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ヨーロッパの衛兵 その5 〜英国〜 [イギリス]

 シリーズの最後は、バッキンガム宮殿を守る衛兵。

 

 Wikipediaで、“Royal Guard”で検索しても出てきませんが、“Queen's Guard”なら出てきます。日本語なら“近衛兵”。

 

 ロンドン観光の一部に組み込まれているこの近衛兵の交代式。

 

 宮殿の柵越しに今か今かと待っていると、どこからか騎兵隊が現れて、やっと交代式が始まります。

UK_London.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年1月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 バッキンバム宮殿の衛兵と言えば、赤い上着に黒いズボン。
 
 しかし、この日は、雨天のため全員が焦げ茶(ダークグレー?)のコートを羽織っていました。
 
 ロンドンの王室の住まいの警備に当たっているのが、Queen's Guardと呼ばれる、歩兵と騎兵からなるイギリス陸軍の部隊です。
 
 女王陛下が在宅時は、合計で43人の衛兵が、留守宅時は34人の衛兵が任務についています。
 
 通用門の番小屋は全部で4カ所。ギリシャの衛兵と同じで、こちらも必要以外は微動だにせず、表情を変えることもない、というので知られています。
 
 ステッキを持っているのは上官。かつてはこのステッキで兵士の足のサイズを測っていたのだそうです。
 
 雨の降らない日の交代式はさすがに華やかです。
 
 おもちゃの兵隊といえばたいていこの格好ですね。
 
 式の45分前にこの軍楽隊が登場したら開始の合図。
 
 11時33分ちょうどに、これまで警備にあたっていたグループの隊長が、これから警備にあたるグループの隊長に宮殿の鍵を渡し、仕事を終えた衛兵たちが宮殿を後にします。
 
 こちらはどうやら歩兵の交代式のようです。
 
 観光でやってきた子供たちは衛兵に感心してました。
 
 「好き勝手に歩くわけにはいかないです」
 「かゆくても掻いたらいけないからすごいです」
 
 そして、騎兵隊の交代式もあります。
 
 身につけるものは泥汚れや埃もないくらいにきれいに磨いてあります。
 
 この隊の兵士は単なるパフォーマンスだけの兵士ではありません。実際の戦場で戦う兵士です。
 
 「我々は、アフガニスタンのような戦場で数ヶ月をすごしたかと思えば、ここへ戻って馬に乗ります。まるで異なる対称的な2つの任務をこなしているのです」
 
 この隊の兵士は厳しい基準に合格して選ばれたエリートたち。
 
 赤い制服は、ナポレンとの戦いの時から着用されていました。
 
 「Queen's Guardはもう何百年も負けなしで英国を守ってきました。それは大変な誇りです」と警備隊博物館のキュレーター。
 
 交代式は昔から変わることなく続けられています。
 
 1960年代、エリザベス女王は、病気を押してこの交代式に出席したこともあるそうです。
 
 それだけ英国君主と警備隊は強い絆で結びついているということなのでしょう。
 
 ユーロに移行してない英国は、昨年、フランスのサルコジ大統領に「関係ない奴は黙ってろ!」と言われてしまいましたが、今となって涼しい顔で大陸の騒動を眺めているのかもしれません。
  
  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、イギリス人のルームメイトが慌てた様子で言った。『君が火にかけた鍋が変な音を立ててるぞ!』僕は小さな鍋で単にジャガイモを茹でていただけ」

 

VDM (Vie de merde)より



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クリスマスのおもちゃ 前編 〜テディベア〜 [イギリス]

 クリスマスの正統派おもちゃ2つを、前編と後編にわけて紹介します。

 

 一つはぬいぐるみ。もう一つはマリオネット。

 

 まずは、ぬいぐるみのテディベアから。イギリス西部テルフォードにある老舗のぬいぐるみ工房を訪ねます。 


London_Telford.jpg

 

 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年12月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 テルフォードは人口16万人ほどの地方都市。
 
