雪山の小さな村 [ローヌ=アルプ地方]
増水していたパリのセーヌ川。だいぶ水が引いたようで、あの観光船バトー・ムーシュが動き始めたそうです。
これでまた普通の観光都市パリに戻ったようです。
さて、先週から東京地方の天気予報では火曜日にずっと雪マークが付いていたのですが、前日になって消えてしまいました。ああ、助かった!
雪が降ると電車が必ず徐行運転したり間引き運転したりするのでいろいろ支障が出て困ります。
このままじわじわと暖かくなって雪にはさっさとご退場願いたいところです。
そんなことを言いながら、今日はフランス・アルプスにある小さな村サント=フォワ=タランテーズ(Sainte-Foy-Tarentaise)にある雪深い集落を紹介します。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2018年2月17日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
この雪山の向こうはイタリア。
サント=フォワ=タランテーズへはこの雪山の麓にあるスキー場から行くことができます。
この地域は手つかずの自然が残っており、2010年からは保護区に指定されているそうです。
ゲレンデ(?)にはスキーの跡が・・・。こんなところで滑ったら気持ちがいいでしょうねえ〜。
と思ったら、結構難しいコース。これはひょっとしてバックカントリーか?
それはさて置き、小さな雪山の麓には雪をかぶった山小屋が集まっている場所があります。
なんだか家の形のアイシングクッキーに見えてきました!美味しそう!
ここは標高1,600メートルにある集落。かつてここには修道院があったと考えられています。
「修道院は壊れてしまったか、山小屋に建て替えられたんでしょう」と男性。
夏の間、この山岳地帯で牛を放牧する農家の人たちは、これらの山小屋で暮らしていたようです。
こちらは礼拝堂。入り口は閉じられたままです。
中はどんな風になっているんでしょう?屋根には1メートル以上の積雪。
雪下ろしに励んでいる男性はこの山小屋の持ち主。今年は例年になく多い積雪だそうです。
山小屋の中に入ってみましょう。中はこんな具合になっています。
「ここはかつて祖父母が暮らしていた部屋です」と家主。
全てがコンパクトにまとめられた部屋。カーテンを開けるとそこにはベッドがありました。なんだかぐっすり眠れそうな感じ。
この集落は自然だけでなくこの家々や風景も保護の対象になっています。
山小屋の屋根にはローズ(lauze)と呼ばれる石が使われています。多くの屋根に使われている石です。
こちらの雪の中に隠れてしまっている古い建物は、天然の冷蔵庫。中は気温3℃。昔の人はここに食料を貯蔵していたそうです。
風に煽られて雪が舞っています。寒そうですが美しい。
この集落に人が戻ってくるのは夏。夏はどんな風景なんでしょう?
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、雪の中を歩いて帰宅した。母に言われてそのままクリスマスツリーの上で頭を振ると、雪の積もったツリーになった」
VDM(Vie de Merde)より
続・小さな村の冬の暮らし [ローヌ=アルプ地方]
超高層ビルで知られるドバイ。数日前から霧が立ち込め、摩天楼はこんな具合になっていました。→こちら。(写真6枚)
ドローンで撮ったんでしょうか?不思議な風景ですねえ。このまま歩いてお隣のビルに移動できそうな・・・。
さて、昨日はフランス中央山岳地帯のはずれにある小さな村の冬の様子を紹介しましたが、今日はフランスアルプスの小さな村の冬を紹介します。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年1月11日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
イタリア国境まで数キロの、岩と雪山しかないようなところにあるのがラ・グラーズ村。標高は1755メートル。
いっこうに人の暮らす気配が感じられませんが、ひょっとして廃墟に雪が積もっただけの村?などと思っていると、こちらに向かってくる一台のスノーモビル。
雪化粧した村の看板の横を通って止まりました。この村の住人の一人でジャン=マルクさんです。
