運搬橋 [ポワトゥー=シャラント地方]
昨日紹介したエルミオヌ号。ロシュフォールの港を出港し海に出るまでの間、シャラント川を十数キロ下って行きます。
その様子が昨日の映像で紹介されていましたが、その中の川の両岸に鉄骨の塔が2本あったのを憶えておいででしょうか?
これが実は運搬橋なのでした。運搬橋とはいったいどんな橋なのでしょう?
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年8月26日に放送)(▸をクリックしても映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
なにやら鐘の音が出発を知らせています。
すると橋のようなものが動き出しました。
それは高架橋に吊るされた橋。そろそろと川を渡って行きます。
これが運搬橋です。開通したのは1900年のことでした。
「ゆっくりと静かに動いて、ちょっと魔法のようです。それにどこか昔に戻ったような感じがします」と女性。
川を渡りきるのに4分半かかります。19世紀、人々の毎日の生活に欠かせなかった頃に比べると3分ほど長いそうです。昔はかなりの早さで横断していたんですね。
「1時間に6往復してたんじゃが、毎回、乗用車やトラックでいっぱいだった。朝は自転車に乗った通勤客が多かったね」とアルベールさん、93歳。
アルベールさんは1967年までこの橋を運転していました。
この年に橋は運転を中止してしまいます。近くに新しい橋が完成したからでした。
しばらく放置され、解体の危機にあった運搬橋は、1976年に文化財の指定をうけたため、存続が許されます。
1990年代には大々的に修復され、現在では夏の間だけ観光用に再稼働されています。
乗れるのは歩行者と自転車のみ。
「運搬橋は世界に約20基ほどありましたが、残っているのは8基。うち現在でも稼働しているのは6基だけです。その中の一つで唯一フランスで残っているのが、このロシュフォールの運搬橋です」
今でも動くとなると必要になるのがメンテナンスです。
高さは50mほどの高架橋では係の人が頻繁にこうして検査を行っています。
この運搬橋、映画にも登場しました。
ジャック・ドゥミ監督の「ロシュフォールの恋人たち」(1967年公開)です。
解体を免れ、今も稼働を続けている稀な運搬橋。年間6万人が利用しているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、運転免許を取ったばかり。まだ車は運転してなかったので、母が芝刈り機を運転してはどうかと言った」
VDM (Vie de merde)より
あの鉄塔、なんかいわくありげだと思っていたら、これでしたか!とてもノスタルジックで観光客としては是非乗ってみたいと思いますが、実際の生活で毎日利用するとなると、まどろっこしいかもしれません。それにしても、あのメンテナンスはすごいですね、高所恐怖症の人には絶対無理です(笑)
by opas10 (2014-09-15 23:50)
opas10さん
前回の映像の中でも、あの鉄塔は結構めだってましたよね。船でもなく、普通の橋でもない、よくこんなものを作るアイデアを思いついたもんです。船より速くて安全ということなんでしょうね。こういうのは日本にはありませんから、一度、試してみたいです。
by carotte (2014-09-21 20:13)