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ローカル線の小さな旅2 その1 [ラングドック=ルシヨン地方]

 連日30℃をはるかに超える暑い日が続いています。エアコンがあってよかったなとつくづく思う今日この頃です。

 

 さて、今日から5回のシリーズでフランスのローカル線を紹介します。

 

 のんびりしたプチ旅行をバーチャル体験してください。

 

 第一回目の今日は、フランス南部ピレネー=オリアンタル県を走る黄色いローカル線に乗ってみましょう。


Paris_PyreneeO.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年8月1日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 

 朝9時15分前。

 

 ヴィルフランシュ=ドゥ=コンフラン(Villefranche-de-Conflent)(上記地図の青印)の駅からラトゥール=ドゥ=カロル(赤印)行きのローカル線が、発車の時刻を迎えました。

 

 普通車両の間には屋根のないオープン形式の車両もあります。

 

 定員は250人。63キロ先の目的地まで、いざ出発!

 

 美しいアーチ型の鉄橋を走るイエロー・トレイン。絵になります。

 

 乗客の皆さんはカタロニア地方独特の風景を満喫していらっしゃいます。

 

 「雄大で美しい眺めですね」と若い女性。

 

 「屋根付きの車両に比べると、こちらの方が自然を直に感じられていい気分です」と別の女性。

 

 列車の最大速度は30キロ。標高1,200メートルから徐々に下っていきます。

 

 「ハイキングするなら別ですけど、これは他では体験できないですね」

 

 こちらは屋根付きの通常の車両。とは言っても、20世紀初頭に作られたレトロな車両だそうです。

 

 皆さん、外の風景を見逃さないように窓側に立って写真撮影です。

 

 「蒸気機関車だったら煙が出てるところでしょうね」

 

 運転手はミカエルさん。お父さんも鉄道員だったとか。

 

 このイエロー・トレインの運転を心から楽しんでいます。

 

 「古い型の列車なので操縦が今とはまるで違いますね。それに、走っていると、馬や牛などの動物たちをすれ違うことがよくあります」

 

 こうして1時間半ほど列車に揺られたところでモン=ルイ村(Mont-Louis)(緑印)に到着。

 

 城壁の村を見学するためにほとんどの乗客がここで降ります。

 

 モン=ルイ村はあのヴォーバンによって要塞化された村です。

 

 この要塞については以前紹介したことがありますが、ここでは実際に今でも軍の兵士の訓練が行われています。詳しくは以前を記事を→こちら

 

 この要塞の中に設置されているのが巨大な反射鏡。

 

 この反射鏡で太陽光を集光し高音を作り出す施設で、太陽炉と呼ばれています。

 

 ちょうど光の集まるところは3,000℃にも達し、紙や木はもとより、鉄板まであっというドロドロに溶けてしまいます。

 

 「驚きました。いろいろ利用価値がありそうですね」

 

 ランチはモン=ルイのレストランでいただきます。

 

 「カタロニア地方のハムやソーセージをいただいています。フォワグラ入りのブーダンもありますよ。とても美味しいです」

 

 お腹がいっぱいになったところで、そろそろ帰りの列車の時刻になりました。

 

 イエロー・トレインはまた緑の中をのんびりと走っていきます。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


 

「今日、身体中が黄色になって、慌てて病院に駆け込んだ。すると医者が言った。『お嬢さん、これは単なる日焼けです』」

 

VDM (Vie de merde)より



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プチ・ナイアガラ [ラングドック=ルシヨン地方]

 昨日の東京はムシムシした暑さで、もうぐったりでしたねえ〜。

 

 個人的に暑さ以外にもぐったりした原因がありました。

 

 用事があって渋谷の東急ハンズまで出かけて行ったのですが、あの街はもうご勘弁願いたいです。

 

 どの店も好き勝手に大音量で音楽は流す、そこに加えて、アジア系から欧米系まで観光客が波のように押し寄せてくる。

 

 あの一帯はクレイジーとしか言いようがありません。

 

 用事を済ませたら、こそこそと足早に逃げてきました。

 

 さて、火曜日はフランスも猛暑だったようで、午後の天気予報はこんな感じになってました→こちら

 

 半分が37℃〜39℃。実際、場所によっては40℃になったところもあったようです。

 

