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広告看板 [トピックニュース]

 フランス・アルプスの麓にある都市グルノーブルの市長が、広告看板の廃止を決定したそうです。

 

  美しい風景の中に突如として現れるあの看板は雰囲気ぶち壊しですが、廃止となるとそう簡単にいかないような気がします。

 

 ブルターニュ地方の町ヴァンヌ(Vannes)の場合を例に考えてみましょう。

Paris_Vannes.jpg


  下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年12月16日放送)


 

 道路沿い、駐車場、ショッピングセンターなど、広告看板がありとあらゆるところに設置されています。

 

 そして、これ。2メートルおきくらいに大小様々な看板が立てられています。

 

 「これはちょっと多すぎますね。情報量も多すぎて、結局、訳が分からなくなりそうです」

 

 「これじゃあ、風景を台無しにしてますね」

 

 「広告なんて誰も見てないのにねえ」

 

 とは言うものの、この広告看板一枚で年間数千ユーロの収入になるとか。

 

 市としても、これだけの額になると簡単にダメとは言えなくなります。

 

 「年間に総額で50〜60万ユーロになりますから無視できない額です。市は重税を課さないようにとても気を使っています」とヴァンヌ都市開発の担当者の方。

 

 ちなみにフランスには看板税というのがあります。広告看板を出すといくばくかの税金を払わなくてはなりません。

 

 ヴァンヌには城壁に囲まれた古い歴史のある区域があります。美しいですね。

 

 ここだけは広告看板は禁止。昔の風情の残る趣のある風景が保たれています。

 

 しかしここ以外は広告の出し放題です。

 

 そして、こんな職業の方もいらっしゃいます。

 

 車を運転してキョロキョロしているのは、フランスで3番目に大きい広告看板の会社の方。

 

 こうして、看板を設置できそうな場所を探し回っています。

 

 「ここです、看板を出すにの最適ですよ」

 

 というわけで、将来はこんな風に看板が設置されることになりそうです。

 

 こうして設置された看板は場所を提供した人に年間2〜3000ユーロの収入をもたらします。

 

 この肉屋のフィリップさんもその中の一人。建物の壁に看板2つを設置しています。中身は一週間ごとに入れ替えられます。

 

 「看板収入はバカにならない額ですよ。禁止されたら困りますね」とフィリップさん。

 

 こうして収入を得ているのはフィリップさんだけではありません。学校、企業、役所まで看板を出しています。

 

 ヴァンヌでは看板を禁止するのは容易なことではなさそうです。 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、『ヤング&キュート』という雑誌の広告チラシをもらった父が、それを私に渡しながら言った。『お前にちょうどいいよ。若いからな』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 2

opas10

広告看板は、確かに多すぎると美観をとてつもなく損ねるのですが、例えば空港から町中に向かう道路沿いなどは、それがひとつの景観にもなっていたりします。でも歴史的な街並みにはいらないですね~。
by opas10 (2014-12-27 21:05) 

carotte

opas10さん
日本の場合、あまり景観を考えないでひたすら出しまくる感じがしますが(渋谷の交差点がいい例です)、欧州では、大丈夫か?と疑問視する傾向があるような気がします。渋谷の交差点、カオスのようになってますが、人によってはそのカオスが面白いらしいですから、いろいろですね。
by carotte (2014-12-31 23:04) 

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