世界最古の映画館 [フランスのお宝]
世界で最も古い映画館といえば、そう、あの活動写真に登場した町にあります。

下記のウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2018年4月15日に放送)
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ここは地中海に面したコート・ダジュールにある町ラ・シオタ(La Ciotat)。
世界で最も古い映画館エデン・テアトル(Éden Théâtre)はここにあります。
最古の映画館のわりにはピカピカで新しい感じ。中に入ってみましょう。
「これはここで初めて商業映画が上映された時のポスターです。1899年のことでした」
250人の観客の前で上映された映画がこれ。リュミエール兄弟の一人ルイ・リュミエールが撮影した「ラ・シオタ駅への列車の到着」。
この映画を初めて見た人々は驚いて座席を立って逃げたという話はあまりに有名ですが、実際はのちの人がこの上映を伝説にするべく話を盛ったということらしい。
とは言え、観客が驚きを持ってこの映画を観たことは確かなようです。
「ものが動いているのを見た人たちにとってこれは革命であり、大変な衝撃だったんです」と、この映画館を運営しているレ・リュミエール・ドゥ・レデン協会の会長さん。
ここでは映画の上映、ショー、スポーツの試合など様々なイベントが開催されました。
しかし、1982年12月、突然の悲報がこの劇場を襲います。オーナーが強盗に襲われ亡くなってしまったのです。
「最後の上映が終わった直後に、ここで強盗がレジの現金を奪おうとしたのに抵抗して命を奪われてしまったのです。この事件でエデンは30年もの間、閉館を余儀なくされました」
手入れされることもなく放置されたままの映画館は外観も室内もこの通り傷んでしまいました。
結局、町がここを買い取り、1996年には国の文化財に指定されます。2002年には、住民たちが再建のために支援活動を始めます。
「ここは残しておかなければならない大切な場所です。歴史を残す本物の建物だからです」とクラウディア・カルディナーレ。
あのイタリアの女優さんです。お年を召してもお美しい!
住民の方々、どうやら “1ユーロ募金” みたいなことをやったようです。
おかげでご覧の通り改修を終え2013年に営業を再開したというわけです。
それで新品のようにピカピカになったわけですね。
ここでは水曜日と土曜日の上映の合間に中を見学することができます。上階には古い映写機も展示してあるようです。
「とても感動しました。昔があってこそ今があると感じます」と女性。
映画館の入場券は7.50ユーロ。家族でやってくる人もいます。
営業再開から入場者数は2倍に増えました。2017年の入場者は25,000人にもなったそうです。
プレジャーボートやヨットの並ぶ港のすぐそばに映画館はあります。その姿はまるで活動写真の蒸気機関車のようです→こちら。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、父が電話してきて、今付き合っている彼女と親睦を深めたという。レストランで食事?それとも映画でも観に行ったか?いやいや、結婚したんだって」
VDM(Vie de Merde)より
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