メイド・イン・フランス4 その2 [メイド・イン・フランス]
シリーズの二回目は、寒い冬を暖かく過ごせる室内履きパントゥッフル。
今回、紹介するのは、フランス西南部のシャラント県で作られるパントゥッフルで、特にシャランテーズと呼ばれています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
シャランテーズが生まれたのは17世紀後半のこと。
軍隊の制服を作るのに使われたフエルト生地のあまりを使って作られました。
現在の工場は機械化が進みましたが、基本は17世紀から続いてきた昔ながらの手作りです。
「昔、製紙工場では、すいた紙をフエルトの上で乾かしていました。これを何度もやっているうちにフエルトが水を通さなくなり用済みになっていたのですが、防水効果があるとしてシャランテーズの靴底に使われるようになったのです」と工場の方。
あの暖かくてふわふわのシャランテーズは、ぜんぶ余り物から生まれたのですね。
「フエルトの靴底は昔からのものです。だからこそ本物のシャランテーズなんですよ」と女性工員。
専用のミシンには半円形をした針がついています。
分厚いフエルトを立体的な靴の形に縫い上げるにはこれが一番適しているのでしょう。
シャランテーズは、ふわふわの毛のついた裏地を表にして縫い上げ、後でくるっとひっくり返します。
従って、ふわふわの毛のついた部分が内側になります。履くとこれが優しく足を包んでくれて暖かいのです。
シャランテーズをひっくり返して数十年になるアランさん、ご自分でもシャランテーズをお履きになってました。
最後は蒸気で柔らかくして形を整えます。
「シャランテーズはもともと木靴の中に入れて履くものでした。木靴は本来ワラを入れて履いていましたが、お金のある人たちはシャランテーズを入れて履いたのです」
分厚い靴下みたいな感じで使われていたのが、そのうち靴底をつけられ、今の室内履きのスタイルになったようです。
冬になると私もこのシャランテーズのお世話になっていますが、とにかく暖かい。そして、歩いても音がしません。
冬には手放せない必須アイテムになっています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、忙しい一週間が続いて疲れきっていたせいか、気づかないうちにパントゥッフルを履いたままシャワーにかかっていた」
VDM (Vie de merde)より
型を抜いた後の厚いフェルトもなんだかきれいな模様のようでそのまま飾りたい感じでした。上手に裏返していましたね。シャランテ―ズ、残り物を工夫した素敵な温かさですね。
by yuzuhane (2014-01-12 11:54)
yuzuhaneさん
確かに、型を抜いた後のフエルトは模様になっててきれいでしたね。あれだけ分厚くて毛の付いたフエルトをきれいにひっくり返すのはそれなりの技術が要りそうです。
by carotte (2014-01-13 21:35)
あの型抜きの工程は、なかなか面白いですね。自動化できそうな気もするのですが、わざとやらない理由があるのでしょう。縫製も熟練作業だし、長持ちして暖かそうですね!
by opas10 (2014-01-19 21:57)
opas10さん
型抜きは20個か30個くらいいっぺんにどんと行けそうな気がしますが、ずっとあのスタイルで行くんでしょうね。ちらっと映像に写っただけですが、型もかなりの数ありました。見た目も実際に使っても、暖かい履物です。
by carotte (2014-01-22 16:00)