 そんな時はこんな涼しい風景をご覧ください。


Paris_StLLM.jpg
 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年7月19日に放送) 

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 

 フランス南部ガール県の小さな村サン=ローラン=ル=ミニエ(Saint-Laurent-Le-Minier)にある滝。

 

 ヴィス川の岩づたいに近づくと、迫力のある滝の姿を堪能できます。

 

 これは一見の価値がありますね。

 

 「すごい滝ですね。子供たちも大喜びです。キャンプ場のプールとは全然ちがいますから」とお母さん。

 

 「この滝を見に来たんです。子供たちが遊んでて楽しそうですね」とトゥールから母親と一緒にやってきたというバネッサさん。

 

 滝つぼに飛び込む元気な女の子もいます。

 

 「水が澄んでて綺麗です。天然のプールとはこのことですよ」と男性。

 

 滝から離れるとのんびり川遊びのできる場所もあります。

 

 この男の子、岩のくぼみを利用して川の水でマッサージ。

 

 この日の気温は32℃。しかし水温は17℃。やはり川の水は冷たいですね。

 

 日光浴を楽しんだら冷たい川の水に浸して涼みます。

 

 この村には滝だけでなくこんな素敵なアーチ型の橋もあります。

 

 「塩水じゃないからシャワーにかかる必要もなくそのまま家に帰ることができるので楽ですよ」と女性。

 

 人の数もほどほどで、のんびり休暇を楽しめそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


 

「今日、猛暑の最中、電気屋が暖房器具の点検にやってきた。問題なし。ラジエーターのスイッチを入れるとフル稼働し始めた」

 

VDM (Vie de merde)より



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フランスの最も美しい村3 その3 [ラングドック=ルシヨン地方]

 シリーズの三回目はまたフランス南部、スペイン国境に近い城壁に囲まれた小さな村を訪ねます。

 

 今回の村サン=ベルトラン=ドゥ=コマンジュ(Saint-Bertrand-de-Comminges)は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある村の一つです。


Paris_StBetrand.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年5月4日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 



 

 村の歴史を辿るとガロ・ロマン時代にまで遡ります。

 

 その証拠がこれ。ローマ時代の共同浴場跡です。当時の人口は7,000人にも達していたそうです。

 

 そしてこれが今の村の姿。人口は250人ほど。

 

 丘の上に鎮座しているのはサント=マリー大聖堂。それを取り囲むように立ち並ぶ家々。

 

 大聖堂にはこんなに美しい回廊があります。

 

 これだけの教会があるということは、この村が重要な教区だったことを意味しています。

 

 内陣のこの豪華な作り。

 

 「ここは聖職者の席ですが、長いミサの最中に、こっそりここに腰掛けて休んだんです。ここを引っ張ると座席が出てきます」と役場の職員。

 

 「私は熱心な信者ではありませんが、こんなに美しい教会が丘の上にあるなんて驚きですね」と男性。

 

 そしてこの見事な祭壇画。教会には聖ベルトランの聖遺物が保管されています。

 

 ロマン、ゴシック、ルネッサンスの3つの様式の入り混じった教会の建物の中には、16世紀の巨大なパイプオルガンが設置されています。

 

 撮影の間中演奏してくれていたのがフィリップさんです。

 

 この大聖堂を中心に作られたのが今のサン=ベルトラン=ドゥ=コマンジュ村です。

 

 木骨構造の家が中世の面影を今に伝えています。

 

 こちらは村のレストランLe Bistrot Gourmand - Chez Martine。

 

 お店のオーナーのマルティーヌさんはこのお店を開くためにわざわざこの村にやってきたのだそうです。

 

 「大聖堂がとても気に入ったんです。毎日のように通ってますよ。そして、皆んなが仲良く食事ができる場所を提供できてとてもうれしいです」

 

 サンティアゴ巡礼の旅人もこのようなお店でお腹を満たしているのかもしれません。

 

 それにしてもすごい入墨。薄い模様入りのオーガンジーでも羽織っているのかと思ったら、地肌に描かれた模様でした。

 

 村は丘の上だけでなく丘の下にも広がっています。

 

 丘の下でアトリエを構えているのが木製のサンダルを製作しているのはイザベルさん。

 