とは言っても村の住人は全部合わせても3人しかいません。
「冬はいつもこんな感じです。何しろ雪で道路は封鎖されてますから、唯一の交通手段はこのスノーモビルなんです」
朝はいつもこうして玄関前を雪かきです。
あっ、猫ちゃんが2匹、ジャン=マルクさんの雪かきの様子をここから眺めています。なんだかちょっとホッとします。
ジャン=マルクさんは64歳。代々ここで農場を営んでいた家族が暮らしてきたこの山小屋に住んでいます。
曽祖父のジャン=ピエールさんは105歳で亡くなるまでここで暮らしていたそうです。どうやら100歳の誕生日には新聞の記事にもなったようです。
「私が手を入れる前の家はこんな具合でした。今日みたいに天気のいい日は本当に素晴らしいですよ。でも悪い日はひたすら雪が降り積もって大変です」
100年前には50人ほどがこの集落で暮らしていました。今はジャン=マルクさんと80歳代のご夫婦の3人だけ。
犬を連れてやってきたのがその旦那さんのジャッキーさんです。ここの厳しい冬にもかかわらず村を離れることはできないそうです。
今度はジャッキーさんが用を足しに麓の村へと降りて行きました。
村の建物を見ると、廃墟には見えないですね。もっと人が沢山住んでるんじゃないかと思ってしまうくらいです。
「ここには思い出が沢山あります。私が8歳くらいの時は住人がもっと沢山いて、7月のサン=タンヌのお祝いの日には礼拝堂の屋根に上がってあの小さな鐘を鳴らしたもんですよ」
村には冬山をスキーで散策するツーリストがやってくることもあります。そして今日は友人が訪ねてきました。
外は凍えるような寒さですが、木造の家の中は暖炉のおかげであったかそうです。
雪山では狐や鹿がこうして姿を現します。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、夫が古新聞を使って暖炉に火をつけた。よく見ると、息子が生まれた日の新聞で、私が1989年からずっと大切にとっておいたものだった・・・」
VDM(Vie de Merde)より
小さな村の冬の暮らし [ローヌ=アルプ地方]
2018年が始まって2週間以上が過ぎました。
あまりに仕事が忙しいせいか、まだそんなもん?という気もします。もう1月末でもいいような・・・。
さて、日本海側や北海道では大雪ですが、東京は積雪はまだです。
できればこのまま積雪なしでお願いしたいところです。何しろ通勤電車が面倒なことになってしまうので・・・。
本日はフランス中央山岳帯のはずれにある小さな村の冬の様子をご覧ください。ここも冬には村全体が雪に覆われるようです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年1月8日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
標高約1000メートルの山の中は雪に覆われています。
その雪山の中にあるのが人口270人ほどの小さな村ル・ベアージュ(Le Béage)。教会の鐘楼その目印。
軒先に伸びる長いツララ。毎年冬になるとこんな具合です。
アーチ型の門をくぐってやってきたのは郵便配達人。
村の家々には郵便受けなどというものはないそうです。ということは何でも直接手渡しということのようです。
わざわざ自宅から出て郵便物を取りに来たお年寄りもいます。
郵便配達のジョエルさんはすっかり村人とも顔なじみ。
ここは昔風に言えば萬屋さんでしょうか?食品から日用品まで様々な商品が置いてあります。店主は86歳のアニエスさん。
「雪がバルコニーの高さまで積もったこともありますよ。それに雪のせいで1ヶ月間電気なしで過ごしたこともあります。もっとも昔は電化製品なんて持ってたわけじゃないですけどね」
一方、こちらは近隣の村とつながる道路の除雪に励む男性ジャン=マリーさん。
35キロほどの道のりをこうして毎日除雪しているそうです。噴き出してくる雪がさらに寒さを感じさせます。しかも冷たい風も吹いています。
「大雪というほどのものではありませんが、それなりに積もりますから除雪しないと通行が難しくなります」とジャン=マリーさん。
暖を求めて村のビストロへ。
すでにお客様で賑わっていました。本日のメニューはポトフ。
「夏山の牧草で育った牛の肉ですよ。冬の間、牛たちは牧場の小屋で過ごしてますけどね」と店主兼料理人。
