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変わったワインの熟成法 [ミディ=ピレネー地方]

 フランスでは、早いところではすでにブドウの収穫とワインの仕込みが始まったようです。

 

 今年のでき具合が気になります。

 

 さて、フランス中南部のワインの産地カオールでは、ちょっと変わった容器でワインを熟成させているワイン農家があります。

 

Paris_Cahors.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年8月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 カティさん、フィリップさんご夫妻は7ヘクタールのブドウ園を所有しています。


 「もう、1、2ヶ月したら収穫して、“玉子”の中で熟成させますよ」とフィリップさん。


 玉子の中???


 玉子とはこれのこと。玉子の形をしたタンクです。


 「コンクリートで出来ていて通気性があります。そして、中で常にワインが動いています」とフィリップさん。


 この玉子のタンクには8樽分のワインが入っているそうです。


 この試みは2009年からすでに始まっていました。


 「人工的な味ではなく自然な味のワインを作ることが重要だと思っています」とフィリップさんはおっしゃっていますが、普通のワインとはやっぱり味も違っているのでしょうね。


 一方、別のワイン農家では、素焼きの壷を使って熟成させています。


 「ローマ時代には、これにワインを詰めて運んでいました」とステファヌさん。


 この素焼きの壷を作っているのが、フランス南部の町カステルノダリ(Castelnaudary)にある工房です。


 機械を使った大量生産ではありません。手作りです。


 「この形だと、中でワインが動き続けるんです」


 素焼きの壷でワインを熟成させているのはここが初めてだそうです。


 これはこれでまた個性的な味のワインになりそうですね。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、飲み会の後、ひどく疲れてしまい、応接間の床にばったりと倒れ込んで寝てしまった。僕のTシャツには大きな赤いシミが・・・。同居人が僕を見つけた時の驚き様はご想像のとおりです」

 

VDM (Vie de merde)より



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ル・ノートルの小さな庭 [ミディ=ピレネー地方]

 今年、生誕400年を迎えるアンドレ・ル・ノートル。17世紀に活躍したフランスの造園家です。


 ル・ノートルが手がけた庭と言えば、ヴェルサイユ宮殿、シャンティイ城、フォンテヌブロー宮殿など、広大な庭を思い浮かべますが、こんなかわいらしい小さな庭もあったのです。


Paris_Castres.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年6月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 フランス南部タルヌ県のカストル(Castres)。人口4万ほどの町。


 なにやら昔の決闘を再現しているようですが、片方は女性剣士。


 昔はこの手の庭で一対一の決闘が行われていたそうです。


 1676年にル・ノートルが設計したというこの庭は、とても決闘とは結びつかないかわいらしい庭なのでした。


 刈り込まれた緑の茂みはユリの花をかたどっているそうです。上から眺めるとタピスリーかレースの模様に見えます。


 「剪定は冬に行います。追加で夏にも刈り込みます。ここは1995年から歴史的建造物として文化財に指定されています」と庭の責任者。


 昔の人は、迷路のような茂みの中でこんな風に決闘をしていたのでしょうか?


 この緑の茂みの間には花が植えられています。毎年夏にはその年のテーマの花が植えられるそうです。


 17世紀の中頃にヴェルサイユからカストルにやってきた新しい領主が、お城の建築をマンサールに、造園をル・ノートルに依頼したのがすべての始まりでした。


 マンサールとル・ノートルと言えば、ベルサイユ宮殿を作ったコンビです。


 庭の近くを流れているのがアグ川。


 「町にあるのは庭だけじゃありませんよ。ジャン・ジョレス記念館やゴヤ美術館もあります。そして、この川沿いの風景も町のみどころです」と船長さん。


 かつては職人の家だったという趣のある建物が並んでいます。


 庭の魅力に引きつけられ写真を取っている方がエリックさん。


 「町の人たちは、週末だけでなくウィークデーにも庭を散歩して楽しんでますよ。ここには誰でも入れますからね」


 珍しい雪の日の写真も登場しました。


 カストルは日本ではあまり知られていないようですが、あちこち見どころのある町のようです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、夜の帳が降りた頃、隣の大型犬がうちの庭の垣根を飛び越えこちらに突進してきた。私はあわてて逃げようとしたが濡れた土に足を取られすってんころり。犬は嬉しそうにくわえていたボールを私の前に置くと、投げろとばかりにしっぽを振った」

 

VDM (Vie de merde)より




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フランスの最も美しい村 その2 [ミディ=ピレネー地方]