 イザベルさんはここで生まれ育ちました。

 

 「昔はお店は全部丘の上にあったんです。それでこの階段をいつも往復していました」

 

 そして、リュックを背中に村へやってきたのが巡礼の旅人たち。

 

 春になって巡礼のシーズンが始まりました。

 

 マリーさんはそういう巡礼者に宿を提供しています。

 

 「この村は巡礼の重要な場所の一つなんです。この建物は昔は病院で、巡礼者も受け入れていたんですよ」とマリーさん。

 

 遠くからも見える丘の上の大聖堂は巡礼者にとっては灯台のようなものかもしれません。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、完璧な男性に出会った。背が高くてハンサムでスポーツマン。それにユーモアもある・・・そして腕にミニオンズのタトゥーをしてるの[あせあせ(飛び散る汗)]

 

 

VDM (Vie de merde)より




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フランスの最も美しい村3 その1 [ラングドック=ルシヨン地方]

 今年40周年を迎えたフランスのロトくじ。

 

 13日の金曜日には、フランス北東部モーゼル県に住む方が1500万ユーロ(約28億円)を当てたそうです。うらやましい。

 

 さて、今日から5回のシリーズで「フランスの最も美しい村」を紹介します。

 

 これまでもシリーズで2回紹介していますが、今回で3シリーズ目となります。

 

 田舎の小さな村をのんびりと訪ねてみましょう。

 

 第一回目の今日は、スペイン国境に近いピレネー=オリエンタル県のエウス(Eus)です。

Paris_Eus.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年5月2日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 



 

 エウス村の人口は431人。晴れの日は年間で300日もあるとか。

 

 そんな村の住人アニーさんは、自宅の窓からの眺めを楽しむのが朝の日課です。

 

 丘の上に階段状に建物が並ぶ村。これなら眺めもいいですね。

 

 遠くには雪を頂くカニグー山が見えます。

 

 そんな眺めを楽しんでいると、聞こえてくるのが教会の鐘の音。もう1000年以上も前からこの音を響かせてきました。

 

 聖ヴァンサン=ダン=ノート・デウス教会(Église Saint-Vincent-d’En-Haut d’Eus)は村のてっぺんにあります。

 

 観光客の皆さん、村の生き字引でガイドのジャンさんの案内で、教会まで一歩一歩坂道や階段を上っていきます。

 

 「建物の作りが統一されていてとても美しいです」と女性。

 

 「お天気はいいし、緑は豊かだし、これぞカニグー地方ですよ。村の人たちは親切にもてなしてくれますしねえ」と男性。

 

 エウスは工芸家の暮らす村としても知られています。

 

 その中の一人がエリックさん。ここで宝飾品を制作しています。

 

 「ここへきてまだ2年にしかなりませんが、いいところですよ。静かでのんびりしていますから、アイデアが湧き出てくるんです」

 

 こうしてみると美しい教会ですね。しかも面白い作りです。

 

 1726年に着工。完成したのは1743年でした。国の文化財になっています。

 

 さて、村を取り囲んでいるのが果樹園。晴天が多いとなると果物も良く育ちそうです。

 

 「水はピレネー山脈やカニグー山から供給されます」と果樹園の方。

 

 ここは桃の産地で知られています。さぞかし甘くて水々しい桃が実をつけるんでしょうね。

 

 「ここから別のところに移ろうなんて思いもしないよ。眺めはいいし、1時間もかからないで山にも海にも行けるんだからね。ここよりいいとこなんて他にないよ」と生き字引のジャンさん。

 

 カニグー地方の美しい村は明るい太陽の光に包まれていました。

 

 

<お知らせ>

 

 毎週月曜日に紹介している恒例の週末旅は、来週から日曜日に紹介することにしました。従いまして次回は22日になります。少し間が空いてしまいますが、あしからずご了承ください。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、結婚式を予約するために小さな村の役場に電話をした。すると、事務局員がその日を忘れないように定期的に電話してくれという。『何しろあまりにスケジュールが空きすぎてるんでねえ』」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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カスティーユ城のお宝 [ラングドック=ルシヨン地方]

 昨日は健康診断でした。なんだかどっと疲れました。

 