その牧場の牛小屋がこちら。牛たちが一心不乱に干し草を食べています。
「この干し草は食欲を増進してくれるんです。味も香りもいいですからね。それがお肉の味にも影響するんです」と牧場の方。
そして冬と言えばカードゲーム。外出もなかなか難しい冬はこうして仲間とカードを楽しみます。
「ゲームの後は皆でコーヒーを飲んだり、ソーセージをおつまみに食前酒を飲んだりしますよ」とマダム。
教会前の広場も雪に覆われています。こうして冬の時間が過ぎていきます。
ちなみに、暖かい季節の教会前広場は→こちら。だいぶ印象が違いますねえ〜。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、そして昔から以ずっと、僕は冬になるとひどく青白くなってしまう。今日も通行人に『具合が悪いのかい?体は大丈夫か?』と2回も声をかけられた」
VDM(Vie de Merde)より
谷間の冬 [ローヌ=アルプ地方]
10年近く前からジャズバンドを作って月一回のペースで演奏を楽しんでいますが、今、挑戦しているのがビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」。
オリジナルは、途中で三拍子のワルツからフォービートに変わります。これが少々難しい・・・。
でもスリリングで楽しいので同じように変拍子で挑戦しています。
そして参考にしている演奏が→こちら。
サックスがキャノンボール・アダレー、ピアノがビル・エバンス。ベースとドラムはMJQのリズムセクション。
何度も聞いては幸せ〜な気分に浸っています。
録音時期を調べたら1961年。今から60年近く前の演奏です。しかし、スピーカーから聞こえてくるその演奏は全く古さを感じさせません。
そんな演奏を、今こうして何度も聞き入っては「いいなあ〜」なんて感動していることがちょっと不思議。
そして、その時だけの演奏がこうして記録に残っているというのは素晴らしいことだなあとつくづく思うのでした。
それはさておき、今週末あたりから東京地方も大寒波に覆われるらしい。今のところ雪の予報にはなっていませんが、大丈夫かな・・・。
フランス・アルプスに近いサヴォワ地方では、1日半で180センチの積雪を記録する異例の冬になっているそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年1月10日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
積雪が始まって三日目を迎えた山間の村ベッサン。この辺りの村々はどこもこのように雪に埋もれてしまっているそうです。
谷間にある村の家々の屋根は白い雪にすっぽりと覆われています。車もご覧の通り。そして、携帯電話も通じません。
「1月とは思えないような嵐があったせいで大雪になったんです」とお母さん。
皆さん、雪かきで大変そうです。
「冬ですから、ここじゃ雪は当たり前のことなんですよ。雪とともに生活してます」と男性。
ここは村役場の対策本部でしょうか?固定電話は通じてるようです。
双眼鏡の向けられた先には急斜面の山。救助隊のメンバーが雪崩が起きないか監視しています。
崩れてきた雪があったようですが、今の所は異常なし。
また道路の除雪も重要です。車が通れないとなると村が孤立してしまう可能性があります。
こちらは村のレストラン。食材は大丈夫なんでしょうか?
シェフが余裕の表情で冷蔵庫を開けて見せてくれました。準備は万端。必要なものは全部事前に蓄えてありました。
「子供の頃に2〜3日孤立したことがありますから慣れてるんですよ」
こちらのホテルではツーリストがカードを楽しんでいます。
「どこにも出られない状態ですが、ここは居心地がいいんで問題ないですよ」と男性。
道路の除雪が完了して車も無事に通れるようになりました。しかし、雪崩の危険性はまだ消えていないそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、病院に行った。医者に『洋服を脱いでください』と言われハッと気がついた。そういえば今日は白雪姫と7人の小人の絵のついたパンティを履いっていたっけ」
VDM(Vie de Merde)より
サヴォワ地方のお城4 [ローヌ=アルプ地方]