 シリーズの二回目は、前回のサレールから南へ80キロほど南へ下ったところにあるベルカステル(Belcastel)という村。


 人口は250人にも満たない文字通り小さな村です。

Paris_Belcasterl.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年4月23日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 お城のふもとに出来た小さな村。


 建物に使われている石が変わるだけで雰囲気がこんなに違ってきます。そのほとんどが13世紀ころに立てられたもの。


 お城は9世紀頃までさかのぼります。100年戦争ではイングランドから攻撃を受けたこともあるとか。


 1974年、廃墟同然の城がフェルナンド・プイヨンという建築家の目に止まり、今のような姿に修復されました。もちろん文化財になっています。


 村の下を流れる川はアヴェロン川。


 ロベールさんは25年前にここにやってきました。それ以来、ここを離れる気はなくなりました。


 「昔はこの村を通る者は通行料を払わなくてはならなかった。夜は通れなかったそうじゃ。そうやってこの村は領主に守られていたんじゃよ」


 川にかかる美しいアーチ型の橋。これも文化財です。


 昔は川を境に二つの村があり、対立していたそうです。今では平和で和気あいあいとした一つの村になりました。


 橋のたもとにあるのがレストランVieux Pont(「古い橋」の意)。なんとミシュランの一つ星を獲得しています。


 白い厨房服の女性ニコルさんがそのシェフです。


 「村全体が大きな家族みたいなものです。皆で集まっていろいろなことをして楽しんでますよ」


 厨房で作っていたのは、アスパラガスとモリーユ茸の料理。どちらも今が旬のお野菜です。


 「私はここで生まれました。ずっとここにいたかったので両親がやっていたレストランを引き継いだんです」とニコルさん。


 このレストランには宿泊施設もあります。


 普通のホテルの部屋と同じタイプのと離れの一軒家があります。離れは自炊もできるようです。


 ロベールさんが案内してくれたのは村はずれの川辺の小さな家。古い建物です。


 一階がキッチン、二階が食堂、三階が寝室という具合に出来ています。


 今なら3階立ての狭小住宅でしょうか?


 最後に、若い料理人が作ってくれたのが、この地方に昔から伝わる料理パスカド(pascade)。


 「玉子と小麦粉で作ったクレープ生地のようなもの焼いたものです。祖母や父親が作っていましたから、僕も作り方を知ってるんですよ」


 クレープが分厚いオムレツになったような料理に見えます。


 焼き上がったものに砂糖をかければデザートにもなるそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ホテルについてチェックインして鍵をもらい自分の部屋へと上がって行った。しかし、すぐに受付に戻り言った。『すいません、すでに部屋に誰かいるようなんですが・・・』すると受付係が言った。「それで、一体全体何が問題なんですか?』」

 

VDM (Vie de merde)より




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フランスの最も美しい村 その2 [ミディ=ピレネー地方]

 シリーズの二回目は、去年の2011年に “フランスで最も美しい村” の称号を獲得したばかりの村ラヴァルダンス(Lavardens)。


Paris_Lavardens.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月28日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 村を訪ねてみると、教会の塔が見える、ごく普通の、どこにでもあるフランスの村です。


 人口は400人足らず。村人たちが通りで井戸端会議。


 ここがほんとに “フランスで最も美しい村” の一つなの???


 村のカフェ、レストラン、食料品店の三役をこなすお店の方はこんなことをおっしゃっていました。


 「称号を獲得してからはツーリストがお昼を食べて行ったり、騒がしくなったり、ゴミが増えたりと、前と同じではありせんが、それでも田舎ということに変わりはありませんよ」


