冬の郷土料理 その4 [フランスの郷土料理]
シリーズの四回目は、フランス西部のブルターニュ地方へと向かいましょう。
西の端にあるフィニステール県の名物料理がキッグ・ア・ファール(Kig ha farz)。
ブルターニュ語で“肉とそば粉”という意味の料理です。
今日はこの料理を星付きレストランのシェフが作ってくれます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月13日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
VIDEO. Le Kig ha farz, un plat d'hiver aux saveurs d'autrefois
フィニステール北部の海岸。岩がゴロゴロしています。
この地方の料理キッグ・ア・ファールに欠かせない食材がキャベツ。
マルクさん一家は何世代も前からここでキャベツを作ってきました。
しわしわのキャベツは有機栽培です。
「この辺りでちょっとした広さの畑があればキャベツが栽培されています。キャベツがなければキッグ・ア・ファールもありませんからね」とマルクさん。
そして、もう一つ欠かせないのがそば粉。
マリー・ロールさんは数年前からブルターニュでは消えかけていた種類のそばを栽培し、こうして製粉しています。
「これがブルターニュ地方のそばです。ちょっと黒みが強いでしょう」とマリー・ロールさん。
そばの実は7段階の工程を経て、このような粉になります。
「キッグ・ア・ファールは皆に食べられています。なぜなら子供の頃に食べたことがあるからなんです。つまり、皆、おばあちゃんが作ってくれたキッグ・ア・ファールの味を求めて食べるんです」
次はいよいよ星付きレストランの厨房でシェフがキッグ・ア・ファールを作ってくれます。
シェフが市場で材料を手に入れてきました。キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、エシャロット、そして冬の野菜+ルタバガ、さらにバターとそば粉等々。
お肉は、牛肉、豚バラ、スネ肉。
まずは卵を溶いてそば粉を入れたら、生クリームを加えながら混ぜていきます。さらに牛乳も加えます。
「昔から続いてきた料理を作り続けるのは楽しいことです。この料理は家族全員で仲良く食べる料理でもありますからね」とシェフ。
こうしてできた生地を布袋に入れ紐で閉じたら、水を張った大鍋に入れ、野菜などの他の食材と一緒に3時間煮込みます。
その間、レスヌヴァン(Lesneven)にある郷土史料館を訪ねてみましょう。
「キッグ・ア・ファールは貧しい人たちにとって日曜日のご馳走でした」と史料館の方。
レストランの厨房に戻ると、キッグ・ア・ファールが出来上がっていました。
鍋から全部の具を取り出します。袋の中で茹で上がったそば粉は手でつぶしてポロポロにします。
これをお皿に盛りつければ、あとは食べるだけです。
「この料理には豊かな歴史が詰まっていますが、カロリーも豊かなんです。何しろ、労働者が一日を一食で済ませるために生まれた料理ですからね」とシェフ。
星付きのレストランとなると盛り付けもどことなく美しいですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、隣人がやってきて、日曜日に工事をするのは禁止だから、壁に穴をあける作業はやめてくれと言われてしまった。僕はスープを作るために野菜をミキサーにかけていただけだったのに」
VDM (Vie de merde)より
冬の郷土料理 その3 [フランスの郷土料理]
どうやらわが家にもやっとマイナンバーが届くようです。
永遠に届かないんじゃないかと思っていたら、ピンクの不在連絡票というのが郵便受けに入っておりました。
嬉しいような嬉しくないような複雑な心境です。
それはさて置き、シリーズの三回目は、ドイツに近いアルザス地方の郷土料理シュークルート(choucroute)を紹介します。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月12日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)
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VIDEO. La choucroute, un plat à partager
今回もまた大きなお鍋が登場しました。
ふたを開けると・・・中に入っているのがシュークルート。
こうして大勢で取り分けながらいただきます。
料理のメインになるのが、キャベツ。塩漬けにして発酵させたキャベツです。
ドイツではザワークラウトと言いますが、フランスではシュークルートと言います。
このシュクルート用のキャベツの60%を生産しているのが、アルザス地方の都市ストラスブールから15キロほどのところにある村クラウターゲルサイム(Krautergersheim)です。
村の名前を和訳すると“キャベツの村”。
村一面に広がるキャベツ畑。さすが村の名前にもなるほどです。
収穫されたキャベツは工場に運ばれます。マシーンで芯を取り除かれ千切りにされます。
千切りにされたキャベツには塩漬けにされ、このプールのようなタンクで発酵されます。発酵には3週間ほどかかります。
こうして出来上がったシュクルートを使っていよいよ料理が始まります。
まずは酸味を取り除くためにお湯をかけてシュークルートを洗い流します。
そして、使うのは土鍋。アルザス地方の北部で作られる土鍋だそうです。
「アルザス地方ではシュクルートはこの土鍋で作るのが伝統です」とシルヴィーさん。
土鍋の内側にラードを塗りつけたら、炒めた玉ねぎを入れ、その上にシュークルートをのせます。
「これが祖母から教わった作り方です」とマルクさん。
シュークルートの上には、ソーセージ、ベーコン、豚足、ハム等々、そして別に作っておいたクネル(肉団子)をのせ、白ワインを加えたらオーブンに入れます。
火にかけて煮るのかと思ったらオーブンに入れるのでした。
3時間ほど入れておくそうですから、それほど高温ではなさそうです。
最後に茹でたジャガイモを加えたら出来上がり。
皆さん美味しそうに召し上がっています。
「あまり火を通し過ぎてもよくありませんし、かといって火が通っていないと美味しくありません」と男性。