最近、日が暮れるのが早くなったなあと思い、東京の本日の日の出日没の時間を調べてみました。
日の出が6時26分、日没が16時30分。
パリはどうかと言えば、日の出が8時13分、日没が16時58分。
東京に比べて朝が遅い分、日没も遅くなっています。とは言っても、やっぱりパリの方が日が短いですね。
さて、サヴォワ地方のお城を巡るシリーズも今日が最後になりました。
最後はレマン湖の岸辺にあるリパイユ城(Château de Ripaille)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年11月2日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
レマン湖の岸辺を走っていると見えてくるのがこのお城です。
お城というより昔の貴族の邸宅といった風情。上から見るとこんな感じ。
13世紀末か14世紀初頭に作られました。そもそもが個人の邸宅だったようです。
以来、増改築を繰り返しながら19世紀にこの姿になりました。向こうに見えるのはレマン湖。
1892年に裕福な実業家に買い取られ、時代に合わせて暮らしやすいようにリノベーションされました。
こちらの窓、すべて手元で操作できるように作られています。
「ご覧の通り、今でもちゃんと機能してますよ。嬉しいですね」と男性。
こちらの方がその実業家フレデリック・アンジェル=グロ。そのひ孫に当たる白髪の紳士ルイ=ネケールさんが現在のオーナーです。
20世紀初頭に改築されただけあって、近代の香りのするキッチンです。
「ここでは石炭が使われていました。それぞれの部屋のお風呂に使われるお湯もここから供給されていたんです。ここには7つの浴室がありました。1900年当時のパリのアパートには浴室なんてありませんでしたから、ここがいかに近代的だったかがわかります」とルイさん。
そしてこんなものもありました。一階のキッチンで作られた料理は、この手動式のエレベーターで二階の食堂に運ばれました。今もちゃんと動いています。
さて、ルイさんの奥様エリザベートさんはこのお城の保存と維持のために私費を投じてリパイユ財団を設立しました。
お二人とも歴史的建造物の保存に熱心なようです。
お城の一室には中世の頃の食堂を再現したお部屋もあります。
「こうやって座って食事をしていたわけですが、問題は、後ろは異様に暑いのに前は寒かったことです。昔は部屋を均一に暖めるのは難しかったんです」とルイさん。
このお城も一般に公開されています。お城を見ればサヴォワ地方の歴史も見えてきます。
「窓があってルネッサンス風ですが、あの塔のように中世の様式も残されています」と見学者の男性。
一方、こちらはボジョレーからやってきた見学者のご夫婦。ちょうどバスルームを見学中でした。
「長い歴史を生きてきたお城でありながら、うまくリノベーションしてありますね。それにブドウ園もあって親しみを感じます」
ブドウ園はエリザベートさんの担当。ここでは500年前からワイン造りが続けられてきました。
「昔から続けられてきたワイン造りを受け継ぐことができてよかったと思っています」
最後は、中世とルネッサンスと近代が融合した興味深いお城でした。
終わり。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、古い蔵のリノベーションに取り掛かった。古くなった壁の石を一枚剥がすと、奥に鉄の棒が見えた。何かのレバーかなんかだと思い力一杯引っ張った。秘密の扉が開いたかって?とんでもない、一瞬で屋根が総崩れ落ちた・・・」
VDM(Vie de Merde)より
サヴォワ地方のお城3 [ローヌ=アルプ地方]
東京は昨日も寒い一日になりました。もう秋を通り越して冬ですね。
さて、今週はフランス東部サヴォワ地方のお城を紹介しています。
シリーズの三回目は、かつてこの一帯を治めていたサヴォイヤ伯爵家が宮廷を置いていたシャンベリから15キロほどのところにあるモンフルリ城(château de Montfleury)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年11月1日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