 “フランスで最も美しい村” に選ばれるためには、文化財になっているお宝がなくてはならないのですが……。


 ちゃんとありました、そのお宝が。


 丘の上から村を見下ろしているラヴァルダンス城。


 この辺り一帯の領主だったアントワーヌ・ドゥ・ロクロール(Antoine de Roquelaure)(1544〜1625)が妻と子供たちのために建てた城です。


 この領主、歴代のフランス王の中でも一番人気のアンリ4世の側近で、王が暗殺された時、同じ馬車に乗っていたとか。


 王に忠誠を尽くした方だったようです。


 その後、ルイ13世からは軍の最高位であるMaréchal de Franceに任命されたほどの人物。


 私生活では最初の結婚で6人の子宝に恵まれますが、結婚して20年目にして妻に先立たれてしまいます。


 このお城を建てたのは再婚相手のスザンヌ・ドゥ・バサバのため。


 1611年の再婚時のアントワーヌの年齢が67歳、花嫁のスザンヌが18歳。


 驚くなかれ、再婚後にできた子供の数が12人だそうです。


 アントワーヌさんとはこんなお顔の方。


Antoine de Roquelaure


 なんだかお城よりこっちの話に気を取られてしまいました。


 お城の一番の特徴は床。


 石灰石とレンガを敷き詰めた床には見事な模様が描かれていました。


 このお城も革命後には個人に売却されます。所有者が12人いたそうですから、言ってみれば分譲マンションみたいなもの。


 そのせいで運用に支障をきたしたのか、その後、住む人もなく荒れ果ててしまいます。


 再建が始まったのは1960年代になってからのことです。


 お城の足下には田舎の田園風景が広がっていました。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


 

「今日、6歳になる息子が本を読んでいたので、その物語について聞いてみた。『お宝はどこで盗まれたの?』息子が言った。『え〜っと、第二パラグラフ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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フランスの美しい通り その1 [ミディ=ピレネー地方]

 今日から、フランスの各地にある“通り”を一つずつ訪ねます。


 第一回目の今日は、フランス南西部の都市トゥルーズにあるトール通り(rue du Taur)。キャピトル広場とサン=セルナン聖堂をむすぶ南北に伸びる通りです。


Paris_Toulouse.jpg
より大きな地図で フランスの美しい通り トール通り を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年6月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 トール(Taur)という名前は、サン=セルナン(聖セルナン)の殉教伝説からきています。


 ローマの統治下にあったトゥルーズで、西暦250年頃、福音を行っていたサン=セルナンに、ローマ人の神官たちが雄牛一頭を皇帝に献上するようにと言ってきます。(雄牛は仏語でトロー(taureau))


 これを断ったサン=セルナンは雄牛に縛り付けられ、怒り狂った雄牛はそのまま町を暴れ回り、最後にロープが切れて、息絶えた聖セルナンの亡骸がこの通りに横たわっていたと言います。


 それがちょうどノートル=ダム教会の前(上記地図の青印)だったそうです。


 もちろん教会はこの出来事の後に建てられました。


 そのファサッドは14世紀のもの。れんが造りで要塞のようにも見えます。壁に作られた鐘楼はこの地方独特の様式。


 中も独特の色合いです。


 「静かで、少し薄暗い教会ですが、誰もがここに入って来られるようにとの配慮からです。私はこの教会がとても好きです。なにしろ、先祖代々ここに通っていますからね」と男性。


 この通りは、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路に含まれています。


 巡礼者が訪れるのがサン=セルナン聖堂(上記地図の赤印)。さきほどの殉教者サン=セルナンを偲んで建てられました。


 なにやら巡礼者が壁に作られた足型に手を置きお祈りをしているようですが、この足型、旅行者の守護聖人クリストフォロスのもの。


 クリストフォロスは、イエス・キリストを背負って川を渡ったと伝えられています。


 巡礼の皆さんは、ここで旅の無事を祈っていたのですね。


 トール通りを彩るのは宗教だけではありません。甘いお菓子もあります。


 お菓子屋さんRégals(上記地図の緑印)のおすすめは、トゥルーズ地方のお菓子Fénétra(フェネトラ)。


 メレンゲにアーモンド・パウダー混ぜ、レモンとあんずの皮の砂糖漬けを加えて焼いたお菓子です。


 その起源はローマ時代までさかのぼります。ローマ人がお葬式の時に作って食べたお菓子だそうです。


 最後に、通りのどこかの小さな路地を入って鉄格子を開けると、昔の佇まいを残した美しい中庭に出ます。


 建物は中世の頃からのもので、かつての裕福な一族(又は領主)の邸宅だったそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、通りを歩いていると、お年寄りにこう言われた。『まあ、もうすぐお母さんね。すてきだわ。で、何ヶ月???』12ヶ月。ダイエットを始めてから」

 

VDM (Vie de merde)より



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フランスの湯治場巡り その2 [ミディ=ピレネー地方]

 シリーズの二回目は、フランス南西部ジェール県の湯治場バルボタン・レ・テルムを訪ねます。 


Paris_Barbotan.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 毎週水曜日は、温泉施設の前に市が立ちます。

 

 すごい数のチーズが並んでいましたが、別のお店では、この地方のお菓子パスティスが売られていました。(パスティスについては以前の記事を→こちら

 

