フランソワ1世を巡る旅 その4 [サントル・ロワール地方]
シリーズの四回目は、フランソワ1世が居城としていた丘の上のアンボワーズ城のふもとにある、ちょっと変わったレストランを訪ねます。
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レストランL’Auberge du Prieuréは、アンボワーズ城と地下通路で繋がっているクルーの館クロ・リュセに隣接しています。
ここでは、フランソワ1世の時代の食事を再現してお客様に出しているそうです。
厨房では料理人がお仕事の真っ最中。ムスカデ、フェンネル、クローブなどの香辛料の香りが漂います。
中世にはなかったこの香辛料が、ルネッサンス期の料理の特徴です。
「ルネッサンスの時代には、食事に別の要素が加わります。つまり、食べるだけではなく、食べることによって元気になる、健康でいられるという考え方が生まれたのです」と、昔の料理を再現するのが専門の料理人ステファヌさん。
料理の準備が完了したら、今度は昔の衣装に着替えお客様をお迎えします。
「フランソワ1世も今と同じように、健康でいるためにノルマンディのバターや生クリームを食べたのです」とステファヌさん。
こんな風に細長いテーブルに全員が集まって仲良く食事をするのが当時の食べ方だったのかもしれません。
皆さんが召し上がっているのは、トゥール地方のワインソースとカモのコンフィ+クローブ風味のニンジンのピュレ。
そしてお供のワインは、香辛料入りの甘いワイン。
「ワインも食前酒もメイン料理も、すべて香辛料の味がしますよ」と女性客。
「昔の人はすでに上手に食べることを知ってたんでしょうね。ご馳走でありながらも、これなら太らないし、コステロールも少ないですからね」と男性客。
昔の料理が次々と生まれるステファヌさんの厨房。昔のレシピをよく研究した上で作るそうです。
15世紀末には新大陸の発見があり、世界が大きく動いている時代でした。
大胆なフランソワ1世は新しいものを好み、それが新しい料理を生む原動力にもなったようです。
「新大陸の発見で、香辛料やハーブなどがどんどん国内に入ってくるようになり、それが新しい風味や味わいをもたらしたのです」などと料理人が解説しながら作っていたのは、子豚の料理。
当時は健康志向が強かったせいか、赤いお肉より白身のお肉が好まれました。
そして新しい野菜も入ってきました。ズッキーニやナスもその中の一つでした。
「ルネッサンス期は肉より野菜がよく食べられました。ナスなどは大切な食材だったのですよ」とステファヌさん。
フランソワ1世によって洗練されたフランス料理は、その息子の嫁としてイタリアからやってきたカトリーヌ・ド・メディシスによってさらに高度に洗練されていくのでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、食事に来るように妹を呼んできてくれと息子に頼んだら、息子がポケットから携帯を取り出した」
VDM (Vie de merde)より
15世紀末も健康志向だったのですね、「時代は繰り返す」でしょうか。香辛料の入った甘口のワイン、個人的には苦手な系統ですね~(笑)。
by opas10 (2015-08-15 21:38)
opas10さん
この時代も食事と健康は切り離せないものだったんですね。そしてこの時期、東方から様々な香辛料が入ってきたようです。香辛料入り甘口ワインって、相当変な味ですよ、きっと。
by carotte (2015-08-23 17:40)