仕事を求めて [イタリア]
まずは「失われた時を求めて(À la recherche du temps perdu)」の作者、マルセル・プルーストの姿を収めたと言われる動画が見つかった話題から。
プルーストの友人のであるカップルの結婚式を撮影した白黒映画の中に、プルーストと思われる人物が登場します。→こちら。
1904年に撮影されたもので、37秒あたりで階段を降りてくる、グレーのフロックコートに山高帽の細身の男性がその人。
カナダのケベックの大学教授が発見したとか。ただし、本当にご本人かどうかは客観的には証明されておりません。本人だったらすごい発見になるところです。
そして本日の話題は、“仕事を求めて” 母国を後にする若者たちのお話です。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2017年2月15日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
Italie : le grand exode des jeunes
ここはイタリア。
毎年10万人の若者が、失業率の高い母国で就職するのを諦めて国境を越えるそうです。しかも高学歴の30歳以下の若者ばかり。
「自分の国では将来がありません」と女性。
「とても心配です。仕事に就くためには国を出なくてはならないからです」と男性。
そしてこちらの女性エレオノラさんはちょうど出発の準備をしているところ。どうやらベルリンに仕事が見つかったようです。
「あちらは寒いのであったかいものを持っていかないといけないんです。それにこのセーターは家族の思い出でもあります」
芸術学部で6年間の高等教育を受けたエレオノラさん、やっと仕事が見つかりました。
「イタリアでは正式な雇用契約のできる仕事は見つかりませんでした。短期間の臨時雇用ばかりでした。しかも一ヶ月に500ユーロしか稼げませんでした」
荷物を詰めて準備ができたら、まずは友人たちにお別れを言いにやってきました。
「若者は国内で仕事を見つけることができないんです。多くの友人たちや僕の兄さえも国外に行ってしまいました」と男性。
問題は若者の失業率の高さ。40%(?!)にもなるそうです。
イタリアはかつて多くの人たちが職を求めて国を出て行った時代がありました。当時の行き先は主にベルギーとフランスです。
そして今、この現象がまた起きていることを政府は認めようとはしません。
「国を出ればいい生活ができる、残ったら破滅だなんて話を聞きますが、それは嘘ですよ」と労働大臣。
しかし多くの若者たちが国を離れているのが現実です。
若き才能が国外に流出しているということは国にとっても大きな損失のはずです。
「イタリアは230億ユーロを無駄に使っていることになります。これは学生たちに高等教育を受けさせるために使った費用です。こうして育てた学生たちが国内で活躍してくれればいいのですが、どんどん国外に出て行ってしまうんですから大きな損失です」と大学の事務局長。
行き先で一番多いのがドイツ、次がスイス、そしてフランスや英国。
ジョゼッペさんは約2年前に英国にやってきました。
「イタリアは太陽の日差しがあるので外出いている人が多いですが、ここはそうではありません。でも生活のリズムがはっきりしてるんです」
ジョゼッペさんは建築の仕事をしています。収入は2倍に増えました。そして認められる喜びも感じることができるそうです。
「ここにいると仕事の可能性が広がるんです。イタリアでは住居にも困るような有様でした。国を離れても後悔はありません」
イタリア経済が危ういとは聞いていましたが、若者がこんなだとは・・・。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、私は新任の大学教授だ。家で猫がそばにやってきただけなのに思わず『君、僕に何か質問でもあるのかね』と聞いてしまった」
VDM (Vie de merde)より
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