 ここにある、ぬいぐるみ工房Merrythought Ltdは、1930年の創業。もう80年以上に渡って様々なぬいぐるみを作り続けてきました。
 
 そして、イギリスでテディベアを作る唯一の工房だそうです。
 
 代々ホルムズ家が経営してきたこの工房は、現在で4代目。
 
 社長のサラさんは、子供の頃からお父さんに連れられここに来ていたそうです。
 
 いちばん印象に残っているのは、できあがったぬいぐるみを強い力で引っぱってテストしていたこと。
 
 子供の目にはちょっと刺激的なシーンだったかもしれません。
 
 従業員は15人ほど。それぞれが、それぞれのパーツの熟練工です。
 
 作り方は創業当初と変わりません。一体一体、手作りで同じように作るそうですが、出来上がりが皆同じかと言えばそうではないそうです。
 
 それぞれにどこかしら個性が出るそうです。そこが手作りのいいところ。
 
 また、材料は100%羊毛。合成繊維は使いません。
 
 従業員のひとりウェンディーさんは、生まれたときはここで作られたぬいぐるみをプレゼントされ、学校を卒業したら母親と同じようにここで働き始めたそうです。
 
 できあがったテディベアは工房を離れて店頭に並んでいるものもあります。
 
 中には、すでに買われてクリスマスイヴまで家のどこかに隠れているものもあるかもしれません。
 
 因に社名のMerrythoughtは、wishbone(米語 胸骨の前の二またの骨)のことで幸運のシンンボルだそうです。
 
 
 

 

 

 

 

sapinnoel.jpg

 本日のクリスマス・イルミネーション
☆ ロンドン ☆
UK_London.jpg
リージェント通りの点灯式の様子
 
*「フランス人のつぶやき」はしばらくお休みします。


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由緒あるお店 その2 〜ロンドンの靴屋〜 [イギリス]

 シリーズの二回目は、オーダーメイドの靴屋さん。
 小さな靴屋さんですが、ロンドンでも老舗の一つです。


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パディントン通り4番地

 靴屋ジェイムス・テイラー&サン(James Taylor & Son)の歴史は1857年に始まります。折しもクリミア戦争でのナイチンゲールの活躍で、イギリスの保健制度に改革がもたらされた時期のことでした。日本では、黒船来航から4年後、坂本龍馬が千葉道場で二度目の剣術修行に励んでいる最中のことです。


 店の創業者であるジェイムス・テイラーは、イギリス東部にある故郷ノーフォークからロンドンへとやってきます。そして、ウェスト・エンドにある、当時ファッションの中心だったグレート・ポートランド通りで靴屋を始めます。世紀末になると、彼の作る伝統的な靴は、見た目に美しいだけなく、はき心地が良いと評判になります。顧客には、オクスフォード通りに新しくできた百貨店の社長たちや、ヨーロッパ各国の王室などがいたそうです。


 1950年までは、ジェイムス・テイラーの息子や孫によって経営されていましたが、その後は別の会社に吸収され、1954年に現在のパディントン通りに引っ越してきました。新しい会社の経営者も5世代に渡ってハンドメイドの靴屋でした。


 映像は→こちら


 お店のある建物は1790年に作られたもので、当時からオーダーメイドの靴屋でした。


 靴作りは分業で行われます。各自がそれぞれのパートのスペシャリストです。そして、最初の仕事は顧客の正確な足形を作ること。あまり大きくないお店ですが、数百にも及ぶ足形がすでに保管されています。顧客が亡くならない限り、ずっとここで保存され使用されます。


 ちょうど足形を取っていた男性のお客さんは、4年前に事故に遭って以来、足の具合がよくないので、ここで靴を作ってもらうことにしたのだそうです。


 材料の選び方と道具の使い方に独特の伝統があります。また、奥の棚には女性靴専用の超軽量ヒールもあります。


 注文は国境を越えてやってきます。最後に見せてくれたブーツは、ふくらはぎが普通よりだいぶ大きいアメリカの軍人のために作られた乗馬用ブーツです。


 靴の製作には数ヶ月かかり、その間、何回か試着する必要があるそうです。しかし、ここで作られた靴は少なくとも30年は持つそうです。



feuille.jpg本日のクリスマス・イルミネーションcadeau.jpg


☆ ロンドン ☆

夕方から少しずつ輝きを増して行くイルミネーションをお楽しみください。


* 少しの間、フランス人のつぶやきはお休みします




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