地方の美味しいもの3 [フランスの郷土料理]
最近、やたら怪しいメールが次から次へと届きます。どれもフィッシング詐欺を狙ったものばかり。
その手には乗らないよ!と知らん顔してますが、あまりに次々と届くので呆れるばかり。
この妙なブームが早く過ぎ去ることを願います。
さて、フランスの地方に隠れた美味しいものを紹介するシリーズも第三回目です。
“地方の隠れた美味しいもの” とは言うものの、今日紹介するのはあまりに有名。
日本では10数年くらい前から注目され始め、あっという間に全国に知られるようになりました。
しかし、その美味しいものを発明した人のことはそれほど知られていません。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年11月1日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここはブルターニュ地方のクレープ屋さん。焼きたてのクレープにかけられたのは塩バターキャラメルソース。
「私の一番好きなクレープです」と女性。
美味しそうですねえ〜。食べたぁ〜い。
その美味しそうな塩バターキャラメルを発明したのがこの方、アンリ・ル・ルー(Henri Le Roux)さんです。
チョコレート職人、しかもマイスターの称号付き。
このマイスターが塩バターキャラメルを発明したのは、今から40年も前のことでした。当時はキブロン(Quibron)にお店を構えていました。
「真っ白な原稿を前にした作家のようなものでした。そこにレシピを書き込んでいったんです。塩が多すぎたり少な過ぎたり、試行錯誤が続きました」とマイスター。
当時、砂糖と塩を混ぜるというの革命的だったそうです。
「そんなもの本当に食べられるのか?とか、甘いお菓子に塩なんて!と言われました」とマイスター。
日本じゃ昔からやってますけどね。あんこに塩を混ぜます。
それはさておき、マイスター、数年前に現役を引退されたそうです。しかし、その腕はまだまだ確か。
とは言っても、この後は弟子のジュリアンさんが引き継いで塩バターキャラメルを作ってくれます。
「色がつき始めたでしょ。このくらいがちょうどいいんです。何℃くらいかって?それは企業秘密ですよ(笑)」とジュリアンさん。
色がついたら火を止めて牛乳を加えよく混ぜ合わせたらバターを加えます。
すごい量のバター!1グラムたりとも変わらずマイスターのレシピ通りだそうです。
最後に、アーモンド、カシューナッツ、クルミを細かく砕いたものを加え、型に流し入れて冷まします。
発明した当時の1977年には150キロほどの生産量だったのが、現在では8〜10トンにもなるそうです。
しかし、ここランデヴァンにある工房では今も職人さんたちの手作りです。
「大切なのは熟練の職人による手作りだということです。何台も機械を導入して大量生産しようなんて気はありませんよ。味にこだわるからこそ手作りなんです」とジュリアンさん。
塩バターキャラメルの商品はこんなにたくさんあります。
瓶詰めのジャムのようなものもあれば、ビスケットになったものやチョコの中にも入っています。
今やブルターニュ地方にはなくてはならない食べ物になっています。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「日、何ヶ月も便りのなかったメル友からメールが来た。僕が元気か知りたがってるって?いやいや、僕が塩バターキャラメルを送ろうかと言ったから返事が来たんだ」
VDM(Vie de Merde)より
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