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ジュラ その3 [その他の国]

 シリーズ2回目の最後に登場したブザンソンと、一回目に登場したポンタルリエのちょうど真ん中にあるのが、オルナンという町です(下記地図の緑印)。


 19世紀に活躍した画家ギュスタヴ・クールベの生まれ故郷として知られています。


 シリーズの最後は、このクールベが好んで描いたと言う自然の風景を訪ねます。

Paris_Jura.jpg

より大きな地図で ジュラ地域 を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年4月20日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 クリスチャンさんは、クールベの発想の源を求めてジュラの森を歩き回っています。自らも絵筆を取ります。


 創作意欲をかきたててくれそうなドラマチックなこの風景。本物を見てみたくなります。


 クールベはこれを「ルー川の水源(La Source de la Loue)」という作品に描いています。


 ルー川の岸辺の風景もまた魅力的です。


 「クールベは猟にも好んででかけました。ですから動物にも興味を持っていたんです。この絵にはルー川渓谷の木々や岩肌が描かれていますが、面白いことに動物も登場しています」と学芸員の方。


 クールベが生まれた時から慣れ親しんできたこの雄大な風景。これを永遠にキャンバスに閉じ込めるかのように何枚も描いています。


 当時の画壇では自然を描くことはあまりありませんでした。そういう意味でクールベは革新的でした。


 初期の作品の一つが「ナアン橋(Le Pont de Nahin)」。


 オルナンの町を流れるルー川に架かる橋を描いたものです。


 クールベは1819年、小さなベニスとも言われるオルナンで生まれました。


 故郷の風景は「水面に映るオルナン(Le miroire d’Ornans)」という作品に描かれています。


 一方、オルナンにあるもう一つの渓谷、リゾン川渓谷を案内してくれたのが水分地質学者のパスカルさん。


 ここの風景もクールベは描いています。


 「昔とはだいぶ様子が違っていますが、ここはクールベが描いた場所です。キャンバス、絵筆、絵の具などの一式を持って、苔むす岩の上を歩いてここまで降りてきて描いたのでしょう。岩の作りや水の流れを観察し、適格にキャンバスに再現しています」とパスカルさん。


 たくさんの風景画を制作したクールベですが、人を描いた作品もあります。


 しかも、どこにでもいるような一般の人々を描きました。


 「これは重要な作品の一つです。ここでは、フラジェ村の農民の日常が描かれています。これだけの大きなキャンバスとなると、当時は歴史的な一場面や神話を描くのが常識でした。農民を描いたのはクールベが初めてでした」


 万国博覧会が開催された1855年の展示会で、風景画家として成功を納めます。


 「クールベの風景画に共通しているのが、深い谷の中に一本の水の流れがあることです」とパスカルさん。


 クールベは創作のためにこんな岩をよじ上っていたようです。


 川、岩、苔、豊かな緑に恵まれたこの自然には、まだたくさんの謎が秘められています。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、休みを取って釣りに出かけた。晴天に恵まれすばらしい一日だった。地方のテレビ局がその自然の風景を撮影していた。上司によれば、ビールを片手に釣りをしている僕の姿が映っていたらしい。会社には病欠だと言っあったのに・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 4

huck

ドゥー川を二度自転車で走っていて、ポンタリエが近くにあることは知っていましたが、オルナンがこんなところにありましたか。クールベは生前オルナンの嫌われ者だったようですが、今は違うようですね。地図を拡大してみたら、オルナンには、ちゃんとクールベ美術館もありました。
by huck (2014-08-16 10:18) 

carotte

huckさん
私にはクールベ=変人みたいなイメージがあるのですが、何気なく風景画を見ていると穏やかな人だったような気になってきます。今となっては才能にあふれた未来を切り開いて行った画家の一人として尊敬に値する人なんでしょうね。クールベ美術館はもとは彼の生家だったようです。
by carotte (2014-08-16 11:50) 

opas10

クールベは、生まれてくるのがもう50年遅かったら、優れたカメラマンになっていたことでしょう!風景の切り取り方というか、アングルが実にいいですね。
by opas10 (2014-08-17 23:45) 

carotte

opas10さん
自然のどの部分を切り取って絵に描くかというが風景画の一つのポイントですね。確かに、クールベは優れたカメラマンになりそうです。カメラを手にしてクールベの作品も見てみたかったですね。
by carotte (2014-08-23 10:31) 

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