1分でわかるバカロレア [トピックニュース]
6月も半ばを過ぎました。
この時期、フランスは卒業の季節。
そして、高校を卒業する学生たちの多くが、バカロレア(Baccalauréat)の試験を受けます。
バカロレアとは?

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年6月13日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
試験は一週間かけて行われます。今年は6月15日〜22日。すでに昨日始まりました。
受験生の数は695,682人。
バカロレアには3種類あり、普通バカロレアを受験するのが52%、職業バカロレアが28%、技術バカロレアが20%です。
国内の高校生はもちろん、85か国に渡って設けられているリセの学生も同じように受験することができます。
どこで受験するかと言えば、4,591か所に設置されている試験センター。
試験の内容は、数学、国語、哲学の他に、今年は全体を合わせると2,900種類の課題があるそうです。
試験用紙は厳重に保管されているとか。
このうち3分の1は試験用紙が盗まれたり、問題が漏えいした場合に備えての再試験用のものだそうです。
こうして受験した学生たちの答案を採点するのが試験官です。その数17万人。
ということは機械的に計算すると、一人当たり約4人の答案を採点することになります。
しかし答案用紙の数は全体で400万枚!
バカロレアの受験費用は一人当たり80ユーロ(約9,500円)。
合計すると今年は55,654,560ユーロ(約66億円)がかかることになります。
このバカロレア、大学に進学したい人は必ず取得する必要があります。
バカロレアがあれば、一般の大学なら登録するだけで入学できます。ソルボンヌもその一つ。
一方、数々のエリートを輩出してきた高等教育機関のグランゼコールへは、バカロレアとはまた別の過程を経て入学することになり、こちらの方はもっと厳しい試験に合格しないと入れません。
またバカロレアは取得していると就職にも有利だと言われています。
因みに、当ブログでお馴染みの、フランスのTV局TF1の午後1時のニュース番組の司会を担当しているジャン=ピエール・ペルノーさんはバカロレアを取得してないらしい。アンドレ・マルローも同様。
バカロレアがなくてもそれなりの実績を残す人は残すのでしょうね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、息子にやる気を出させるため、優秀な成績でバカロレアに受かったらポータブルパソコンを買ってやると約束したら、息子は節約を始めた」
VDM (Vie de merde)より
受験者数もさることながら試験官の数もスゴイですね。これはもはや、公共事業のひとつになっているのかもしれません(^^;)
by opas10 (2016-06-26 11:23)
opas10さん
これはかなり大きな公共事業だと思われます。これがなくなったら失業してしまう人が出てくるかもしれません。
by carotte (2016-07-03 14:44)