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新築の中世のお城 [ブルゴーニュ地方]

 フランス中部ヨンヌ県の小さな村トレニー(Treigny)では、中世のお城が新築中です。


 城の名はゲドロン城(château de Guédelon)。

 

 13世紀頃の城塞と全く同じ手法と材料で建てられています。

Paris_Treigny.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月23日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 別の城の所有者であり修復家でもある人物のコンセプトを元に始まったこのプロジェクト。


 実際に工事が始まったのは1997年。


 ここまでできるのに15年かかっています。完成までには後10年かかると言われています。


 このプロジェクトのおかげで45人の雇用が生まれました。


 もちろん、そんなものでは足りません。これにくわえて、ボランティアで手伝いに来る人が700人ほどいます。


 棒を持った男性が作っているのは、ドーム型の屋根。


 「半球を描くように石を積み重ねて行きます。シーズンの終わり頃までには完成させなくてはなりません。この棒で石が滑り落ちないようにするんです」


 作業に当たっている人たちも様々。


 石工の仕事をしているのは、科学経済を学んだ方。


 「動力となるこの回転カゴを作って使うためには昔の絵を見て研究しなくてはなりませんでした」


 ボランティアの方々はだいたい1週間くらいここで手伝って行くそうです。


 「私は歴史を学んでいます。ですから、このような仕事に参加させてもらって城の原理が分かって楽しいです」とボランティアの女子大生。


 「一年前にここを見学したんですよ。そしたら自分でもやってみたくなりましてね。すでに5種類の仕事をこなしましたよ」と別のボランディアの方。


 よく見ると、皆さん、作業服も中世風です。


 屋内の装飾も始まりました。これも中世の頃と同じ材料を使って描いて行きます。


 そして、鍛冶屋もあります。気温35℃の中ではちょっと大変そうです。


 見学者の皆さんもおおぜいいます。


 ここは入場券を買って見学することができます。


 大人10ユーロ、子供8.5ユーロ(5歳未満は無料)。ガイド付きなら2割ほど高くなります。


 年間で30万人あまりの見学者があり、これで建築費用を賄っているそうです。


 下記が全体の設計図です。


Plan du château de Guédelon


 城壁の四方に塔が立ち、門から中に入ると正面に領主の住まいがあるのが分かります。


 建築途中の様子を見るのは面白そうですが、10年後の完成したお城を見るのも楽しみですね。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、建築中だった自宅が完成して6ヶ月になります。妻も私も完成するのを心待ちにしていました。しかし、3ヶ月前、妻は大工と一緒に姿を消しました。完成した家に住んでいるのは私一人」

 

VDM (Vie de merde)より



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キャバレー2011 〜リュシュ・グルマンド〜 [ブルゴーニュ地方]

 今年も残すところ後1日。日本はお正月の準備で慌ただしくなりましたが、フランスは大晦日のごちそうの準備で商店街は賑わっているようです。

 

 ユーロが正式に通貨となってはや10年が立ちました。昨日は、一時100円を下回ったとか。

 

 100円と言えば、ユーロが始まったときのレートと同じ。しかし、同じレートでも状況はだいぶ違ってしまいました。

 

 さて、本題のキャバレーシリーズは、今日で三回目。

 

 今日は、ブルゴーニュ地方にできた第一号のキャバレーRuche Gourmande(食いしん坊のミツバチの巣)を紹介します。


Paris_Perreux.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年12月29日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 なぜにこんな名前になったかと言えば、オーナーが元養蜂家のご夫妻だからです。
 
 お客さまが食事中の時から、アトラクションは始まっています。
 
 その名にふさわしく、着ぐるみのマルハナバチが登場しました。このキャバレーのマスコット的存在。
 
 ここへは観光バスに乗ってやって来るお客さんも多いそうです。
 
 出迎えはご主人のリュックさんみずからが行います。
 
 オープンは1997年。最初はここにあった古い納屋を改装してショーを行っていました、今から7年前に投資して施設を大きくしたそうです。
 
 これまでに165,000人以上の入場者がありました。
 
 お客さまを案内していたのが奥様のカトリーヌさん。
 
 養蜂家と言えばそれなりの年齢の方を想像してしまいますが、まだ若いですね。
 
 そして、二人の凝ったデザインのメガネのフレームに目が行ってしまいました。
 
 二人とも元はパリジャン。ペローには別荘をもっていたようです。
 
 そういわれると、ショーの雰囲気がこれまでのとはちょっと違っていますね。
 
 そして、ショーの途中にも、あのマルナハバチが登場していました。
 
 どうやらお客さんには人気のようです。
 
 こちらの大晦日のショーはちょっと高めで160ユーロ。
  
 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、息子が私から借りていた10€を返しに来た。私は言った。『これはいいから自分のために使いなさい。それより、良い成績表をもってらっしゃい』息子は5秒ほど黙ったかと思うと、にんまりしながら言った。『いや、これは受け取ってもらった方がいいと思う』」

 

