えて来たのが塔の形をした要塞です。
階段を上がったところにあるのがバルコニー。ここに16門の大砲が供えてありました。
「8門がブライを、8門がメドックを向いていました」
島からメドック方向を望むと、3つ目の要塞「メドックの要塞」が見えます(上記地図のピンクのピン)。
ボートで向かってみると、これまでの要塞とは趣の異なる大邸宅のような立派な建物が立っていました。この建物も軍事施設の一つです。
そして、ヴォーバンらしい頑丈そうな門も残っています。
要塞の内側にもう一つ城壁があったこともここの特徴です。
扉を開けてみせてくれたのは弾薬庫。
メドックの要塞は現在、支援団体によって修復作業が続けられているそうです。
出発地点のブライの城塞に戻ると、対岸に美しい夕日が輝いていました。絵になりますね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、セネガルで暮らすようになって3ヶ月。フランスに戻りたくて仕方がない。些細な記憶がホームシックを引き起こすのだ。ボルドーのカリフールの冷凍食品売り場を思い出して、思わず泣きそうになった」
VDM (Vie de merde)より
川の中州と両岸に要塞を築くとは珍しいですね。しかも大砲の射程距離を元にしているとは実に合理的、日本だとこういう発想ができるのは秀吉くらいでしょう。
by opas10 (2013-09-21 22:23)
opas10さん
ここは要塞が3つ並んで面白いですね。世界遺産になるのも分かる気がします。パテ島の要塞ももう少し手を入れてきれいになるといいのですが・・・。
こういうことに頭が働きそうなのは、やはり秀吉ですかね。
by carotte (2013-09-22 11:05)
carotteさんこんにちは。
ジロンド川というとボルドーですね。 また訪れてみたくなりました。
by ネオ・アッキー (2013-09-22 17:00)
ネオ・アッキーさん
そうです、ボルドーです。この辺りは有数のワインの産地が並んでますね。私ももう一度ボルドーに行ってみたくなりました。
by carotte (2013-09-23 09:56)