冬の郷土料理 その5 [フランスの郷土料理]
シリーズの最後は、フランス北部フランドル地方の代表的な料理カルボナード・フラマンド(carbonade flamande)を紹介します。
今回は、ベルギー国境に近い小さな村にあるエスタミネ(フランドル地方独特の飲食店)のシェフが作ってくれます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月14日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)
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VIDEO. Les secrets de la carbonade flamande
黒いお皿に盛り付けられているのがカルボナード・フラマンド。ビールとフライドポテトと一緒にいただきます。
「この地方の郷土料理なので大好きです」と女性客。
この料理のポイントとなるのが牛肉とジャガイモ。
そして今日の料理を作ってくれるのがエスタミネLa Bruegelのシェフ。
お店の建物は16世紀のもの。そして25年前からカルボナード・フラマンドの変わらぬ味を守ってきました。
「カルボナードの語源はカルボン(carbón)から来ています。当時、多くのスペイン人が炭鉱で働いていたんです。スペイン語で石炭のことをカルボンと言い、そのうちこの料理のことをカルボナードと呼ぶようになったのです」とシェフのアンドレさん。
そう言われると、お肉の塊が石炭のようにも見えます。
作り方は、まずは牛のチャックステーキと呼ばれる部位を角切りにします。
次に、ブラウンシュガーとマスタードとviandoxと呼ばれるソースを混ぜてつなぎを作ります。どうやら甘辛味のつなぎになるようです。
そして、最後に添えるパンデピスも用意しておきます。
鍋にマーガリンを溶かし、肉を炒めます。軽く焼き色がつくくらいに炒めます。
そこに先ほど作った甘辛味のつなぎとビールを加えたら3〜4時間ことこと煮ます。
番組では紹介がありませんでしたが、玉ねぎも一緒にビールで煮込むようです。
このビール、ブリューゲルの作品にも登場するこの地方を代表する飲み物です。
こちらはビール工場。
「これは醸造の第一段階で、温水に麦芽を加えているところです。1〜2時間ほどかかります」と工場の方。
次に液体と絞りかすを分離します。
液体の方は大きなタンクに貯蔵されビールになります。この絞りかすは動物の餌になるそうです。
こうしてできたビールはボトルに詰められ出荷されます。
カルボナードに使われるのはこのブラウンビールです。
「ソースに影響するビールですから、これはピュアモルトのビールなんです」
そのビールを使ってできたカルボナード・フラマンドはパンデピスと揚げたてのフライドポテトと一緒にいただきます。
「お肉がとても柔らかいです。長い時間煮込んだんでしょうな」と男性。
「ビールの味が強すぎてはいけないんですよ。これはほんのりビールの味がしてとても美味しいですよ」と女性。
ちょっとブーフ・ブルギーニョンに似てますが、あちらは赤ワインで煮ますが、こちらはビール。少し軽めでしょうか?
柔らかいお肉が美味しそうでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、コンサートの真っ最中に、ほろ酔い気分の男がちょっとしたはずみに手に持っていたビールを僕の肩にこぼしてしまった。その男はビールを取り戻すために僕の肩をなめ始めた」
VDM (Vie de merde)より
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