 さて、湯治施設の方は、こちらもりっぱな建物です。

 

 19世紀の温泉黄金時代に作られたネオクラシックな建築物。

 

 なんとなく温泉のありがたみが倍増しそうです。

 

 湯治客は年間15,000人ほど。こちらの温泉もリューマチによく効くそうです。

 

 「具合がよくなったのでハイキングに行ってきました。ここで治療してからは薬も飲まなくなりました」と女性。

 

 責任者の方のお話によると、多くの人が足の治療にやって来るそうです。

 

 温泉にかかったり浸かったりすることで、リューマチで変形してしまった間接が元に戻るのを促進するとか。

 

 炭酸カルシウム、マグネシウム、ケイ酸塩などが豊富なお湯は37℃。

 

 となると人肌ほどの暖かさ。日本人にはちょっと物足りないかもしれません。

 

 また泥風呂もあります。カオリンというミネラルの粘土が入っています。粘土自体も37℃ほどします。

 

 ケアは全部で18日間続きます。

 

 「最初はちょっときついので疲れます。でも、その後は楽になりますよ」と、温泉の中で自転車こぎをやっていた男性。

 

 また、周辺を歩くのも治療の一環です。

 

 この日は、突然の雨と風に見舞われ、急いで建物の中に入ると、カナール(鴨またはアヒル)の解体見学が始まりました。

 

 カナールとくれば、フォワグラの試食です。

 

 「柔らかくて、香りもあって美味しいわ」と女性。

 

 この地域はブランデーの産地でもあります。

 

 ここで作られるブランデーはアルマニャックと呼ばれています。コニャックと並ぶフランスの二大ブランデーです。

 

 ブランデーは白ブドウから作られる蒸留酒。一通り製造過程を説明してもらったら、試飲タイム。

 

 「ブランデーって、治療にいいんでしょうか?」と取材班。

 

 湯治中の女性はすかさず「はい!」と答えていました。

 

 これなら湯治も悪くないですねえ〜。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ミネラルウォーターをセットでまとめ買いしてきた。うちは、水道の蛇口をひねると山からの美味しい水が飲めるのですが、何しろキッチンには洗い物がたまってしまい、蛇口の下にコップを置くすきまもない」

 

VDM (Vie de merde)より



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続・暖炉をめぐる旅 その1 〜古いお城の暖炉〜 [ミディ=ピレネー地方]

 昨日のTF1のニュースも雪の話題が大半でした。

 

 昨日は、トゥルーズ、カーン、サン=テミリオンのブドウ畑、パリのエッフェル塔、シャンボール城の雪景色を紹介していました。興味のある方は→こちら

 

 寒い冬を暖かい気分ですごせるかもしれないと、またまた暖炉の旅を4回のシリーズで紹介します。

 

 第一回目の今日は、ジェール県の小さな村カセーニュにあるお城の暖炉を訪ねます。

Paris_Cassaigne.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月30日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 カセーニュの人口は200人ほど。

 

 お城は16世紀に建てられました。

 

 代々司教の別邸として使われていましたが、戦争や災害時には避難所にもなっていたそうです。

 

 500年以上も燃え続けて来たという城の暖炉は、今風に言えば、ダイニングキッチンにあります。

 

 石壁には料理に使う道具が並び、火の近くにはすでに大きな鍋が置かれています。

 

 城の外では、ブドウの木の剪定が行われていました。

 

 ここではワインの他にブランデーも作られています。

 

 因に、ジェール県を含むアルマニャック地方で作られているブランデーがアルマニャックで、コニャック地方で作られているブランデーがコニャックです。

 

 鐘の音をバックに、お城のファサッドが見えてきましたが、こちらは18世紀のもの。

 

 ドアを開けて中に入れば、暖かい暖炉とお料理が待っています。

 

 鍋の中でぐつぐつ言っていたのは、この地方の郷土料理ガルビュール

 

 具は、ネギ、セロリ、かぶ、ニンジン、じゃがいも、白インゲン豆、キャベツなどの野菜と、肉はカナールのコンフィ。フォワグラの産地ならではの料理です。

 

 暖炉のおき火の上に2時間ほど置いておくそうです。

 

 そして、もう一つ、今日の特別料理は、おき火の下に隠れていました。

 

 この地方のお菓子でパスティスと言い、アップルパイのようなお菓子です。

 

 「午前中は寒い外でずっと仕事をしてきましたから、暖炉のそばで暖かい食事ができていい気持ちです」とワイン農家のロジェさん。

 

