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大聖堂をめぐる論争 [パリ]

 2年半前、火災に見舞われたパリ・ノートルダム大聖堂はコロナ禍の中でも修復工事が続けられています。

 屋根を支えていた木造の骨組みは昔と同じように木材で修復されることになっていますが、なにやら新しいものも加わるようで、ちょっとした論争になっているらしい。

Paris_Paris.jpg


下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2021年12月9日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 修復後の大聖堂の屋内のようすが少しずつわかってきました。

 こちらは大聖堂の図面です。黄色の部分には、なんと現代アート作品が展示される予定です。

 さらに、壁には福音書の一節が英語、中国語、アラビア語に翻訳されて映し出されることになっています。

 これに対して反対の声を上げたのが論壇たち。

 「ヴィオレ=ル=デュクの作品の多くを取り除いて、そこに現代アートを置くなんて、キリスト教の典礼を勝手に発明したも同然です。あまりに過激に変えるのには賛成できません」

 こちらの写真の方がヴィオレ=ル=デュク。19世紀、数々の教会の修復を手掛けた建築家です。大聖堂もその中の一つ。屋内の彫刻や装飾は彼が作らせたものらしい。

 「ノートルダム大聖堂の第一の任務は、キリスト教徒を受け入れることです。そして2つ目に重要なのは、この建物が歴史的建造物であること。観光客向けの今回の改造案にヴィオレ=ル=デュクが賛成するはずがありません」

 そんなことおっしゃいますが、私が読んだことのある何かの書物に、ヴィオレ=ル=デュクの修復手法も批判を受けたと書かれてありました。

 つまり、かつての姿をありのままに修復するのではなく、余計なものを追加してしまったのです。

 最初に火災で焼け落ちてしまった尖塔もその一つ。しかし、何年も年月がすぎるうちにあれは大聖堂にはなくてはならない大事なものになってしまった。

 エッフェル塔だってあれだけ非難轟々だったのに今じゃパリのシンボルです。今回の現代アートが数百年後に高い評価をうけるかもしれません。

 これぐらいの変え方は許されて良いような気がしますがねえ〜。

 その新しい大聖堂が一般公開されるのは2024年の予定です。


******* フランス人のつぶやき *******

「僕は、建築学部の学生だ。昨日は徹夜で模型を作り、それを持ってバスに乗ろうとしたらドアが早めに閉まってしまい・・・大惨事 [もうやだ~(悲しい顔)]

VDM(Vie de Merde)より


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