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風力発電と景観 [ブルゴーニュ地方]

 再生可能エネルギーの一つが風力発電。自然の力を利用して電気を作り出します。

 

 クリーンだし、安全だし、申し分ないエネルギーのような気がします。

 

 しかし、ブルゴーニュ地方の小さな村フラヴィニー=シュル=オズラン(Flavigny-sur-Ozerain)ではこんな問題が発生しています。

Paris_Flavigny.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年5月4日に放送)(▸をクリックしても映像が出て来ないときは、ウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 



 この牧歌的な風景。

 

 中世の佇まいを今に残す小さな村フラヴィニー=シュル=オズラン。

 

 「フランスで最も美しい村」の一つです。

 

 今、この美しい村を取り囲むように8キロにわたって10機ほどの風車が設置される計画が持ち上がっています。

 

 文字通り青天のへきれきのような話に村人たちが抗議の声をあげています。

 

 「私は絶対反対です!」と女性。

 

 「もっと標高の高い、電気の作りやすい他の場所に設置すればいいんです」と別の女性。

 

 毎年6万人の観光客がこの村を訪れるそうです。

 

 風車ができてしまっては、観光収入に影響が出て、村の経済が悪化する、というのが反対派の意見です。

 

 「あの辺りに7階建てのビルが建つのと同じなんですよ」と男性。

 

 そして、観光客向けの宿泊施設を営むジュディットさん。お部屋を訪ねてみると、窓から真正面に風車が見えるようになってしまうとのこと。

 

 「風車なんて作ったら、こんなに美しい眺めも台無しになってしまいます」

 

 この地域では数年前からあちこちに風車が設置されているそうです。中には住宅のすぐそばに立っているものもあります。

 

 自然の中に突然現れる無機質な風車。違和感を覚えます。

 

 しかし、フラヴィニー村の正面にある村は風車を設置したおかげで年間30万ユーロの収入を得ているそうです。村にとっては重要な収入源。

 

 「村の税金収入の3倍にあたります。我々にとっては巨額の収入なんです」と村長さん。

 

 これが現実なのですね。観光収入よりはるかに高額の収入が得られそうです。

 

 しかし、中世の趣を残す村は、のんびりした田舎の風景の中で味わいたいもの。窓から巨大な風車は見たくありません。

 

 風力発電も一長一短ですね。

 

 尚、フラヴィニー=シュル=オズラン村については以前の記事で詳しく紹介しています。興味のある方は→こちら

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、著しく景観を害している窓の鉄格子を外そうとしたら、妻が全体に反対だという。彼女によれば『強盗に入られる』そうだ。でもね、ここは30階だよ」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 2

opas10

Renewable energyは、もちろん大事ですが、何もこの美しい村に巨大な風車を作らなくてもよいと思うのです。一度破壊すると二度と戻らないものがありますので。
by opas10 (2015-05-08 22:27) 

carotte

opas10さん
フランスの電力会社と風力発電の会社がなにか推進でもしてるんですかね。フランスはあちこちに風車を作ってるみたいです。ノルマンディーの海岸にも作るらしいです。巨大で無機質なものを作るより、もっといい方法があるような気がするのですが・・・。
by carotte (2015-05-13 00:33) 

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