 健康診断って普段やらないことをやるせいかひどく疲れます。あまり何度もやりたくないですね。

 

 それはさておき、本日はお城のお話です。

 

 南仏の小さな村にあるお城が売りに出されました。お値段は900万ユーロ(約11億3000万円)。

 

 お城の相場ってよくわかりませんが、ちょっと高いような気がします。

 

 お城は思ったより安く手に入るが、修復や維持にお金がかかると聞いたことがあります。

 

 そうなると、11億円超えはやっぱりちょっと高い。しかし、それには理由がありました。

 

 Paris_Argilliers.jpg




 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年2月22日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



À la découverte du château de Castille et des fresques de Picasso

 こちらがそのお城。カスティーユ城です。

 

 元は13世紀の建てられた城塞ですが、18世紀後半からカスティーユ公爵家の持ち物となり改修が加えられました。

 

 一階の柱はその頃建設されました。居住面積は560㎡ほど。広いに庭が付いています。

 

 このお城のお宝がこの壁画です。誰の作品かといえば・・・お察しの通り、ピカソです。

 

 「ピカソの壁画自体、大変珍しいものです。それがこのようなお城にあるということは、本当に特別なことなんです」とサザビーの責任者の方。

 

 これじゃあ11億円を超えるのもうなづけます。

 

 「ピカソはこの城が気に入って何度も訪ねていました。買おうとしたくらいなんです」とサザビーの方。

 

 1965年当時、ピカソはこの城のオーナーだったイギリス人のダグラス・クーパーと知り合いでした。

 

 クーパーは美術の収集家であり美術史に精通した学者でした。

 

 クーパーはピカソに、ノルウェー人の画家がバルセロナにある建物のファサードの壁にデッサンを彫った話をしました。

 

 それを聞いたピカソが興奮してこう言ったそうです。

 

 「それならあの壁を私に提供してくれたら、何か作品を残しましょう」

 

 こうしてできたのがこの壁画でした。

 

 クーパーが1977年に亡くなると城は人手に渡り、40年前からフランスの企業家たちの所有になっていました。

 

 食堂、列柱、ファサード、それからピカソの壁画、これら全てが文化財に指定されています。

 

 このお城があるのは人口450人の小さな村アルジリエ(Argilliers)。

 

 村の人たちはお城のことについてはあまりご存知ない様子。

 

 「あの豪華なお城の中のことは知っていますか?」と取材班。

 

 「いや、全く知らないね。中に入ったこともないよ」と男性。

 

 「お城がいくらで売りに出されてるか知ってますか?」と取材班。

 

 「ええ、確か900万ユーロでしょ?」と女性。

 

 「そうですよ、高いと思いますか?」と取材班。

 

 「そりゃ高いわよ」と女性。

 

 900万ユーロといえば、村の予算の30年分だそうです。

 

 それでも次のオーナーの候補者が数人いるそうです。お金のあるところにはあるもんですねえ〜。

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、彼女の誕生日だったのをすっかり忘れてしまった。傷ついた彼女は、アパートの壁という壁に、自分の生年月日を彫った」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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晴天の町 [ラングドック=ルシヨン地方]

 帰りの通勤電車の中。iPadで読書に勤しんでいると、どこかから聞こえてきます。

 

 「ヒック・・・」

 

 またしばらくすると、

 

 「ヒック・・・」

 

 どうやら前に立っているおじさん、しゃっくりの発作に見舞われているらしい。

 

 普通ならどうにかして止めようとがんばるところなのですが、そのおじさん、のんきなものでずっと「ヒック・・・ヒック・・・」とやり続けている。

 

 なんとなく耳に入ってくるから聞いてしまう。

 

 そうするとなんだか自分まで「ヒック・・・」となりそうになる。

 

 私が電車を降りるまで続いてたけど、あの人、大丈夫だったんだろうか?