VDM (Vie de merde)より



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ソーヌ=エ=ロワール県の小さな村 その3 〜 サン=タムール 〜 [ブルゴーニュ地方]

 シリーズの最後は、さらに南下してサン=タムール=ベルヴュー村(Saint-Amour-Bellevue)へ。

 

Paris_Saoneetl.jpg

 

下記地図の緑の印のあるところです。

 

より大きな地図で ソーヌ・エ・ロワール県の小さな村 を表示

 

 村の人口は550人弱。ワインの産地としてよく知られています。

 

 丘の上にある集落は、1793年、ベルヴュー(Bellevue)(「美しい眺め」の意味)と名付けられます。文字通り、村のふもとには美しい風景が広がっています。遠くは、ソーヌ川の東側にあるブレス地方、さらにはモンブランやアルプスの山並みまで見渡すことができるそうです。

 

 やがて、1795年、村はその名をサン=タムール=ベルヴューに変更します。

 

 ブルゴーニュ地方の他の村と同じように葡萄畑に囲まれていますが、ひとたび足を踏み入れると、あちこちにハートのマークが..........。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月13日放送)

 

stamourTV.jpg

 

 村の名前にサン=タムール(Saint-Amour)(「神聖なる愛」の意味)が付くとこうなるようです。村の人は「ハートの中で暮らしてるみたいなもんだ」と言っていました。

 

 この名前の効果は予想以上。結婚式を上げるために日本からはるばるやって来るカップルもいれば、郵便物に必ずサン=タムールの消印を押して欲しいと言って来る人もいます。

 

 ハートに村の名前を刻んだグッズや、イラスト入り特製ラベルのワインを販売する人もいれば、昔のハウストレーラーを改造し、新婚さん用の宿として提供している業者もいます。

 

 また、結婚記念日を祝うためにこの村にやってきた若いカップルもいました。

 

 愛と美しい眺めとワインが名物の村となれば、最後はやっぱりおいしい料理。そんなカップルを満足させてくれるのがオーベルジュ“Auberge du Paradis”。

 

 シェフは「愛」をテーマに、スパイスをきかせた料理を出してくれるそうです。そして、各部屋にはスパイスの名前が付けられています。ジンジャー、ナツメグ、クミン、パプリカ等々。

 

 2006年度の赤いミシュランガイドにはスプーンとフォークのマークが1つ付いて紹介されていました。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、迷信を信じやすいタイプの彼女がデートをキャンセルしてきた。『なにか恐ろしいことが起きそうな気がするの』と言う。今日、結婚を申し込むつもりだったのに」

 

VDM (Vie de merde)より



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ソーヌ=エ=ロワール県の小さな村 その2 〜 ソリュトレの岩山 〜 [ブルゴーニュ地方]

 シリーズの二回目は、前回のベルゼ=ル=シャテルから南へ15キロほど下ったところにあるソリュトレ=プイイ村。

 

Paris_Saoneetl.jpg

 

下記地図の赤い印のあるところです。

 

より大きな地図で ソーヌ・エ・ロワール県の小さな村 を表示

 

 村の人口は400人足らず。ここのお宝は断崖絶壁のある岩山。

 

 故フランソワ・ミッテランは、1981年5月10日に初めて大統領に選ばれて以来、その在任中、毎年ペンテコステの日に約1時間ほどかけてこの岩山にのぼっていたそうです。

 

 この村は、ミッテランと妻ダニエルさんが初めて出逢った場所。ちょうどレジスタンスの頃でした。

 

 そしてこの岩山、有史以前からこの地にそびえたっており、石器時代には、ここを通ってソーヌ川の水を飲みに行っていた野生の馬を、人間が狩っていたとか。下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月10日放送)

 

rocheTV.jpg

 

 この岩山の下に広がる草原で山羊を飼い、チーズを作っているギー・ファヴィエさん。岩山は馴染みの風景になってしまい、あらためてじっと眺めるということはあまりありません。

 

 とは言うものの、古代と現代の二つの史実が刻まれたこの山に引きつけられ、標高493mの頂きまでの険しい山道を登る人たちは大勢います。その数、年間で20万人。

 

 カリーヌさんはこのソリュトレの岩山を眺望できる場所で民宿“La Grange du Bois”を営んでいます。

 

 カリーヌさんの話によると、一日中磁気を放出してきた岩山が、夕方になると次の日のために磁気を溜め込み始めるので、夕方は登らない方がいいと言う人もいるそうです。

 

 岩山ばかりが有名になって、ちょっと置いてけぼりの村ですが、その歴史を記録にとどめようと、村人にインタビューを続けながらがんばっている女性もいます。

 

 また、自分の生まれたこの村一帯を知ってもらおうと、務めていたスーパーセンターを辞めてガイドになった男性もいます。ハイキングの休憩には名産のワインを試飲することもできて、上々の評判だそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、釣りに出かけた。自然の中で晴天に恵まれ、魚も釣れてご機嫌だった。ちょうどその頃、地方のテレビ局がロケに来ていた。上司によると、ビール片手に歩いている私がテレビに映っていたそうだ。その日私は病欠で仕事を休んでいたのだった」

