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ル・ペン得票率ゼロの村 [トピックニュース]

 フランス大統領選の一回目の投票であれだけ票が割れてしまうと、決選投票は困難な状況になってしまうようです。

 それもわかるような気がします。

 例えば、自分が指示してきた候補者が対象外になり、残るは安倍さんか麻生さんのどちらかだ、と言われたら「どっちもヤダあ〜!」と言って棄権してしまいそうです。

 気の進まぬ人に投票しなくてはならないとなるとかなりの苦痛。

 今のフランスはそんな感じの人が大勢いるということでしょう。

 端から見れば、ル・ペンよりはマクロンの方がずっとマシでしょと思いますが・・・。

 そんな仏大統領選挙ですが、フランス南部の小さな村サマラン(Samaran)では(人口88人!)、選挙人72名のうち国民戦線(FN)に投票した人は一人もいなかったそうです。

Paris_Samaran.jpg


(本日は動画はありません)

 ちなみにフランスでは、日本のように待ってるとお知らせが来るわけではなく、締め切りまでに自分で登録手続きをしないと投票できません。

 それはともかくとして、村長さんと関係者の人たちは、ル・ペンと書かれた紙を封筒に入れ投票箱に投函する人が必ずいるだろうと思っていたそうです。

 しかし、全員が投票を済ませ開票してみると、ゼロ。

 この事実は三回ほどの電話で村人全員が知ることになります。ツイッターもフェイスブックも必要なし。

 実際の得票数は、マクロン25票、メランション13票、フィヨン10票、デュポン=エニャン5票、ラサール4票、アモン3票だったそうです。残り11人は棄権。

 第一助役のアンドレさん、ちょっと嬉しくなって『FN 0%の村サマラン!』という村のスローガンを思いついたとか。

 村人たちがメディアに振り回されることなく冷静でいたことの証明であるとおっしゃっているそうです。

 とは言うものの、2014年の欧州議会議員選挙ではFNが12票も得票したそうです。

 その人たちは今回はル・ペンに投票しなかったことになりますが、理由を聞いてみると・・・。

 「ここはとても静かなところなんですよ。だから “不安” なんてありません。車の通行も少ないですし、みんなが顔見知りですからね」とおっしゃっているとか。

 「一番近いパン屋さんが3キロ先。病院も同じです。学校もなければ商店もありません。郵便局というえばポストだけがかろうじてあるくらいです。でもそれでやってるんですよ」と村長さん。

 こんなところで、EUがフランスをダメにした!とか、移民は来るな!とか煽り立てても仕方ないでしょうねえ〜。

 村に設置された選挙ポスターが→こちら

 珍しく落書きもなくキレイです。たいてい剥ぎ取られていたり、ペンキが塗られていたりするのですが、貼った時のまま。

 二回目の投票に向けて落選した候補者のボードは解体され、マクロンとル・ペンが残ります。

 「二回目はゼロというわけにはいかないでしょう。3〜4票くらいはあるんじゃないかと思いますよ。私の勘が外れるといいんですけどね」と村長さん。

 あちこちでル・ペンに投票してはならないと声だけは上がっているようですが、どうなることやら。



******* フランス人のつぶやき *******


「今日、母が僕に電話してきた。母は今、郵便局にいて、局員の女性と二人で今僕が住んでいる国の略語をGBかUKにするかで迷っているという。母さん、僕が住んでいるのはダブリンだよ、アイルランドの」

VDM(Vie de Merde)より




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コメント 2

末尾ルコ(アルベール)

もうマクロンで間違いないと思いますが、ル・ペンの脅威もあって、かつてないほどフランス大統領選が世界的に注目を浴びてますね。オランドがしょぼかったこともあり、マクロンはスター大統領になりそうですが、手腕はもちろん未知数です。 RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2017-04-26 01:31) 

carotte

RUKOさん
フランスはル・ペンに過半数の票を取らせるような国じゃないから、私もマクロンで決まりとは思うんですが、万が一というのが頭をかすめるんですよねえ〜。マクロンは若くてシャキッとして頭も良さそうなので政治の経験は浅いですが、何とかやっていくんじゃないかと思います。
by carotte (2017-04-26 21:45) 

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