緑の中に見えてきたのがモンフルリ城です。13世紀に建てられました。
前二つのお城と違い、何度も持ち主が変わったせいか、19世紀まであちこち手が加えられました。
現在の城主がこちらの方、マルクさんです。1972年にこのお城を手に入れました。
「屋根も壁も室内も全部自分で修理します。お城の召使のようなものです。それと同時に城主でもあるんです」とマルクさん。
さあ、これからご自身で見学者を案内します。
ここは台所兼食堂。かつては大きな暖炉でお料理を作り、召使が城主に食事を運んでいたのでしょう。
そしてこちらはリビングでしょうか?ここに置いてある家具はすべてマルクさんが修理したそうです。
お城には一時期、この肖像画の女性が住んでいました。スタンダールの愛人だったマダム・アジュール。
青い服を着ていることが多かったため、こう呼ばれていたそうです。本名はアルベルト・ドゥ・リュバンプレ(Alberthe de Rubempré)。
次にマルクさんが案内してくれた部屋はこちら。マルクさんが集めた自転車のコレクションを展示してあるお部屋です。
すごいですね、壁いっぱいに自転車が飾ってあります。
マルクさんのコレクションはこれだけにとどまりません。兵隊がかぶっていた鉄のヘルメット、日本風に言えば兜。中世のものから近代のものまで揃っているようです。
さらに、鉄砲や剣もあります。展示するだけでなく販売もします。骨董屋さんみたいですね。
マルクさん、お城の修復も誰にも頼らず自分一人でやったと言いますからすごい方です。
「好きなんですよ。情熱に突き動かされているだけなんです。いろいろやりたいことが出てくるからやっているんです」
たった一人で修復となると、こんな感じになるらしい。ちょっと怖いですね。
ここには年間3000人ほどの見学者が訪れると言います。
コレクションの古い自転車は見るだけでなく実際に乗ることもできるようです。
そしてマルクさん、なんと絵まで描くそうです。こちらがマルクさんの描いたお城の絵。
マルチに活躍しているのが今回の城主でした。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、彼女との初めての夜。ことが終わって彼女が言った。『おめでとう!あなたはこれで1000人目の訪問者よ!』」
VDM(Vie de Merde)より
サヴォワ地方のお城2 [ローヌ=アルプ地方]
昨日の東京の朝は寒かったですねえ。出かけるときは厚手のコートにマフラーぐるぐる巻きでした。
この寒さ、しばらく続くようです。風邪をひかないように気をつけなくては!
さてシリーズの二回目は、アヌシー湖から2〜30キロ南に下ったサン=ピエール=ダルビニー村(Saint-Pierre-d’Albigny)にあるミオラン城(Château de Miolans)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月31日に生放送)(動画が出てこない場合は→こちらをクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
小規模の要塞都市のような姿をしたミオラン城。見晴らしのいいところに作られています。
ここに最初の城が築かれたのは11世紀のことでした。改築・増築を重ねてこの姿になりました。
16世紀には牢獄になったこともあったそうです。
重い扉がギシギシ言いながら開きました。ここに罪人たちが収監されていたのでしょうか?
さて、こちらの恰幅のいい男性が現在の城主であるステファヌさん。
ステファヌさんの一族がこの城を手に入れたのが1869年。以来、変わらず同じ一族で継承されてきました。
お城の裏山はものすごい岩山。インスタ映えする風景とはこのことか。
お城の塔の高さは105メートル。
「後ろに見えるのがモンブランです。この風景を眺めていると不思議な気分になります。10世紀にわたる歴史が続いている間、この城はずっとここにありました。目の前の風景は多少変わっているかもしれませんが、昔の人も同じようにこの風景を眺めたんでしょう」とステファヌさん。
食堂ではお食事中?外見は寒々としたお城でもここは日差しが入って暖かそうです。
どうやらお城の一部は家族の住居になっているようです。
ミオラン城は19世紀に大々的に修復工事が行われました。ここは応接間でしょうか?