 

VDM (Vie de merde)より



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ソーヌ=エ=ロワール県の小さな村 その1 〜 ベルゼ 〜 [ブルゴーニュ地方]

 今日から3回シリーズで、ブルゴーニュ地方のソーヌ=エ=ロワール県(Saône-et-Loire)にある小さな村を訪ねます。

 

Paris_Saoneetl.jpg

 

下記地図の青→赤→緑の順に訪ねます。

 

より大きな地図で ソーヌ・エ・ロワール県の小さな村 を表示

 

 第一回目は、美しいお城のあるベルゼ=ル=シャテル(Berzé-le-Chatel)。

 

 村の人口は70人ほど。この村を見下ろす岩の上にベルゼ城(Château de Berzé)は立っています。ブルゴーニュ地方の城塞の中で最も大きく、保存状態の良い城だそうです。

 

 連続した3つの城壁に囲まれた城には14本の塔があり(13本が13世紀、1本が11世紀のもの)、うち2本に、日本風に言えば、天守閣があります。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月9日放送)

 

BerzeChatTV.jpg

 

 10世紀末に、この地に要塞のある礼拝堂があったことが確認されていますが、これがベルゼ城の起源とされています。

 

 1817年にミィー伯爵家の所有となって以来、その子孫が代々継承しています。

 

 現在の所有者はアンヌ・ドゥ・ミィーさん。見学者に10世紀にも渡るお城の歴史を伝えます。

 

 この一帯は、かつて石膏の製造がさかんでした。ベルゼ=ル=シャテル村にも古い石膏の製造所跡があります。

 

 土の中から掘り出された原石は、砕かれ、窯で熱せられ、粉にされて石膏になります。そのため、製造所跡には、長方形や円形の窯が並んでいます。

 

 映像に登場した皆さんは、この製造所跡を歴史的建造物として保護する活動をしている方々です。井戸のような穴は採掘所。

 

 この村から5キロ足らずのベルゼ=ラ=ヴィル(Berzé-la-Ville)村にはホテル兼レストラン“Le Relais du Mâconnais”があります。

 

 オーナーシェフのアルノーさんは、曾祖父の時代から続いているお店を受け継ぎました。ブルゴーニュの伝統料理をより洗練させ新しくして出しています。

 

 2006年度の赤のミシュランガイドを見ると、スプーンとフォークのマークが2つ付いて紹介されています。

 

 そして忘れてならないのはワイン。最初に紹介したお城には葡萄園があります。この葡萄がChâteau de Berzéという名前の赤ワインになります。

 

 お城を見ながら葡萄の手入れとは、ブルゴーニュならではでしょうか?

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、予定では、サッカーをしたら皆でバーベキュー、その後は海水浴だったのだが、結局、サッカーをやって病院に運ばれギブスになってしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



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フランスの小さな村 〜 シャトーヌフ 〜 [ブルゴーニュ地方]

シャトーヌフ
(Châteauneuf)
Paris_Chateauneuf.jpg

    パリ→ディジョン(Dijon)(列車で1時間40分)

    ディジョン→ヴァンドネス=アン=オーソワ

          (Vandenesse-en-Auxois)(48-A番バスで1時間)

    ヴァンドネス=アン=オーソワ→シャトーヌフ(約2キロ)


Chateauneuf.JPG


  パリ-リヨンをつなぐ高速A6号線を走っていると、必ず目に止まるのがこの城壁に囲まれた村シャトーヌフ。「最も美しい村」の一つです。人口はわずかに80人。

 高速を降りて丘の上にあるこの村から下を眺めれば、美しい田園風景が広がっています。


 城が出来たのは12世紀。その後、百年戦争(1337~1453)の脅威に直面し頑丈な城壁が建設されました。村は中世になって商業で栄え、当時は、螺旋階段のある塔やペディメントのある家が数多く立ち並んでいたそうです。15世紀になってからはブルゴーニュ公により改修が行われ、城内にゴシック建築の礼拝堂と住居が造られました。礼拝堂の内部の壁はオークルで、当時のフランスにはない、ベルギー風のインテリアになっているそうです。

 オークル色は室内だけでなく外にもあふれています。戸や窓はどれもオークル色のペンキで塗られています。古の佇まいを再現するというのがその目的だそうです。


映像は→こちら


 この城では映画「ジャンヌ・ダルク」(1994年 監督ジャック・リヴェット)の撮影が行われたそうです。また、3年ほど前にNHKで放送された番組でこの村が取り上げられました。その時、村の最高齢者シモンさんが番組に出演したそうです。シモンさんは50年にも渡って村の歴史を映像に納めて来た人でもあります。


 城は、フランス革命により王家を象徴するものや紋章が破壊された後、競売にかけられ所有者を点々としますが、1936年に国に寄贈され、城と村は文化財保護の対象となります。そして現在はブルゴーニュ地方圏議会の所有になっています。



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