 

 さて、4歩進んで3歩下がるみたいにして春が近づいているようですが、この時期、フランスのTV局TF1にかならず登場するのがフランス南西部の地中海に面した町コリウール(Collioure)。

 

 日本ではあまり観光地としては知られていませんが、フランスではリゾート地として人気のようです。

 

 折から、学校が冬休みのシーズンに入っています。バカンス客で賑わう直前の町の様子をご覧ください。


Paris_Collioure.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年2月18日に放送)


 

 南仏と同じようにこちらも太陽の光が降り注いでいます。

 

 市場に大勢の人たちが集まってきました。お店の人はホッと胸をなでおろしています。

 

 「やっと人が来てくれるようになりました。去年よりちょっと増えたかな」

 

 「太陽の日差しに誘われて皆が表に出てくるようになりましたね。気持ちがちょっとワクワクしてきます」

 

 これまで閑散としていた通りをたくさんの人が歩くようになり活気が戻ってきました。

 

 今日は、寒い北風もなく暖かい日差しがあるだけ。

 

 「今日は買い物をして知り合いとおしゃべりしましたよ。ええ、太陽の日差しは大事です」

 

 「この日差しはお金じゃ買えませんねえ。とってもいい気分ですよ」

 

 コリウールは一年のうち300日は晴天という奇跡のような町。

 

 この海岸の風景、絵になります。

 

 ここは画家たちにも愛されました。マチス、ブラック、ピカソ、デュフィーなどが滞在したことで知られています。

 

 海岸には椅子とテーブルが並べられ、バカンス客がやってくるのを待っています。

 

 「ずっと空は曇りでパッとしませんでしたからね。太陽のありがたみを改めて感じますよ」

 

 時々、薄い雲に覆われていた太陽ですが、この陽気は週末まで続くそうです。


 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、太陽の日差しがまぶしいくらいの快晴。気持ちも軽やかに、いつも自転車で走る路地を走っていた。やがて二つの門に囲まれた狭い入り口が見えてきた。いつものように間をすり抜けようとして気がついた。しまった、今日は車だった」


VDM (Vie de merde)より


 


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鐘つきリレー [ラングドック=ルシヨン地方]

 間もなくマザー・テレサが聖人の仲間入りをするようですが、あれだけのことをされた方ですから聖人に列せられるのも当然のような気がします。

 

 しかし、全体の実績に鑑みて聖人になるのではなく、2度の奇跡を起すというのが必須条件なのだとか。

 

 例えば、マザー・テレサの場合、決め手になったのが、脳腫瘍で危篤状態だった男性を回復させたという奇跡。

 

 あくまでも神がかり的なことをなさないと聖人にはなれないらしい。

 

 さて、本日はそのキリスト教の聖人の一人、聖アガタにまつわる話題です。

 

 フランス南部の小さな村サレル=カバルデス(Sallèles-Carardès)では、聖アガタの日に教会の鐘を一晩中鳴らすという伝統があるそうです。

Paris_SCabardes.jpg


 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年2月5日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

 今週木曜日の夜、鐘の音が村中に響き渡ります。

 

 こうしてロープを引っ張って鐘を鳴らします。村の住人全員参加で鳴らします。

 

 「夜の10時か10時半まで僕たち子供が順番に鳴らします」

 

 「毎年、こうして鐘を鳴らすんです。村の伝統です」

 

 いつ頃から始まった伝統なのか定かではありませんが、村人達は昔からこの伝統を守ってきました。

 

 子供達の番が終わったら大人が後を引き継ぎます。

 

 聖アガタは様々な人たちの守護聖人になっていますが、その中に鐘作り職人というのがあります。

 

 聖アガタはキリスト教徒だったが故にローマ人から拷問を受けて両方の乳房を切り落とされたそうです。

 

 そう言われると、乳房の形が鐘の形に似てますね。だから鐘作り職人の守護聖人になったのでしょうか?

 

 それはさて置き、サレル=カバルデス村では、聖アガタの日に一晩中途切れることなく鐘を慣らさないと災いが起きると伝えられてきました。

 

 「鐘を鳴らさないとヒョウが降ってきてブドウ畑がダメになると言われてるんだ」と村人。

 

 そのため、こうして村人が交代で鐘を鳴らすというわけです。

 

 自分の番が回ってくるまでの間、こうしてワインを飲んだりトランプをしたりして時間をつぶします。

 

 見ていると時間つぶしというより、お祭りを楽しんでる雰囲気ですね。

 

 子供から大人まで4世代が一堂に会することになります。

 

 暖炉ではお肉が焼かれてます。

 