「あの壁に飾られている肖像画は私の曾祖母です。向かいの壁にはその息子の肖像画があります。つまり私の祖父に当たります」
お城の中庭に出てみましょう。ここには200種類もの植物が植えられています。香りもそれと同じ数だけあるそうです。
「ここは騒音もなく大変静かです。長い歴史を持つお城の中で穏やかに暮らすことができます」とステファヌさん。
「ここは渓谷を見渡せる高いところにあるので、バビロンの空中庭園を思い起こさせます」と庭師のフィリップさん。
このお城に魅せられた歴史家もいます。
「ここは地下防衛室です。敵が城に侵入できないように、ここで攻撃します」と歴史家。
16世紀には国の監獄として利用されました。政治犯や魔女とされた女性たち、さらにサド侯爵のような自由思想家などが収監されたそうです。
「囚人の社会的地位によって監獄での暮らし向きは違っていました。お金持ちほど良い環境の中で過ごすことができたのです」
中世のお城にふさわしいこの眺め。
「私は子供の頃からこの城に慣れ親しんでいます。よく両親と一緒に見学に来ました。あちこち見て回って遊んでいました」と歴史家のセドリックさん。
見学者の数は年間で1万人ほど。見ごたえのありそうなお城でした。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、息子に芝を刈るように頼んだ。おかげで今年の菜園のネギは全滅だ 」
VDM(Vie de Merde)より
サヴォワ地方のお城1 [ローヌ=アルプ地方]
今日から4回のシリーズでフランス東部サヴォワ地方のお城を紹介します。
第一回目の今日は、アヌシー湖からすぐのところにあるマントン=サン=ベルナール城(Château de Menthon-Saint-Bernard)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月30日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
森と湖の中に立つ美しいお城。お姫様の館にぴったり。
「すぐ近くのタロワール村にウォルト・ディズニーがやってきた時、この城を見て閃いたそうです」と男性。
というわけで、このお城、ディズニー映画「眠れる森の美女」のお城のモデルになったそうです。
とは言っても取材班を迎えてくれた城主は男性。
1000年にわたって同じ一族が受け継いできました。さっそく中を案内してもらいましょう。
壁にはご先祖様の肖像画が飾ってあります。中でも重要なのがこちらのベルナール=ドゥ=マントン(Bernard de Manthon)です。
11世紀、山岳地帯を行く人たちのために初めて避難小屋を作ったそうです。死後、聖人に列せられサン=ベルナールになりました。
英語読みならセント・バーナード。あの犬の名前の由来はこの方にありました。
サン=ベルナールの名前が付けられた避難小屋で活躍していたのがこの犬だったそうです。
ちなみにサン=ベルナールは現在ではアルピニストの守護聖人になっています。
さて、こちらはお城の礼拝堂。19世紀に作られました。見事なフレスコ画に目を奪われます。
「これだけ美しく残っているのは曽祖父のおかげなんです。その前の城は、ヴィオレ=ル=デュック風のロマン派的な姿になっていて酷いありさまでした」と城主のモーリスさん。
お城のバルコニーからはアヌシー湖を見渡すことができます。
「この城は一般の方々に見学してもらう名所というだけでなく、現在もなお家族の生活の場になっています。ですから、今も生き続けている城なんです」
紅葉した森がお城を引き立ててくれます。
お宝はまだあります。お城の書斎に保管されている書籍の数々。取り出して見せてくれたのは百科全書の初版本。
百科全書の出版が始まったのは1751年のことでした。
さて、お城は5月〜9月まで一般に公開されています。昔の衣装を身につけたガイドさんが中を案内してくれます。
こちらのタピスリーは17世紀のもの。
このトンネルのようなものは厨房から食堂に料理を運ぶためのもの。15メートルのレールが敷かれています。
鍵の数もこれだけあります。全部で184本!
今もなお生きているお城というだけあって、手入れが行き届いています。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、そしてずっと前から私の名前はディズニー映画に登場するお姫様の名前をと同じ。娘はそれが自慢。それなのに授業参観には絶対来ないでという。『だってお姫様は美人なのに、みんなが本物を見たらがっかりするでしょう』と娘 」
VDM(Vie de Merde)より
アルピニストの墓地 [ローヌ=アルプ地方]
10月31日の夜の渋谷は、何やら不穏な空気が漂っていました。
午後9時過ぎくらいに電車の乗り換え通路を歩いていると、聞きなれない音も聞こえてくる。しかも交差点の見渡せる窓辺にはずらっと人が並んでいる。
お察しの通りハロウィンです!
