週末はブカレストで [パリから週末旅]
日曜日は恒例の週末旅。
今回はルーマニアの首都ブカレストを旅します。
パリから空路で3時間40分ほどかかります。しかし、帰りの便は不思議なことに2時間ほど。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年12月10日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
首都のど真ん中に立つこの “どデカイ” 建物はルーマニア議会の議事堂です(上記地図の青印)。
正式には「議事堂宮殿」。別名を「国民の館」と言います。
この建物、もともとは、あの独裁者チャウシェスク大統領が官邸として建てさせた、いわば宮殿です。
広さは35,000㎡、ペンタゴンに次ぐ世界で2番目に大きな建物です。
早速、中に入って見学してみましょう。
部屋の数は約1,000室。1時間半かけて見学しても全体の5%しか見たことになりません。
とにかく贅を尽くした建物です。大理石、絹の織物、金箔で覆われたレリーフ・・・。
1980年代に作られた宮殿はちょっと時代錯誤な感じもしてきます。
これは大きな階段ですが、小柄なチャウシェスクに合わせて一段の高さは低めに作られているそうです。
バルコニーの正面にはパリのシャンゼリゼ通りを意識して作られたウニリイ通りがあります。
共産主義国になる前のブカレストはご覧の通り、あちこちに20年代のパリのような街並みが続いていました。
共産主義によって破壊されてしまったとはいえ、その面影が残る通りもあります。凱旋門もその中の一つ。1935年にパリの凱旋門をモデルに作られました。
そんな建物の中に、共産主義時代の近代建築もあります。中には今にも崩れそうになっていたり既に廃墟と化している建物もあります。
デザインとしては面白そうですが、これはもう建て替えの時期が近づいているような・・・。
そんな街を散策したら今晩の宿ホテル・チシュミジウ(Hotel Cismigiu)へと向かいましょう(緑にベッドのマーク)。
この建物、100年もの歴史があります。創業当時は宮殿ホテルと呼ばれ、ブカレストでも特別な場所だったそうです。
しかし、今から4年前までは正面のビルのようにひどく傷んでいました。
現在の建物はオリジナルをそのまま復元したものです。アールデコ調の玄関扉がおしゃれです。
中は現代的な設備とデザイン。ホテルというよりアパートのような作りになっています。自炊もできそう。シーズンオフなら一泊95ユーロ。
このホテルも共産主義時代は放置され2つ星ホテルに格下げ。1990年には学生寮として使われていました。その頃に若い女性がこの壊れた階段で亡くなったとか。
「この事件がきっかけで、イーグルスの『ホテル・カルフォルニア』を『ホテル・チシュミジウ』に置き換えてルーマニアのローカルバンドが歌ってヒットしました』とホテルの方。
さて、お腹も空いたところで、いつものように地元の市場Piata Matache(中央市場)へ向かいます(オレンジ印)。
ここで忘れていけないのはブドウジュースをいただくこと。ルーマニアではムーストというらしい。ブドウの実を搾っただけのジュース。甘くて美味しいそうです。
次は地元の人にも人気のミティティ(合挽き肉を使ったルーマニア風ケバブ)をいただきます。こんな風に大きめの楊枝を2本使っていただきます。ビールも美味しそう!
次は、ちょっと変わった場所に行ってみましょう。
ここはクセノフォン通り(Strada Xenofon -scriitor-)(こげ茶印)。通りと言っても階段になっています。水が流れているように見えるだまし絵の階段を上っていくと・・・何か撮影が行われていました。
「ここはよく撮影に使われる場所なんですよ。おしゃれでパリみたいでしょう」と男性。
パリからわざわざやってきたのですから、ルーマニアらしいところにも行ってみましょう。
ここは135年の長い歴史あるレストランCaru’ cu Bere (The Beer Cart)(紫にナイフとフォーク)。
毎日2,000人ものお客様がいらっしゃるそうです。観光客が多そうですね。リポーターをオーナーが出迎えてくれました。
「共産主義で国に没収された際、壁画が退廃的だとして、上からトラクターや労働者の絵を描きました。幸い、元の絵は下に残っていたので修復されて今に至っています」
このお店のスペシャリテは豚のすね肉。すご〜い、野生的でボリュームたっぷり。
夜のブカレストも面白そうです。
さて、今回の費用は、宿泊代が95ユーロ、夕食代が12ユーロ、昼食代が3ユーロ、議事堂宮殿の見学料が10ユーロ、飛行機代が154ユーロで、締めて274ユーロ(約33,000円)でした。円安が進んだため円に換算するとだいぶ高くなりました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、6歳になる娘が抱きついてきて言った。『パパって幼稚園の先生と同じ匂いがする』『変だね、さっきビールを飲んできたばかりなのに』『その匂いよ。ビールの匂いがするの』」
VDM (Vie de merde)より
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