 ダイニングキッチンの天井はドーム型。はめ込まれているのはレンガ。

 

 熱い空気がこのレンガの天井に跳ね返って、部屋全体がまんべんなく暖かくなる仕組みになっています。ちょうどパン焼き窯の中にいるのと同じです。

 

 「もう何百年も前から使われて来た暖炉ですからね。我々のルーツのような存在です」とワイン農家のモーリスさん。

 

 そして、食事の最後に登場したのが、ジョルジェットさんが昔ながらの方法で作ってくれたパスティス。

 

 あのおき火でこんなにキレイに焼けるんですね。

 

 パリっとした生地の下に、美味しそうなリンゴが顔をのぞかせていました。

 

 このカセーニュ城は観光の名所になっているようで、毎年50,000人もの見学者が訪れるそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、僕の彼女は、この寒さで風邪を引くといけないから、しばらく脱毛するのをやめるそうだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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売りに出された異例の物件 その1 〜修道院〜 [ミディ=ピレネー地方]

 今日から、フランスで売りに出されている不動産シリーズを始めます。

 

 もちろん普通の家やマンションではありません。お城や修道院など、日本では見かけないものばかり。

 

 これらの物件を5回シリーズで、下記地図の青→赤→緑→黄→紫の順に訪ねます。

 

 第一回目の今日は、ロット県のグルドンにある物件を見に出かけます。(下記地図の青印)

 Paris_vente.jpg

より大きな地図で 売りに出された異例の物件 を表示
 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月14日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 グルドンの人口は4,000人ほど。町は丘の上にあります。
 
 そして、国の文化財に指定されているノートル=ダム・デ・コルドゥリエ教会。空に向かってそびえ立つ一本の鐘楼が印象的です。
 
 売りに出されている物件はこれではなく、この教会に付属する修道院です。
 
 修道院ははるか昔にその役割を終え、ホテルに改築されていました。そして、二年前から買手を探しています。
 
 この建物の歴史は古く、13世紀にさかのぼります。コルドゥリエ(cordelier)と呼ばれたフランシスコ会の僧侶が、1251〜1287年の間にここに修道院を立てたのが始まりです。
 
 そして18世紀末、革命により修道院としての役割を終えます。
 
 1960年代の半ばまでは神学校として使われていました。ここで寄宿しながら100人ほどの青少年が学んでいたそうです。
 
 クリスチャンさんもここで学んだ生徒の一人です。かつての校舎を懐かしそうに見ていました。建物の上階が寮になっていたそうです。
 
 その後ここは休暇センターになり、3ヘクタールほどの公園の中には2つのプールも作られました。建物の面積は4,000平方メートル以上もありますが、6年前から使われないままになっています。
 
 「維持費はかかるものの一銭の収入もありません。使い道は他にないかと考えましたが、みつかりませんでした。となるとやはり売却するしかありません」と担当者。
 
 取材班が訪れたこの日、物件を見に来た人がいたようです。
 
 今のところ価格は2百万ユーロ(約2.2億円ほど)。日本の不動産の価格を考えたら、思ったほど高くはないような......。
 
 しかし、この建物にふさわしい使い方を見つけ出すのはそう簡単なことではなさそうです。
 
 神の御心に従い、辛抱強く理想的な買手が現れることを待つということでしょうか?
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、新しく住むことになるマンションの部屋の状態を確かめに行った。50歳くらいの不動産屋がシャワー室を見せながら言った。『ご覧の通り、ここには2、3人は入れますよ』???」

 

VDM (Vie de merde)より



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小さな村サン=シール=ラポピ その3 〜 ロット川渓谷 〜 [ミディ=ピレネー地方]

 シリーズの最後は、村の坂を下って渓谷を散策します。

 

Paris_StCirqLap.jpg

 

 渓谷と言えば川下り。ロット川には、大きな遊覧船から宿泊もできるプレジャーボートのレンタルまで用意されています。

 今回は、昔、川や運河で荷物を運ぶために使われていたガバール(gabare)と呼ばれる船に良く似た川船をレンタル(5~7人乗りで一日139ユーロ、1時間なら39ユーロ)。

 ある家族と一緒に渓谷を散策すことにしましょう。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年8月3日放送)

 

rivierelotTV.jpg

 

 係の人からざっと説明を聞ていざ出発!

