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毎日営業ならず [トピックニュース]

 日曜日に店を開けるか開けないか・・・。


 この数年、フランスでは議論が高まっていました。


 不景気で、営業時間を拡大して売り上げを伸ばしたいとするお店が多いせいか、日曜日も開けるという方向に傾いているように見えましたが、ことはそう簡単にはいかないようです。


 フランス南西部ランド県の町サン=ポール=レ=ダクスにあるパン屋さん。


 毎日営業を続けていたところ、県から、県の条例に従い一週間のうち一日は店を閉めるようにとの通告を受けてしまいました。

Paris_StPDax.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年2月10日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 おいしそうなバゲットが焼きあがるこのお店。


 2014年に“フランスで最もおいしいバゲット”賞を受賞したそうです。


 そんなお店に、労働局の検査官はすでに2回もやってきていました。


 その結果、毎日お店を開けるのは条例違反となってしまったのです。


 事ここに至ってはしかたなく、お店は毎週月曜日を定休日とすることにしたようです。


 お客様の反応は様々。


 「これからは労働法を遵守するということでしょうな。いいんじゃないですか」と男性客。


 「パンは一番に必要なもの。毎日でも手に入れたいものですよ」と女性客。


 お店のご主人のステファヌさんはこう言います。


 「定休日を設けたことで、年間売り上げが25万ユーロ減ることになります。一部の従業員を解雇しなくてはならなくなるかもしれません」


 「働くのを邪魔するなんてねえ。一週間に一日店を閉めろなんてなんのためにもなりませんよ」と従業員。


 お店には22人の従業員がいて、週休2日で勤務しているそうです。


 休みなしで働かされているのなら別ですが、週休2日なんだったら問題ないように思いますがねえ。


 面白いことに、右派の政治家がこのパン屋さんを擁護しているとか。


 元首相のフィオンはわざわざパン屋さんに電話をかけて励ましたそうです。


 「働きたいなら働かせればいいじゃないか」という政治家もいます。


 しかし、かつて労働者が身を捨てて戦い、有給休暇を手に入れたという歴史のある国としては、そう簡単に毎日お店を開けてよしとはならないようです。


 因みに、ランド県のの条例では、普通のパンは毎日売ってはいけないが、サンドイッチなら問題ないとか。変ですね。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、私の通うパン屋には、2種類のチョコレートパンがあるのに気がついた。大きいのがショーウィンドウに飾ってあるやつ。小さいのは客に売るためのもの」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

日曜営業、お客さんの利便性はもとより雇用を増やすのだから、むしろ労働側にとってもよいことだと思うのですが・・・。この手の問題は、妙に政治的に扱うとかえってこじれそうな気がします。
by opas10 (2015-02-22 12:33) 

carotte

opas10さん
フランスでは日曜営業はすでに政治の一つに組み込まれてしまっているんですよね。労働組合もがんばってますし。今回はもう少しフランス人を働かせて活性化しようという目論見なのでしょう。反対もかなり強力です。
by carotte (2015-02-22 16:07) 

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