ラグビーの日本代表、紺のスーツ姿がカッコいいですねえ〜。
決勝トーナメントには進めませんでしたが、日本のラグビーの歴史を塗り替えました。
「皆を魅了した日本代表、残念ながら決勝には進めませんでした」とフランスのニュース番組で司会者が言ってました。
日本人だけでなく外国の皆さんも日本代表の試合を楽しんだようです。
一方、フランスは順当に決勝トーナメントに進みました。
が、しかし、次の対戦相手がなんと強豪ニュージーランド。厳しい戦いになりそうです・・・。
さて、今日から3回のシリーズで“塩の道”を辿る旅を紹介します。
“塩の道”はいくつかあるようですが、今回は、フランス東部のフランシュ=コンテ地方からスイスにまたがる“塩の道”です。
こんな山の中で塩が取れるのか?と疑問になりますが、ちゃんと塩が取れるんです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年10月11日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
数千年も前から大切にされてきた塩。かつては白い黄金と呼ばれていました。
調味料のほかに食物を保存するためになくてはならない物質です。
本日は、まずはジュラ山脈の中にあるかつての製塩所を訪ねます(上記地図の赤印)。
サラン=レ=バン(Salins-les-Bains)の製塩所の地下はまるで教会のよう。塩づくりは塩分を含む地下水の汲み上げからはじまります。
この一帯は岩塩が数多く存在し、それが地下水に溶けたと考えられています。海水よりも塩分濃度の高い地下水を蒸発させると塩が取れました。
白黒映像は1930年代の製塩の様子です。
18世紀、サラン=レ=バンはこの塩で繁栄をとげます。しかし、地下水を蒸発させるために必要だった木材が不足し始めます。
そこで当時のフランス国王ルイ15世は、ここから20キロほど北西にあり木材も豊富なアルク=ケ=スナン(Arc-et-Senans)に新しい製塩所を立てさせます。それがユネスコの世界遺産にもなっているアル=ケ=スナンの王立製塩所です(上記地図の青印)。
ちなみにサワン=レ=バンの製塩所も共にユネスコの世界遺産に登録されています。
この見事な建物。建築家クロード・ニコラ・ルドゥの手によるものです。古代ギリシャ・ローマ風の柱のある正面の建物は製塩所所長の家。
「こちらの建物が塩を作っていた作業場です」と関係者の女性。
ここには従業員の住まいも併設されています。そしてパン屋さんや共同洗濯場もあったそうです。
アル=ケ=スナンには木材は豊富でしたが、塩水がありませんでした。そのため、サラン=レ=バンで汲み上げられた地下水を21キロにもわたるパイプラインでアル=ケ=スナンまで運搬していたそうです。
パイプラインとは言っても、当時は樅木の幹をくりぬいて作った筧のようなものだったそうです。
半円形の製塩所は空から見ると美しいですね。
“塩の道”はさらに続きます。次に訪れたのは、モルトー(Morteau)にあるキャラメル工場(上記地図のオレンジ印)。
ここのキャラメルは、サラン=レ=バンの塩水が使われています。塩水、ミルク、砂糖が練り合わされてとろけるようなキャラメルが出来上がりました。甘いキャラメルを試食したら次の目的地へと出発です。
国境を越えてスイスへ入っていきます。ここはヌーシャテル湖畔にある温泉町イヴェルドン=レ=バン(Yverdon-les-Bains)(上記地図の緑印)。
温泉と言っても30℃だそうですから、温水プールくらいの水温です。しかも塩水。毎年数千人が保養に訪れるそうです。
最後は南下してレマン湖に近いベー(Bex)の製塩所(上記地図の黄印)を訪ねます。
こちらもレールに揺られながら地下へと潜っていきます。
ここは今でも塩を作り続けている欧州では数少ない製塩所の一つです。岩に水をかけて、中に閉じ込められている塩を溶かして取り出すそうです。
こうしてできた塩水は大きなタンクに溜められ、水分を蒸発させることで塩を作っています。
第一回目の旅は、観光コースになりそうな楽しい旅でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、お隣さんに塩を借りに行った。すると家の主人が血相をかけえて飛び出してきた。古典的手法で僕が奥さんを誘惑しようとしたと思ったらしい。本当に塩が欲しかっただけなのに・・・」
VDM (Vie de merde)より
アル=ケ=スナンの建物は、王立だけあって立派でしたね、とても製塩所とは思えない、というかそれだけ製塩所の地位が高かったのですね。このコース、確かにレポーターもちょっと観光気分にも見えました(笑)
by opas10 (2015-11-01 20:39)
opas10さん
昔の塩は今とは比べ物にならないくら貴重だったと見えて、アル=ケ=スナンの製塩所は立派でしたね。今回は、製塩所、キャラメル工場、温泉と、観光にぴったりのコースになっていました。
by carotte (2015-11-03 10:35)