ぶどう園の地価高騰 [ブルゴーニュ地方]
暖かくはなっているようですが、朝晩は冷えます。暖房のスイッチを切るにはちと早すぎる。
でももう17日ですからねえ〜、そろそろ本当に春に来てもらいたいところです。
気象協会の予報では、東京の桜の開花日は25日のまま変更なし。当たって欲しいもんです。
さて、ワインの産地で知られるブルゴーニュ地方。
近年、ぶどう園の地価が値上がりし、ワイン農家の人たちは将来に不安を抱いているそうです。
地価が上がればお得のような気がしますが、どうもそうではないらしい。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年3月14日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
そもそも何故にぶどう園の地価が上がったのか?
例えばこちらのぶどう園。
最高級(グラン・クリュ)のワインが生産されるぶどう園です。広さは11へクタール。
ここが最近、1億〜2億ユーロというびっくりするような値段でアメリカの大富豪に売却されました。
この大富豪、イギリスのサッカクラブ、アーセナルのオーナーだとか。
「こちらのぶどう園も、あちらのぶどう園も高額で売却されました。買ったのは私たちも全く知らない大金持ちです」とワイン農家の男性。
次々と外国の富裕層がぶどう園を買った為に地価が高騰したようです。
古くから代々受け継いできたぶどう園を守っている人たちは不安の色を隠せません。
「我々は何世紀もの間、同じ土地でぶどうを栽培しワインを作ってきたんです。それがなくなり、別のものに取って代わられるんじゃないかと心配です」
考えてみれば、これらの富裕層にはワインを作るノウハウもないですから、結局は人を雇って作らせてワインを販売するわけです。
昔からワイン造りを続けてきた人たちが職人なら、新しいオーナーは “ビジネスマン” なわけです。
また、こちらのワイン農家では現実的な問題に直面しています。
ぶどう園の所有権を子供に譲る際に支払う税金が、地価の上昇に伴い値上がりする可能性があるのです。
「うちは先祖から何代にもわたってぶどう園を引き継ぎ守ってきた農家なんです。それが次の世代に引き渡せなくなるなんて不当な話じゃあないですか」と父親で当主のベルナールさん。
「ブルゴーニュのワイン造りは、そこに情熱を傾けられる人の手に委ねられるべきなんです」と息子のダミアンさん。
「何があってもがんばるつもりです。父が懸命に働いて守ってきたぶどう園なんですから」と娘のカリーヌさん。
アーセナルのオーナーさん、秋にはハサミとカゴを持って汗をかきながら、ぶどうを収穫する、なんてことはやらないんですよね???
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、うちの父が、スムージーを作るからブレンダーを貸して欲しいという。仕方なく、必ずフタをしてから使うようにと言って貸した。父は『そんなもん役に立たん!』と言ってブレンダーのスイッチを入れた。その後どうなったか・・・ご想像におまかせします」
VDM (Vie de merde)より
フランス政府はこういう投資に対して、手を打てないのでしょうか?
ビジネスが、文化や伝統を破壊してゆくと思いますが。
by アヨアン・イゴカー (2017-03-17 08:25)
アヨアン・イゴカーさん
文化や伝統をたいせつにするお国柄ですから、状況があまりにひどくなったら政府も何かするんじゃないかと思うんです。そうして欲しいですよね。
by carotte (2017-03-17 14:18)
フランス人のつぶやき
いつも笑えます。
年をとると頑固に磨きがかかるようです。
お掃除のしがいがあったことでしょう。
by kiki (2017-03-17 16:28)
kikiさん
この結末は相当たいへんですよ〜。
でも、ありそうな話ですよね。やっぱり年取ると頑固になっちゃうんでしょうかね。
by carotte (2017-03-18 23:57)