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パリのパサージュ その2 [パリ]

 19世紀に数多く作られたというパリのパサージュ(アーケード街)。


 そのシリーズの二回目は、パリ9区にあるパサージュ・ジュフロワ(Passage Jouffroy)を訪ねます。(下記地図の青印)

Paris_Paris.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2014年5月14日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 パサージュ・デ・パノラマを後にしてモンマルトル大通り(Boulevard Montmartre)を横切ったところに、パサージュ・ジュフロワの入り口があります。


 観光客を引き連れたガイドのフランソワさんと一緒に中に入ってみましょう。


 フランソワさんが解説していたのは杖について。


 「第2帝政時代には、杖は不可欠のアクセサリーだったのです」


 その杖の多彩なコレクションをお持ちなのが骨董店を営むジルベールさん。


 装飾も様々なら素材も多岐に渡ります。


 「これは19世紀に活躍した政治家モルニー公爵の頭部のついた杖です」


 「こちらはちょっと面白い杖ですよ。女性の顔と尖った頭が2本の角のように見えますが、これを裏返すと・・・お尻の形になります。これを逆さにして元に戻すと・・・ここに女性の性器があるのがわかります」


 なんとも艶かしい杖ですね。


 そうかと思えば、わずかしか作られなかった貴重な杖もあります。


 その一つがオルゴール付きの杖。19世紀には大流行していたといいますから、様々なものが作られていたようです。


 さて、パサージュ・ジュフロワが建設されたのは1846年のこと。鉄骨とガラスを用い、当時の最先端技術を駆使して作られました。


 外の光の差し込む明るいパサージュになっています。


 ここにはお店だけではなくホテルもあります。その名もオテル・ショパン(Hôtel Chopin)。


 フランソワさんによれば、ショパンは一度もここには泊まったことがないそうです。


 木とガラスでできたファサードが魅力的です。最上階の部屋からは屋根の並ぶパリの風景が一望できるそうです。


 そして、このパサージュにしかない施設は地下にあります。


 なんと床下暖房が完備されているのでした。


 パサージュの通路には数メートル毎に通気口が開けられていて、床下のヒーターで暖められた空気が吹き出す仕組みになっていました。


 寒い冬でもここなら暖かくしてショッピングが楽しめます。なんとも贅沢なアーケード街です。


 全長140メートルのガラスと鉄のパサージュ。この風景が創作意欲をかきたてるのか、スケッチをする人もいました。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、職場まで歩いていると、高齢者の集団が見えた。彼らを追い越したら、その中の誰かが僕に向かって叫んだ。「急いではダメだ。グループに戻るんだ!」僕は25歳。ケガのせいで3ヶ月前から杖をついて歩いている」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 8

huck

都大路のパッサージュ
電燈青き店にて買いぬ
はたとせ前に
エポレット輝きし友
・・・
これは、ベルリンですが、
昨年、サンジャックの道を歩いていて、突然、この詩が思い浮かびました。
不思議なことです。
パッサージュ...なんとも言えぬ響きです。
屋根も床も、店並みも、みんないいですね。
by huck (2015-01-14 12:14) 

末尾ルコ(アルベール)

シャルリーエブドの件、ネットのコメント欄などでは「フランス」についても「イスラム」についても理解してない人たちが「フランス非難」の大合唱です。この日本の状況は…。

                      RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2015-01-14 17:18) 

yuzuhane

ここも好きな場所。左手にある赤ちゃん用品の店でぬいぐるみを買ったことがあります。その向かいのお菓子やさんもレトロな感じ。今日映画サンバを見て、改めて移民が多い国フランスがかえる問題、闇を今の時期だからこそ余計に考えさせられてしまいました。
by yuzuhane (2015-01-14 19:41) 

carotte

huckさん
明治・大正の香りのする一文ですねえ〜。
パリのパサージュにはそんな雰囲気が残っているようです。幾度となく修復を繰り返しながら長く人々に使われてきたのでしょう。それだけ魅力があるということでしょうか?
by carotte (2015-01-15 10:11) 

carotte

末尾ルコ(アルベール)さん
そんなことになってるんですか!あれですかね、「表現の自由」をふりかざすことについての非難なんでしょうか?私もテレビで「節度」という言葉を聞いたときにちょっとイヤな感じがしたんですよ。いずれにしてもあれこれ非難する前にシャルリーエブドをもう少し続けてよく読んでみないといけないですね。あの手のものは日本ではまったくと言っていいほど読まれてないはずでから。さらに、シャルリーエブドは中心人物を殺害されたばかりで、普通の状況とは違うということも考慮しないといけないような気がします。
by carotte (2015-01-15 10:23) 

carotte

yuzuhaneさん
ここもご存知の場所なのですね。いろいろ面白そうなお店が並んいるみたいです。フランスは保守的な国とは思いますが、日本よりはずっと自由な国です。美しいものとそうでない部分が共存していて、それをよしとしているのがフランスという気がします。移民問題をどのように解決していくのか課題ですね。
by carotte (2015-01-15 10:39) 

opas10

これまた、モダニズム好きには堪らない鉄骨とガラスが美しいパサージュですね!地下から暖房が吹き上げてくるとは、実に贅沢!昔の杖は、随分と凝っていたというか、なまめかしいというか(笑)
by opas10 (2015-01-18 20:08) 

carotte

opas10さん
鉄骨とガラスの組み合わせは、この時代、流行していたようです。パッサージュにはもってこいの建築法ですよね。暖房付きのアーケートとは驚きました。杖はいろいろ工夫を凝らしたものが多いみたいですが、こんななまめかしい杖をついて歩いていた人もいたんですねえ。
by carotte (2015-01-31 00:02) 

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