パリのパサージュ その1 [パリ]
今日から、パリにあるパサージュ(passage)を4回のシリーズで訪ねます。
パサージュとは、簡単に言ってしまえばアーケード街のこと。その歴史は古く、多くが19世紀前半に作られました。
主に裕福な人々の暮らす界隈に作られ、1800年代の中期、パリには150箇所ものパサージュがあったそうです。
現在も残っているのはそのうちの30箇所ほど。
第一回目の今日は、その中の一つ、パリ2区にあるギャルリー・ヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)を訪ねます。(下記地図の赤印)

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2014年5月13日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ギャルリー・ヴィヴィエンヌのある朝、一組のカップルが写真撮影の真っ最中。
結婚式を6ヶ月後に控えたインドネシア人の花嫁と日本人の花婿です。
「パリで撮影することにしたんです。パリは恋の街ですし、歴史があって美しいですからね。このパサージュは撮影には理想的な場所です」とカップル。
1823年に作られたギャルリー・ヴィヴィエンヌは、パリのパサージュの中でも最も美しいパサージュの一つと言われています。
「ここは近道の通路ですし、雨にも濡れません。さらに馬車や車からも無関係でいられます」
これなら雨の日もゆっくりショッピングが楽しめそうです。
「昔、このパサージュの一番目の店は、靴の泥落としが専門でした。ですから、ここにやってきた人は最初に靴の泥を落とすことになっていました。そんなわけで、ここはパリでも一番キレイな場所だったのです」
泥を落としてキレイになった靴で歩いたのが、このモザイク模様の地面。イタリア人のアーティストの手によるものです。
美しいですね。昔はこんなところにも手をかけたのですね。
「パサージュには文化がありました。物を売って金儲けをするためのものというだけではなく、文化やちょっとした贅沢というプラスαがあったのです」
パサージュにはたいてい本屋さんが入っているそうですが、このギャルリー・ヴィヴィエンヌにもあります。
最も古い本屋さんの一つだとか。三代にわたって同じ家族によって営まれてきました。
コクトーやコレットが足繁く通ったそうです。
さらに、このパサージュの13番地には、ウジェーヌ・フランソワ・ヴィドック(1775-1857)という、元徒刑囚でありながら警察の捜査局局長を務め、その後、世界初の探偵となった人物が住んでいました。(詳しくはWikipediaを→こちら)
その稀有な経歴のせいか、この人物を主人公した映画やテレビ番組が数多くつくられたようです。
ギャルリー・ヴィヴィエンヌは現在、国の文化財に指定されています。
これからもそのエレガントな姿を残してくれることでしょう。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、僕はアプリを使って、自分の携帯電話がパリの街角をうろうろしているのを発見した。携帯はタクシーの中にあるのだった・・・」
VDM (Vie de merde)より
どこもそれぞれに雰囲気がありますが、ここパッサージュの中でもきれいななところですよね。いく度に写真撮りに行きたくなります。まがり角にある本屋さんがまたいい雰囲気で、ついついそこで立ち止まってしまいます。眼鏡の店主さんがまた絵になるんですよね。
by yuzuhane (2015-01-13 22:39)
yuzuhaneさん
よくご存知ですね。私は一度行ったことがありますが、記憶の彼方なのでして・・・。ただ、きれいで上品なところだなという記憶だけは残っています。こうして改めてテレビ局の撮影した映像を見ていると、手をかけて作られているんだなということがよくわかります。
by carotte (2015-01-15 09:57)
すべてが美しいですね!モザイクの床は、アルハンブラ宮殿みたいですし、天井は、パリ万博のグラスハウスみたいです!
by opas10 (2015-01-18 18:00)
opas10さん
ぜいたくな作りですよねえ〜。昔の人はこういうところにお金をかけたんですね。文化財として大切に保存されることを願います。
by carotte (2015-01-30 23:54)