SSブログ

昔ながらの工場を訪ねて その4 [フランスのお宝]

 シリーズの四回目は、フランスで唯一残るクギの製造工場Rivierreを訪ねます。


Paris_Creil.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年5月1日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 工場の朝7時。ストーブに石炭をくべ火をつけます。もう100年も前から続いてきた習慣です。


 「朝は少々寒いのでこうして暖まります」と工員エミディオさん。


 7時半頃になると、機械を始動させます。なんとも古めかしい機械・・・。


 今日も一日しっかり働いてくれるようにまずはお手入れから。油は2時間ごとにさしてやらないといけないそうです。


 「この機械はいつ頃製造されたものですか?」と取材班。


 機械の刻印を調べると、なんと1903年!


 1903年と言えば、ライト兄弟の作った飛行機が初めて飛行に成功した年です。そんな時代の機械が今もこうして現役で働いているとは驚きです。


 工場の創業は1888年。


 創業者のテオドール・リヴィエールが、この機械を作らせたそうです。世界にここだけにしかない機械です。


 どんな風にしてクギを作るのでしょう?


 まずは、長い鉄線を機械に装着。ハンドルを回すと鉄線が前に進んで飛び出してきます。飛び出してきたところをすかさず打つと先がつぶれて円盤のようになります。その直後に後方で鉄線を切り取ります。これでクギの出来上がりです。


 この純正メイド・イン・フランスのクギは国内はもとよりアジアを含む海外でも販売されているそうです。


 確かに、中国語らしき文字の描かれたパッケージがありました。


 製作されるクギの種類は3000種にも及びます。種類によっては、このように熱して青く変色させるものもあります。


 クギの製作に使われる鉄線は、この工場だけで年間100万kmにもなります。


 かつてはこの鉄線も工場で作られていたそうです。


 従業員の数は第一次世界大戦前までは400人いましたが、現在は18人と大幅に減ってしまいました。


 パトリックさんは1970年、17歳でこの会社に入社しました。


 今は現役を引退していますが、この仕事には愛着があります。


 「昔は、レールの上をカゴを走らせて、できたクギを集めて回ったものでした」


 2006年に工場の責任者となったのがリュックさんです。


 様々に改革が行われたようですが、心臓部である機械は昔のまま変わりありません。


 出来上がったクギは、紙の袋に詰められ、ラベルが貼付けられます。


 ライオンの絵が会社のトレードマークです。


 古い機械を大切に使っている工場ですが、機械の仕組みを熟知している従業員はわずかしかいません。


 さらに、独自の部品が多く、修理するのも一筋縄では行かないようです。


 作業場にはたくさんの機械が並んでいますが、工場では週に一回、見学者を受け入れているそうです。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、アフリカ旅行が終わった。自然公園の中で野生の動物たち一緒に一週間をすごした後、獰猛なことで知られる動物に噛まれてしまった。ライオンかって?ノー。それならヒョウ?ノー。コインランドリーにいたヨークシャーテリアに噛まれてしまったのだ」

 

VDM (Vie de merde)より




nice!(32)  コメント(2) 
共通テーマ:地域

nice! 32

コメント 2

opas10

釘を作る工程、初めて知りました!最近は、金槌で打ちこむタイプの釘よりも、十字に山を切ったネジタイプの方が、現場での作業性やつなげた後の強度から主流になっているようですが、古いタイプの釘もまだまだ健在ですね。
by opas10 (2014-05-11 17:16) 

carotte

opas10さん
クギというのはあんな風にして作れるものなんですねえ〜。あのマシーンはそれ専用に作られたというのも面白かったです。工場にたくさん並んでいるのがちょっとシュールな感じでした。ひょっとしたら文化財とかで打ち込むタイプのクギに需要があるのかもしれません。
by carotte (2014-05-14 11:01) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。