ギリシャの失業者 [ギリシャ]
フランスからアメリカに贈呈された自由の女神像。7月4日、その前をエルミオヌ号がゆっくりと航行していきました。
その映像が→こちら。
美しいですね。絵葉書になりそうな一場面でした。
さて、失業率25.6%というとんでもない数字になっているギリシャ。
失業者の暮らしとはどのようなものでしょう?
本日は動画はありません。
Savvas Kovlakasさん、37歳、独身。
役者さんですが、5年前から失業しています。
やりくりしながら、なんと1ヶ月500ユーロ(約68,000円)以下で暮らしているとか。
まず、住まいはどうなっているのでしょう?
アテネの都心にあるアパートを借り、同居人とシェアして住んでいます。
広さは60㎡、家賃は360ユーロ。二人でシェアしているので、180ユーロがSavvasさんの負担分。
「基本的に僕は一人で住むのが好きです。経済的な理由から人とシェアして住むことにしましたが、今では慣れてしまってすごく快適に暮らしてます」とSavvasさん。
多少の収入にもなるので留守の時は友人に有料で部屋を貸しているとか。
次に問題なのが食費。
節約のためお昼はアパートの真下にある食堂Anapsictirioで食べているそうです。
「もともと近所の労働者のためにあった食堂ですが、今では皆が来るようになりました」
イカのフライが3.50ユーロ(約480円)、サラダが1.50ユーロ(約200円)で食べられる食堂は、節約を余儀なくされている人たちにとって救いの神みたいなお店になっています。
40歳くらいのギリシャ人のご夫婦が経営されているとか。
「たっぷりの量の一品を3.50ユーロで日替わりで出しています。いつも満員です。早めに来ていただいた方がいいですね」とお店の方。
Savvasさん、贅沢はできないので気になるのは常に値段。
「ここに来ない時は、ここから数ブロック先にあるインド料理店に行くんです。そこだと、スブラキ(ギリシャ料理の串焼き)が、1〜2ユーロで食べられます」
アテネには2010年から無料または廉価で料理を提供してくれる団体があるそうです。
また、売れ残った食料品を安くで売ってくれる組織もあるとか。
住むところを確保して、なんとか食べることもできても、健康でなければどうにもなりません。
Savvasさんは、幸運にも、引退したご両親がSavvasさんの名義で下着店を経営してくれているので、健康保険に加盟し、診療代や薬代もなんと払うことができるそうです。
とは言っても、今のところ健康なので健康保険のお世話になることはないとか。
さて、人間の生活とは、健康で寝て食べていればいいというものではありません。文化的な活動も重要です。
Savvasさんは年間45ユーロをギリシャ役者労働組合に払っています。
そのおかげで、映画を無料または5ユーロで観ることができるそうです。
「このような特典はどんどん少なくなってきています。文化は傍に追いやられてしまっているんです」
こうしてやりくりしながら500ユーロ以下で暮らしているSavvasさん、日曜日の国民投票では“ノー”に投票するそうです。
「僕らは危機が始まってから、これまでになく団結しています。この状態がしばらく続くことを願っています」
これからギリシャの辿る道はどうなるのでしょう?
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、フランスで学生をしています。お金に関しては故郷に住む両親に頼っています。ええ、そのとおり、私はギリシャ出身です」
VDM (Vie de merde)より
30代で5年間失業していながらも、それなりに生活できているんですね。一連の騒動の中でギリシャ全体に、あまり悲壮感を感じないのですが、この方みたいに、なんとなく生活できているからなのでしょうか。
by opas10 (2015-07-11 23:20)
opas10さん
そう言われると、会社が倒産して自殺者が何人にもなった、というような悲惨なニュースはあまり聞かないですね。ニュースになっていないだけでしょうか?この人も手にしているお金がどこから来たものかわからないですね。親からの仕送りなのか、失業保険なのか、それともアルバイトでもしてかせいでいるのか・・・。一応、ホームレスにはならないで暮らしているようですけど。
by carotte (2015-07-12 23:28)