ランド県伝統の闘牛 [アキテーヌ地方]
週末は二日とも理想的な秋晴れで気持ちが良かったですね。
週明けはぐっと気温が下がって、いよいよ秋がやってきたという感じです。
油断をして薄着をしていると風邪を引き込みそうです。皆さん、どうぞお気をつけて。
さて、先週の日曜日、フランス南西部のランド県にある町モン=ドゥ=マルサン(Mont-de-Marsan)では、この地方伝統の闘牛が行われました。
闘牛といっても、ここのはちょっと変わっています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年10月5日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
闘牛は残酷で動物虐待ではないかと問題になっている昨今、このランド県に昔から伝わる闘牛は、牛の体に剣を付たて命を奪うということは決してありません。
ご覧のとおり、ランド県の闘牛士には二種類あります。
一つは突進してくる牛を立って待ち構え、ギリギリのところで身をかわす闘牛士(écarteur)(「かわす人」の意味)。
もう一つが、同じように走ってくる牛を待ち構え、ぶつかる寸前にすばやく飛び上がって牛を飛び越す闘牛士(sauteur)(「跳ぶ人」の意味)。
跳ぶ闘牛士の方、とんぼ返りをした後に、ダンスなど披露して余裕ですね。
「父は“かわす“闘牛士でした。昔から我が家に代々伝えられてきた技なんです」と男性。
牛を飛び越えただけでなく、その飛び方の美しさも見所ですね。
さらに、両足を紐で縛ったり、ベレー帽に両足を突っ込んだまま跳ぶというアクロバティックなものもあります。
牛との距離を数ミリ違えてしまえば、こんな風に危険な状況になってしまいます。
念のため、先の尖った牛の角にはテープが巻き付けられ大きな怪我にならないようにしてあるそうです。
そして牛は雄牛ではなく雌牛が使われます。
角にロープをかけて担当者が牛を操るのも他の闘牛と違ったところ。
「うまく牛をかわすことができた時は、とても誇りに感じます」と闘牛士。
「ぎりぎりまで待ってうまく牛をかわすことができるのは、経験を積んだ証拠です」と観客の男性。
このランドの闘牛、15世紀にはすでにあったことが確認されています。
現在では、チャンピオン戦も開催されるようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、僕の卒業試験の日。試験会場まで母が車で送ってくれた。母はラジオをつけるとクラシック音楽のチャンネルに合わせてこう言った。『屠殺場に連れて行く牛にクラシック音楽を聴かせると落ち着くらしいわよ』ママ、ぴったりのたとえ話をありがとう」
VDM (Vie de merde)より
凄い緊張感です。
ロープ付きの牛を初めて観ました。
by kiki (2015-10-06 08:35)
kikiさん
皆さん顔色一つ変えずにやってますが、かなりの緊張なんじゃないかと思います。ロープで牛を操るというのもユニークですね。
by carotte (2015-10-08 16:43)
フランス人のつぶやき、さらに「ドナドナ」の曲が流れると完璧に(笑)
by opas10 (2015-10-14 23:29)
opas10さん
こういう場面ではやはり「ドナドナ」ですよねえ~。
by carotte (2015-10-16 13:26)