 「夜中に始まりますからね。ハムやソーセージを食べたり、こうして肉を焼いて食べるんですよ」と男性。

 

 鐘が鳴る教会の近くでは、剪定を終えたブドウの木が、春が来るのを静かに待っていました。

 

 


 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、12月31日の夜中、新年を祝う人々の叫び声で目が覚めた時、さすがに孤独を感じた」

 

VDM (Vie de merde)より



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市場で食べよう! [ラングドック=ルシヨン地方]

 このところフランスの公共放送France 2の番組を紹介していますが、スムーズに映像が見られて快適です。

 

 それに楽に巻き戻したり先送りしたりできます。

 

 一方、民放のTF1はどうもパソコン(iMac)との相性が悪いせいか細切れになったり、ちょっと操作するとShockwaveがクラッシュして最初からまたビデオを見る羽目に陥ります。どうもやりにくい。

 

 Windowsの場合はうまく再生できるようなので、ほとんどの皆さんは普通に見られると思うのですが、いかがでしょうか?

 

 さて、本日はそのTF1の番組の中の一つを紹介します。

 

 フランス南部、地中海に面した町ナルボンヌ(Narbonne)。

 

 市場に飲食店を開業し、大成功を収めた元ラグビーマンがいます。

Paris_Narbonne.jpg


 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年11月24日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 

 この拡声器を手に頑張っている方がそのご当人。

 

 何やらあちこちから放り投げられてくる物体を器用にキャッチ。さすが元ラグビーマンだけあります。

 

 ここは町の大きな市場。料理に必要な食材なら全部揃っています。

 

 肉料理の注文があれば、向かいのお肉屋さんに頼んで必要な分のお肉を即配達してもらえます。

 

 配達と言っても放り投げるだけ。お客さんの頭の上をビュ〜っと飛んできます。

 

 時間はかかりません。しかも新鮮。

 

 元ラグビーマンのジルさん、2003年に妹さんと共同でここにお店Chez Bebelleを開店しました。

 

 ぼちぼち営業を続けていたのが、この一年ですっかり人気のお店に変身してしまいました。

 

 というのも、午後12時〜15時のランチタイムに、市場で売られている地元の新鮮な食材を使った料理を出すことにしたのが大当たり。ランチタイムは常に満席状態です。

 

 「経済が活性化しました。ここで食事をしたお客さんが家で食べるために市場のお店で買い物をするようになったんです」とジルさん。

 

 「ここでランチを食べに来ました。美味しいですし待たないでさっと食べられます」と若い女性。

 

 「高くないですし、おしゃべりしながら食べられるからいいですよ」と年配の女性。

 

 これに影響を受けて、市場には他にも同じように地元の新鮮な食材を使った料理を提供する飲食店が3つほどあるとか。

 

 おかげで、この数年寂れていた市場が息を吹き返したそうです。

 

 この魚介類のお店では、買った牡蠣をその場で食べられるようにテーブルを用意したところ、この賑わいとなりました。

 

 忙しくなってしまったけど、これをやって良かったとお店の方も満足げです。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、隣が工事中。でも特に困るほどうるさくはなかった。うるさかったのは別のお隣さん。拡声器でこう叫んでいた。『その工事、すぐには終わらんぞ!うるさくてかなわん!』」

 

VDM (Vie de merde)より




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さくらんぼの収穫 [ラングドック=ルシヨン地方]

 ある中国企業が創業20周年のお祝いに、6400人(5,400人が中国人、1,000人が他の国籍)の従業員を連れてフランスに社員旅行にでかけた話はすごいですね。

 

 しかも分散ではなく皆一緒に一度に行ったという話ですから驚きです。

 

 パリをあちこち観光した後はTGVでニースに向かったそうです。

 

 このためフランス国鉄はTGVを2便増やしたとか。しかも、パリのリヨン駅では特別に12人の駅員を対応に当たらせたそうです。

 

 これによる経済効果は1300万ユーロ(約17.5億円!)ほどとみられています。

 

 未だ先行きの見えないフランス経済にとっては、ありがたいお話、というわけで、外務・観光大臣のファビウス氏がこの企業の社長さんと面談したそうです。

 

 そのときの映像が→こちら

 