これは一刻もぐずぐずしてられないと、とっとと電車に乗って帰ってきました。
渋谷の交差点、どうしてこんなことになってしまったのか・・・嘆かわしい。
それはさておき、10月31日の翌日の11月1日は、カトリック教徒にとって聖人と殉教者を記念する「諸聖人の日」です。
この日、フランスではお墓詣りに行く習慣があります。
そこで本日は、フランス・アルプスの山々を望む、少し変わった墓地を訪ねることにしましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月31日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここは標高1400メートルのところにある、サン=クリストフ=アン=ノワザン(Saint-Christophe-en-Oisans)の墓地。
谷を隔てた向こうにあるのは万年雪をたたえた岩山の数々。
その岩山にも負けない力強い墓石が並びます。ここはアルピニストのパンテオンともいうべき場所。
アルプスで活躍した偉大な登山家や山岳ガイドおよびその忍耐強い妻たちが眠っています。
「これは1909年のエクラン峠の雪崩で亡くなった方のお墓です。アルピニストの草分け的人物でした。それからこちらは二人のイタリア人登山家のお墓です。雪山で滑落して亡くなりました」とロジェさん。
ロジェさん、この墓地のことなら何でも知っています。
ある墓石には “山が彼の死であるなら、山はまた彼の命でもあった” と刻まれています。
数々の険しい山々に挑んだ登山家にふさわしい墓石が並びます。
今のような優れた装備のない時代に、ピッケルやロープを頼りに岩山を登っていったようです。
「ここに葬られた人々はいつまでもアルプスの山々を見つづけることができるんです」とロジェさん。
アンドレさんは毎年11月1日になると、山岳ガイドだった父親のお墓参りにやってきます。
亡くなったのは1942年の登山中のことでした。その時アンドレさんはまだ7歳だったそうです。
「登山家の客と一緒に雪山を登っている時に、クラバスに落ちて亡くなりました」とアンドレさん。
ここには、1877年に標高3900メートルの鋭鋒ラ・メイジュの登頂に成功したピエール・ガスパールも眠っています。
ジェラールさんはそのひ孫にして、今では数少ない山岳ガイドの一人です。
「今、私たちがお客様を山に案内して素晴らしい景色を楽しんでもらえるのは、ここにいる先駆者のおかげなんです」
村人から大切にされている墓地のようです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、祖父と祖母を乗せて車で今晩泊まるホテルを探していた。カーナビが 『目的地に到着しました!』と言った。我々はお墓の前にいた・・・」
VDM(Vie de Merde)より
栗祭り [ローヌ=アルプ地方]
今週の月曜日、ストラスブールのクレベール広場に樅の木が立てられたそうです。
スノンヌの森で切り出し中に折れてしまった最初の樅の木。
どうなることかと思いましたが、ちゃんと予備の樅の木が見つかって運ばれてきたようです。その時の様子が→こちら。
なんだか枝がまばらな感じがしますが、これから色々手を入れ整形したのち、デコレーションされるようです。どんなツリーになるのか楽しみです。
さて、先週末、フランス南部アルデッシュ地方の小さな村で、栗祭りが開催されたそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月30日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばk、mらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ヴォラーヌ川とビズ川の支流が流れる渓谷の丘にできたアントレーグ=シュル=ヴォラーヌ村(Angraigues-sur-Volane)。
色づいた木々の葉を揺らすかのように、焼き栗のパチパチはじける音が聞こえてきます。
ここは村の広場。栗は薪で大量に焼かれていました。
アルデッシュ地方の栗は、蜂蜜のブリオッシュやミルクパンのような味がすると言います。
皆さん、美味しそうに召し上がっています。
パレードも始まりました。先頭は例のコンフレリーの方々。アルデッシュの栗を広く知らしめるために様々な活動をしています。
どれも同じ栗に見えてもいくつか品種があるそうです。
「ブッシュ・ルージュと言う品種は渋皮がなくマロングラッセを作るのに向いています」と男性。
何世紀もの間、アルデッシュの人々は麦と同じように栗を挽いて粉にし、パンを作って食料にしていました。
「そのまま焼いて食べたり、ポタージュと一緒に煮て食べたりもしています」と男性。
そしてこれが栗のスープ。茹でた栗またはピュレにした栗を使って作るようです。
甘いクレープにも栗が使われています。マロンクリームのたっぷり詰まったクレープ。美味しそうですね。
そしてこの日は栗を使ったケーキのコンクールも開催されました。
審査員の皆さん、なんだかとても真剣な様子。どれも美味しそうで甲乙つけがたしですね。
今年は雨が降らず水不足で豊作というわけには行きませんでしたが、たくさんの人たちが秋の味覚を楽しんだそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、生物学の授業で、青い目の両親からは青い目の子供が生まれると教わった。私の目は栗色。でも、両親の目は二人とも青・・・」
VDM(Vie de Merde)より