パリの煙突はお役御免 [パリ]
ガスも電気も値上がりして、光熱費の家計負担はますばかりのフランス。
そこで、薪を使った暖房が注目され始めた矢先、この薪を使った暖炉の使用が禁止されることになったそうです。
とは言っても、首都パリだけのお話。空気汚染対策の一環だとか。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2013年12月31日に放送)
パリの屋根につきものの煙突。
来年2015年の1月には単なるお飾りになってしまうことが決まっています。
というのも、この煙突につながる暖炉の使用が禁止されるからです。
それにしてもこの煙突、今でも暖炉用として使う家があったのですね。
ただし、指定された薪しか使ってはいけないことになっているそうです。
しかしそれももうすぐ終わり。
「ちょっと寂しくなりますね。私も子どもたちも暖炉が好きですから」と男性。
「あそこを走ってる車の方が暖炉よりずっと空気をよごしてますよ」と女性。
専門家によると、ドアのつかないオープンな暖炉の場合、車よりも空気を汚染する可能性が高いとか。
「パリのように人口過密地域では、汚染された空気にさらされる確率が高くなりますから、このような厳しい措置がとられることになったのです」
この措置にショックを受けたのが薪販売の会社です。
エコロジーな燃料と考えられていただけに大きな痛手です。
「販売の90%がパリの一般家庭向けです。こうなると会社としてやって行けなくなります」と経営者の方。
男性の後方には大きな暖炉がありました。
一方、パリ郊外では、ドア付きの暖炉なら使ってもいいことになっています。
そこで、急きょ、ドアをつけることにした家もあります。
「子供の安全を考えるとドアがあったほうがいいですし、ちょうどいい機会なのでつけることにしました」とこの家の主。
さきほどの薪屋さんとは違って、郊外の設置業者さんの方はおかげで商売繁盛だそうです。
そして、パリ市内でも、薪の石焼釜でパンやピッツァを焼くお店は例外的に使うことを許可されているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、息子が言った。『サンタさんが煤の付かないキレイなプレゼントをくれるのは、ウチに暖炉がないからかな?』」
VDM (Vie de merde)より
あの屋根の上の煙突はパリの一つの印象的な光景ですが、あれがお飾りになってしまうんですね。確かに人口密集地帯で薪を使った暖房は問題があるんでしょうが、マキを作る方も痛手ですね。娘の知り合いのご夫婦も郊外に一軒家を買って引っ越されたのでそこならドアつきなら使えるってことですね。確か暖炉あったと言っていたような気がしますが・・・。
by yuzuhane (2014-01-06 10:36)
煙突掃除人、なんて言葉が死語になってしまいますね。
この屋根の風景、好きなんですが。
by orange (2014-01-07 09:24)
yuzuhaneさん
昔は皆暖炉で暖房していたはずなので、取り壊さない限り、どこのアパートにも暖炉が付いていたはずですね。私が一時住んでいたアパートにも小さな暖炉がありました。使いませんでしたが・・・。これからは煙突も暖炉もお飾りです。マキ屋さんは大変です。市内と郊外ではルールが違うようなので、閉鎖式暖炉なら郊外でも大丈夫らしいです。
by carotte (2014-01-09 13:40)
orangeさん
煙突掃除は年に一回は必ずやるというのが義務付けられていたようですが、これからはやらなくてもよくなりそうです。煙突は残っても煙は出てこなくなりますねえ。
by carotte (2014-01-09 13:42)
薪が禁止となると、ますます電気や化石燃料に頼ることになるのですね。環境のためとはいえ、それはそれで別な問題が浮上しそうですね。
by opas10 (2014-01-19 20:42)
opas10さん
化石燃料は使い尽くすだけですし、電気は原子力の問題がありますが、薪はまた木を植えれば資源がうまれてきますね。しかし、煙が出て空気を汚染するという問題が・・・。自然に逆らった生活をしようとするといろいろ不都合が出てきます。でも、人間、暖房なしでは生きられそうもありませんしねえ。困ったもんです。
by carotte (2014-01-22 11:14)