 想像していたよりお若い方でした。こんな社員旅行を実施する方ですからとんでもない財力の持ち主のようです。

 

 さて、桜の花が散って、今度は実りの時を迎えています。

 

 今年は少し遅れ間気味ですが、赤いさくらんぼの収穫が始まりました。

 Paris_Ceret.jpg

 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年4月12日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック


 スペインとの国境に近いピレネー=オリアンタル県のセレ(Céret)は、さくらんぼの生産で知られています。

 

 緑の葉っぱをかき分けると赤い実が顔を出します。

 

 「花はよく咲いてくれたのですが、雨が多かったせいで思ったほど実はなりませんでした」とさくらんぼ農家のミッシェルさん。

 

 今年は例年の4分の1の収穫しか見込めませんが、味はいいそうです。

 

 カリッとかじると甘いジュースが喉を潤してくれるとか。

 

 熟し加減を見ながら、こうして手で収穫していきます。

 

 「果樹園を守っているのは大半が高齢の方々なんです。大切なセレの産業なんですよ」と協同組合の方。

 

 収穫されたさくらんぼは、1キロ15ユーロほどでお店に並ぶそうです。

 

 「セレのさくらんぼはとっても美味しいですよ」と女性客。

 

 なんだか食べたくなってきますね。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、9歳になる息子が、学校に好きな子がいると白状した。『その子は美人なの?どこが気に入ったの?』と面白がって私が聞くと息子が言った。『ブスだけど、お金持ちなんだ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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カニグー山をめぐる旅 その5 [ラングドック=ルシヨン地方]

 シリーズの最後は、カニグー山から真北へ15キロほど行ったところにある村エウス(Eus)(下記地図の紫印)を訪ねます。

Paris_Canigou.jpg


より大きな地図で カニグー山をめぐる を表示

 下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年8月29日に放送)


 人口400人ほどのエウスは、「フランスで最も美しい村」の一つです。


 ジャンさん83歳は村の生き字引。村についてなら隅から隅まで知り尽くしています。


 この家の壁は夜でも明るいように白っぽい石でつくられているそうです。


 そして、昔は文字を読める人が少なかったため、玄関の表札や看板には文字を刻印するのではなく、それと分かるような石をはめ込んだそうです。


 それにしてもこの変化に富んだ村の路地。散歩するのが楽しくなりそうです。


 こちらの家の窓には真ん中に装飾のほどこされた鉄の棒が立っています。これは窓から出入りできないようにするためのものだったそうです。


 さて、村には28人もの工芸家が暮らしています。これだけの数のアーティストが集まっているということは、この村はそれだけ住み心地がいいということなのでしょうか?


 アーティストの一人ティエリーさんは、ここで時計を作っています。


 これは時間を見るというより、部屋の中のインテリア用オブジェのような時計ですね。


 「カタルーニャ地方でアトリエにできる場所はないかあちこち探しました。そしてここに落ち着いたんです」とティエリーさん。


 村のレストランのテラスからは正面にカニグー山をのぞむことができます。


 エウスは観光産業に力を入れていますが、もともとは農業のさかんな地域。


 特にこの時期は、桃の収穫が始まっていました。


 村はフランスでも一番太陽の日差しが多いところ。これが果物の生育に適しているのだとか。


 「この時期、夜は10℃くらい、昼間は30℃にもなります。この気温差が、桃の色合いや味に良い影響を及ぼします」と男性。


 お話を聞いていると、同じ南部でもプロバンス訛とはまた違った訛がありますね。


 この果樹園から少し離れた所に苗木センターがあります。ここでは1000種類もの柑橘系の苗木が育てられています。


 すべてがここの気候に適した苗木とは限りません。


 「育つかどうか実験をしているのと同じです。それによって、ここには生育していなかったものが育つことが分かったりするのです」と係の男性。


 その奥さまが見せてくれたのがちょっと変わった果物。キャビアのように見えます。


 「レモンのようなグレープフルーツのような味わいがあります」


 山間の小さな村エウスは毎年26,000人の観光客が訪れるそうです。




******** フランス人のつぶやき *******


「今日、急いでいたので飲み残しのコーヒーを流しに捨てないで窓から捨てようとした。反省・・・窓を開けてからやるべきだった」

 

VDM (Vie de merde)より



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