 

 初めての運転でお父さんはちょっと不安顔ですが、しばらくすれば渓谷の眺めに心も和みます。なんだか日本にもこんな家族がいそうですね。

 

 さらに船を進めて行くと水門が見えてきます。ここは、より高い所へと船を進めるための施設。となると川下りではなく川上りになっちゃいますね。

 

 中に入ったら後方の水門を閉じて水位が上がるのを待ちます。その間、船が動かないようにロープを引っ張って固定します。水位が上がったところで前方の水門を開けて前へ進みます。

 

 夏のバカンスを楽しむ人も入れば、夏だけ働く人もいます。たとえば水門の開閉の仕事。手回しの開閉は大変そうです。大学生のアルバイトでしょうか?なかなかのイケメンでした。

 

 船には乗らず、川岸を歩いて散策する家族もいます。隊長はおじいちゃん。

 

 「わしにとってバカンスは無為にすごすことではなく歩くことじゃ。一日歩いて晩は美味しい食事をする。お前たちも賛成じゃろ?」てなことを言っています。家族全員が本当に賛成かどうかは………。

 

 この一家が歩いていた道は、かつてガバールを引っ張る人や馬が通っていた道だそうです。

 

 いよいよ1時間の川下りも終わりに近づいてきました。末っ子のアントニオ君の感想は「船は怖い。揺れるから」でした。

 

 サン=シール=ラポピの崖が見えて来たら記念写真をパチリ。

 

 全長485キロのロット川は果てしなく続きます。そのまま続けていたら高額なレンタル代を請求されてしまいそう。そろそろ返しに戻りましょう。

 

 尚、フランスの場合、10馬力以下のエンジンなら船の免許は不要。日本は2馬力未満、ボートの長さ3メートル以下でなくてはならないとか。フランスの方が緩いですね。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、船ででかけた。写真を撮っていたら、カメラを水の中におとしてしまい、あわてて川に飛び込んだ。気がつくと、幸か不幸かカメラは手すりに引っかかっていた」

 

VDM (Vie de merde)より



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小さな村サン=シール=ラポピ その2 〜 坂の村を散策 〜 [ミディ=ピレネー地方]

 シリーズの二回目は、バカンスを楽しむ方々と一緒に、村の中を散策します。

 

Paris_StCirqLap.jpg

 

 中世の頃、村は4つの領主の共同で治められていました。そのため、城や屋敷がいくつも建てられていたそうです。

 

 現在、13世紀から16世紀にかけて造られた家が数多く残されており、そのうち13軒が文化財になっています。急勾配の屋根に平たい瓦、狭い間口の建築というのがその特徴です。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年8月2日放送)

 

StCirqLap01TV.jpg

 

 4つの領主のうちの一つがラポピ家です。全員がうまく言えなかったこの名前、領主の名前だったんですね。

 

 それはさておき、坂ばかりのこの村を散策するのはかなり大変そうです。

 

 赤ちゃんをおんぶしていたお父さん。「大丈夫です。いつものことですから」とおっしゃっていましたが、スリムな肉体はそのせい?

 

 皆さんが延々と上っていた坂道の一番上には、15世紀に建てられた村の教会と、廃墟となった3つのお城があります。

 

 そして何より、眼下に広がるロット川渓谷の景色。坂を上るに値する眺めです。

 

 7月末のフランスはあちこちで雨の日が続きました。この日も時折雨に降られていたのか、傘を持っての散策です。夏でも雨が降れば気温がぐっと下がりますが、ジャケットを羽織ればなんとかなります。

 

 疲れたところで、カフェのテラスでティータイム。それぞれが自分のペースで散策を楽しみます。

 

 村には、4つ目のお城Château de Saint-Cirq-Lapopieが修復されて残っています。現在は個人の所有で宿泊施設になっています。部屋は4つ。カラフルな牛の像が置いてありました。

 

 村には、シュルレアリストのアンドレ・ブルトンの住まいがあることでも知られています。

 

 20世紀、彼がここに住んでいたことで、マックス・エルンストマン・レイなど多くの芸術家がこの村にやってきました。

 

 断崖の上に出来た村の、空からの映像は圧巻ですね。

 

 村に魅了されたアンドレ・ブルトンはこう言ったそうです。

 「他へ行こうなどという気は起きなくなった」

 

 興味のある方は下記の映像をご覧下さい。村とその周辺のプロモーション映像です。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、林間学校から戻って来た息子を迎えに行った。途中、息子の撮った写真を現像してもらった。7歳になる息子は、なぜか墓石ばかり写真に撮っていた」

 

VDM (Vie de merde)より



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