トゥール・ダルジャン [パリ]
昨日は4月にしてはちょっと冷たい風が吹きました。
予報によると黄金週間中は東京はまあまあのお天気のようです。
さて、一ヶ月ほど前、モン=サン=ミッシェルの教会の一番高いところにあった大天使ミカエル像が修復のために取り外される映像を紹介しましたが、だいぶ修復が進んで、金箔を貼り込んでいる最中だそうです。
その映像に興味のある方は→こちら。
金箔の重さは全体で32グラムになるとか。地道な作業ですが、間もなく全体が金で覆われることになるそうです。
完成したら本当にピカピカの像になりそうです。
そして、パリからモン=サン=ミッシェルへの巡礼路の出発点となるのがノートルダム大聖堂。パリ観光の名所中の名所です。
その美しい姿を眺めながらフランス料理を堪能できるのがトゥール・ダルジャン(Tour d’Argent)。
この度、お店でずっと使われてきた食器が競売にかけられるそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年4月28日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
La Tour d'argent se sépare de sa vaisselle
評判に違わぬこの眺め。約100年前から変わっていません。
しかし、今年の4月から食器が新しいものに変えられました。
「市場は変化し続けています。競争も激化しています。トゥール・ダルジャンも、お客様のお求めになる高級感に即したものを提供しなくてはなりません。何しろ、20世紀の高級感と今の高級感は同じではありませんからね」とお店のオーナー。
トゥール・ダルジャンは20世紀から今世紀にかけて代々テライユ家がオーナーを務めています。
今の場所にお店を開店させたのがアンドレ・テライユです。1936年のことでした。
二代目のクロード・テライユはお店の壁を大きな窓に作り変えました。
そして現在、3代目アンドレ・テライユ(38歳)が経営を任されています。お店のスタイルを少し軽くしたいというのが3代目の意向です。
こちらが新しいグラス。そしてこちらが古い方。確かに、新しい方が今風です。
トゥール・ダルジャンのネーム入りの古い食器約3,000点は5月9日に競売にかけられます。
「1点100ユーロぐらいからになります。大皿2枚、またはグラス1ダースで200ユーロからになるかと思います」と競売担当の方。
競売の中には20,000ユーロもする珍しいスピリッツも含まれているとか。
「母と一緒に競売のカタログを見ていたら思いがこみ上げてきました。お店の歴史がそこにすべて表れていましたからね。と同時に、お客様がたとその歴史を分かち合うことができるんだという喜びも感じています」と3代目。
そして、注目の食器がこれ。何に使うかといえば、鴨のガラをプレスしてソースを作るためのもの。
鴨の血と骨髄が混じったソースになるそうです。
テーブルにはすでに新しい食器が並べられランチの準備ができていました。
お客のうち60%がフランス人だそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、息子に洗った食器を拭くように頼むと息子が言った。『神のお慈悲にお任せしましょう』つまり自然乾燥ってことです」
VDM (Vie de merde)より
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