ケラ地方を訪ねて5 [プロヴァンス地方]
何やかや言って、あっという間に1月が終わって、もう2月です。
暦の上では今日は立春。そろそろ春が恋しくなってきました。桜の開花まではまだ2ヶ月ほどあります。
昨日、梅の話をしたばかりなのに、今日はもう桜の話か・・・。
さて、ケラ地方シリーズも今日が最後です。
最終回は、豊かな森林資源を使った工芸品のアトリエを訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年1月27日に放送)
雪の下を流れる川。川の水は凍らないようです。日当たりが良いせいでしょうか?
こちらがそのアトリエです。木を削る音・・・。
「これがケラ模様の代表的なものです。六角形の星と、こっちのは”太陽”と呼ばれているものです」とモーリスさん。
ここは標高2,700メートルのところにある小さな村アブリエス(Abriès)のはずれにある50人ほどが暮らす集落です。
天然の湧き水の流れだす共同水道の柱にも伝統の模様が彫られています。
「職業であろうが趣味であろうが、家族のうち一人は必ずこの彫刻をやっていますよ」
モーリスさん、奥様のパトリシアさんと一緒にこの工房を営んでいます。
モーリスさんはこの村の生まれではありませんが、もう40年近くも前から彫り続けて、心も体もすっかりこの地に根付いてしまいました。
仕事は、奥様がデザイン担当で、板に彫るのがモーリスさんの担当です。
「彫刻にはこの板がよく使われています。質が均一なので使いやすく仕上がりもいいんです」
コンパスを使ってパトリシアさんが板に模様を描いています。
「シンプルなモチーフを組み合わせたり、同じ模様を繰り返したりして、それぞれ個性のあるデザインに仕上げるんです。私たちはわりに凝った模様を制作しています。例えばこれです」
確かに、ちょっと複雑で繊細です。
「これは1515年頃の雨戸に彫られていた模様なんです」
そんな時代から続いている工芸なんですね。同じような幾何学模様なのに組み合わせるとそれぞれ異なった表情になります。
一方、モリーヌ=アン=ケラ村(Molines-en-Queyras)近くにある別のアトリエでは、ナターシャさんがオリジナル作品を制作しています。
雪山の見えるテラスで、木製の球体をガスバーナーで焦がしています。
「こうしてバーナーを当てると、パチパチ音をさせながらヒビが入っていきます」
最後は一体どんな作品になるんでしょう?
時間をさかのぼると、まずはアトリエの機械で元になる木製のオブジェを制作します。
「木は温かみがあって生きてるんです。これを気の向くままに加工して作品を作るんです」
ああ、なるほど、こんな作品になるんですね。
これはケラ地方の雪景色をそのまま作品にした感じ。
でも私の目には、粉砂糖をかけたチョコレートに見えてしまいます・・・。
終わり。
<お知らせ>
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******** フランス人のつぶやき *******
「今日、制作していた彫刻の一つに手を入れようとして親指をなくしてしまった。いや、正確に言えば、親指を2グラムほどなくしてしまった」
VDM (Vie de merde)より
carotteさん連日の拡散本当にありがとうございました。
おかげさまで今日終了となります。本当にお世話になりました。
by マリエ (2017-02-03 20:29)
マリエさん
目標額達成おめでとうございます!
少しでもお役に立てたとしたら嬉しいです。
これからもがんばってください。応援してます。
by carotte (2017-02-03 23:58)
ここは不思議な地方ですね、厳しい自然条件ながらも人を惹きつけ、このような高度な芸術もずっと育くんでいる。ある種のパワースポットなのかもしれないですね。
by opas10 (2017-02-05 21:56)
opas10さん
この幾何学模様に過去と未来をつなぐパワーを感じます。
この番組を見るまではこんな地域があるとは知りませんでした。地味な番組だなと思ったのですが、お城とか城塞とか派手なものではないけど必ず一つキラリと輝くものがあるのです。
by carotte (2017-02-08 16:27)