ローカル線の小さな旅2 その1 [ラングドック=ルシヨン地方]
連日30℃をはるかに超える暑い日が続いています。エアコンがあってよかったなとつくづく思う今日この頃です。
さて、今日から5回のシリーズでフランスのローカル線を紹介します。
のんびりしたプチ旅行をバーチャル体験してください。
第一回目の今日は、フランス南部ピレネー=オリアンタル県を走る黄色いローカル線に乗ってみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年8月1日に放送)
朝9時15分前。
ヴィルフランシュ=ドゥ=コンフラン(Villefranche-de-Conflent)(上記地図の青印)の駅からラトゥール=ドゥ=カロル(赤印)行きのローカル線が、発車の時刻を迎えました。
普通車両の間には屋根のないオープン形式の車両もあります。
定員は250人。63キロ先の目的地まで、いざ出発!
美しいアーチ型の鉄橋を走るイエロー・トレイン。絵になります。
乗客の皆さんはカタロニア地方独特の風景を満喫していらっしゃいます。
「雄大で美しい眺めですね」と若い女性。
「屋根付きの車両に比べると、こちらの方が自然を直に感じられていい気分です」と別の女性。
列車の最大速度は30キロ。標高1,200メートルから徐々に下っていきます。
「ハイキングするなら別ですけど、これは他では体験できないですね」
こちらは屋根付きの通常の車両。とは言っても、20世紀初頭に作られたレトロな車両だそうです。
皆さん、外の風景を見逃さないように窓側に立って写真撮影です。
「蒸気機関車だったら煙が出てるところでしょうね」
運転手はミカエルさん。お父さんも鉄道員だったとか。
このイエロー・トレインの運転を心から楽しんでいます。
「古い型の列車なので操縦が今とはまるで違いますね。それに、走っていると、馬や牛などの動物たちをすれ違うことがよくあります」
こうして1時間半ほど列車に揺られたところでモン=ルイ村(Mont-Louis)(緑印)に到着。
城壁の村を見学するためにほとんどの乗客がここで降ります。
モン=ルイ村はあのヴォーバンによって要塞化された村です。
この要塞については以前紹介したことがありますが、ここでは実際に今でも軍の兵士の訓練が行われています。詳しくは以前を記事を→こちら
この要塞の中に設置されているのが巨大な反射鏡。
この反射鏡で太陽光を集光し高音を作り出す施設で、太陽炉と呼ばれています。
ちょうど光の集まるところは3,000℃にも達し、紙や木はもとより、鉄板まであっというドロドロに溶けてしまいます。
「驚きました。いろいろ利用価値がありそうですね」
ランチはモン=ルイのレストランでいただきます。
「カタロニア地方のハムやソーセージをいただいています。フォワグラ入りのブーダンもありますよ。とても美味しいです」
お腹がいっぱいになったところで、そろそろ帰りの列車の時刻になりました。
イエロー・トレインはまた緑の中をのんびりと走っていきます。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、身体中が黄色になって、慌てて病院に駆け込んだ。すると医者が言った。『お嬢さん、これは単なる日焼けです』」
VDM (Vie de merde)より
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