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新フォワグラ [フランスのグルメ]

 昨年、ナポレオン1世が余生を過ごしたセント・ヘレナ島に空港ができたものの強風のため安全な飛行機の発着が難しく、まだ正式な認可が下りていないという話をしました。

 どうやらこの秋に許可が下りたらしく、めでたく旅客機の就航が始まったようです。予定より1年半遅れの就航です。

 これまで島に行くためには南アフリカの南端にある港から船で5日かかっていました。これからはこれが6時間に縮まるそうです。

 再来年の2019年は生誕250周年、2021年は没後200年と記念の年が続きます。観光で訪れる人が増えるのではと期待されています。

 さて、じわじわとクリスマスが近づいてきますが、この時期に登場するご馳走の一つがフォワグラ。トーストしたパンの上に乗せて食べると美味しいんですよねえ〜。

 しかし、アヒルやガチョウに無理やり大量の餌を食べさせることで製造される残酷な食べ物として一部の人たちからは嫌われています。

 そのため、何かいい方法はないかと研究が進められてきました。

 そして、動物に無理やり餌を食べさせなくてもフォワグラを作る方法が間もなく完成するかもしれません。


Foie_gras.jpeg




下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年11月24日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 とろっととろけそうなくらい脂ののったフォワグラ。トーストしたパンにのせて食べたら美味しそう!

 しかし、このフォワグラ、普通とは異なる方法で作られています。

 こちらはその実験が行われている農場です。生まれて5ヶ月になるガチョウたちは、これから特別プログラムに従って育てられます。

 「光の量を減らして、人工的に渡り鳥の季節を作り出します。そうすることでガチョウたちの食欲が増します」と研究者の女性。

 季節によって住処を移動する野生のガチョウは、移動する前に餌を大量に食べて肝臓に脂肪を蓄える習性があるそうです。

 これまではこうして強制的に胃の中に餌を送り込んで食べさせるgavage(ガヴァージュ)と呼ばれる作業を行ってきました。

 これが鳥に苦痛を与えたり、体を傷つけたりすると非難されてきました。

 ここでは別の方法でフォワグラを作り出す実験を行っています。

 「鳥が孵化して間もなく、脂肪を蓄えるのを促進するある種の菌を注射します。そうすることで自然に肝臓に脂肪を蓄えるようになります」と女性。

 このやり方を発見したのがこの男性レミさんです。人間の病気に関係する腸の細菌があることを発見しました。

 「脂肪肝の患者さんたちの体の中に認められたこの細菌を応用できないかと思ったんです」とレミさん。

 こうして作られたのが、このフォワグラです。1キロあたり800ユーロと、通常の6倍の値段です。開発にお金がかかってますから、こんな値段になるのも致し方なし。

 食べてみると、割に脂肪が少なく、滑らかな口当たり。

 一方、こちらの農場でも実験に参加することにしたそうです。ここにいる鳥たちはあの腸の菌を注射されてるんでしょうね。

 今年は本格的に市場に参入するべく数百キロの生産を目標にしているそうです。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、2歳になるわが息子がお高くとまった大人になるんじゃないかと心配だ。インフルエンザにかかって何も食べようとしなかったのに、トーストにフォワグラを乗せたものだけはペロリと食べた

VDM(Vie de Merde)より


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