悪魔の贈り物 [地方の小さなできごと]
テレビの映像に衆院選の街頭演説が登場するようになった。
どこの選挙区だったか忘れたが、引退したらしい元衆議院議員(当然ながら高齢者)が新人の立候補者のために街頭で応援演説をしていた。
その元議員は「新人はまだひよっこで何もできないのは当たり前。仕事をしているうちにできるようになる、自分もそうだった。だから私と思ってこの新人に投票してほしい」と言う。
はぁ〜???何すっとぼけたこと言ってるんでしょうねえ、このおじいさんは。ネジ巻いて出直しておいで、と言いたくなるのだった。
それはさておき、本日はフランス北部の小さな町にある貴重な"あるモノ”のお話です。
下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2021年10月25日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
人口2000人にも満たない小さな村フェシェン(Féchain)。村には奇跡が起きそうな洞窟と、その側に小さな教会があります。
問題はその教会の前にあるこの石ころ。1968年、運河を作っている最中に発見され石器時代のものだという。
傷つかないようにガラスのフェンスで囲ってあります。観光誘致を期待した村がここに設置したらしい。ところが話はそううまくは運ばなかった。
この石ころが歴史的文化財に指定されたことから、石の周り500メートル以内に建物を建設することができなくなったのです。
その広さは、なんと村の面積の80%を占めるとか。村人の意見は様々。
「貴重な石なんですから、大事にするべきですよ」と高齢者。
「すごかないですよ。単なる石ころでしょ」とカフェの方。
「悪魔の贈り物みたいなものですよ。この石のおかげで何もかもがダメ。もう忍耐の限界です」と村長さん。
村は学校を改築したり、老朽化した建物をキスアンドライドの場所に変える計画でしたが、当局からそっくりそのまま新しく建て替えるようにと言われてしまいました。
「当初の計画よりさらに270,000ユーロの費用がかかることがわかりました。そんなお金、村にはありませんよ」と村長さん。
「せっかくの良い計画なのに、あの石ころには参ります。子どもたちの安全のためには工事が必要なのにね」と保護者。
石に悩まされている人がここにもいました。
ラウルさんは庭を広くするためにあの穀物小屋を壊すことにしました。それを知った建築家が、そんなことをしたらもう一度同じように作り直せと言うだけだと言ったそうです。
この状況をなんとか打破するために、今週、村長さんが知事と面談することになっているそうです。
いくら貴重なものでも、周囲500メートルに何も作るなとは不合理なお話ですね。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、4才になる息子が自分で名前を書けるようになり、あちこちに書きまくり始めた。うちの車や隣の車に石で・・・」
VDM(Vie de Merde)より
街頭演説の件、めちゃ愉快だったよ。
by 風の友 (2021-11-03 00:28)
風の友さま
あれでは世も末ですねえ〜。
by carotte (2021-11-03 15:31)