「シュクルートは秋か冬に食べます。夏に食べるにはちょっと暑すぎますし、重過ぎますからね」
軽めのシュクルートが好みの方には、ハムやソーセージではなく魚や鶏を使ったものもあります。
しかし、アルザス伝統のハムやソーセージを使ったシュクルートの方が好まれるようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、5歳になる息子を迎えに幼稚園に行ったら、うちの子が同じクラスの女の子を泣せたと文句を言われてしまった。うちの子、その子に、バラじゃなくてキャベツの匂いがするからキャベツから生まれたに違いないと言ったそうだ」
VDM (Vie de merde)より
冬の郷土料理 その2 [フランスの郷土料理]
昨日は寒かったですね。ほとんどの方がコートを羽織ってらっしゃいました。
11月も終わりですから寒いのも当たり前か・・・。
これからどんどん気温が下がって本格的な冬を迎えることになりますが、そんな時に食べたくなるのがあったかいスープ。
シリーズの二回目はフランス南西部ベアルン地方のスープ、ガルビュール(garbure)を紹介します。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月11日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)
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VIDEO. Gastronomie : la garbure des Gascons
ベアルン地方にはこんな風景が広がっています。
この辺りは、羊のチーズや豚肉を使ったバイヨンヌハムの産地として知られています。
そしてガルビュールは、もとはピレネー山脈の麓で農業を営む農家のお料理でした。
これがガルビュール。食卓のど真ん中にど〜んと置かれた大きなお鍋にたっぶりと作ってあります。
野菜をベースにバイヨンヌハムを入れた冬のスープです。
なんだか日本のお鍋と食卓の雰囲気が似てますね。
「このスープは万能スープなの。なんでも入ってますからね」と一家のお母さん。
「ガルビュールは大きなお鍋で作るんです。そして、何日もかけて食べるんです。急なお客様に出したりしてね。そして、人が集まった時なんかによく作りますよ」と女性。
ガルビュール作りにはコンテストもあります。
この方が2014年度の世界チャンピオン。
チャンピオンの作るガルビュールを教えてもらいましょう。
材料は、白いんげん豆、人参、ジャガイモ、ネギ、キャベツなどの野菜。
「野菜は食べる時にスプーンからはみ出さないくらいの大きさに切ります」とチャンピオン。
味の決め手は、フライパンで炒める玉ねぎです。鴨の脂で炒めます。
これと、野菜を鍋に入れ、清らかな山の水でグツグツ煮込みます。
ちょうど出来上がった頃に現れたのが、コンフレリーの皆様方。
やっぱりガルビュールにもコンフレリー(愛好協会のような団体)がありましたか。
「一つ一つの味というより、全てが一つにまとまって渾然一体となった味がします」と会長さん。
ガルビュールは木の上にこもって鳩狩りをする人たちのランチにもなります。
すごい、木の上の小屋にはガスレンジが備え付けられています。
「ママの作ったガルビュールはいつも美味しいよ」と男性。
ちょっと寒そうな狩り小屋がスープの湯気であったかくなりました。
鳩の狩りはこの地方独特の狩りです。興味のある方は以前の記事をご覧ください→こちら。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、弟と一緒にお菓子を作ることにした。弟がレシピを読むと、スープ用の大さじを6つも出してきた。『なんでこんなにたくさんスプーンがあるの?』と私。『だってレシピに、大さじ6杯と書いてある』と弟」
VDM (Vie de merde)より
冬の郷土料理 その1 [フランスの郷土料理]
朝ドラを見ていて、実際、断髪ってどんなもんだろうとあれこれ考えてしまいました。
今までちょんまげだった人が突然断髪するわけにはいかないですよね。何しろ部分的に毛を剃ってますから、その状況で断髪したらかなり笑えるヘアスタイルになってしまいます。
毛がある程度生えてきてからやっと断髪という運びになりそうな・・・。
などと考えていたら、当時は毛を剃らないでちょんまげを結っていた人が大半だったそうです。
それだったら、その気になればすぐにでも断髪できそうですね。納得です。
それはさて置き、本日の話題です。
今日から5回のシリーズでフランスの冬の郷土料理を紹介します。
第一回目の今日は、フランス中央山岳地帯の郷土料理マオーチ(Maôche)です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月10日に放送)(映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック!)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
VIDEO. Plats d'hiver : la maôche ardéchoise (1/5)
ここはアルデッシュ県の小さな村ル・ベアージュ(Le Béage)にある小さなレストラン。
ニコラさんとセリーヌさんの夫婦が切り盛りしているレストランです。
皆さんが召し上がっているのがマオーチというお料理。このレストランのスペシャリテです。
冬の間、高地にある草原をこの地方独特の風が吹き抜けていきます。
「これからマオーチの材料になるキャベツを仕入れに向かいます。あの山の麓で作られているんです」とニコラさん。
立派なキャベツが実っていました。
「ここのは、マイルドな味の消化のいいキャベツです。それがマオーチに向いてるんです」
レストランはニコラさんのお祖母さんの代から始まりました。
マオーチを作ってくれるのはニコラさんの奥様のセリーヌさんです。
「まずはキャベツを刻みます。あまり細かいとピュレ状になってしまいますし、大きいと口当たりが良くありません」
次に刻んだ玉ねぎとジャガイモとソセージミートを加え、全体を混ぜ合わせます。
こうしてできた具を豚の胃袋に詰めます。
最後は糸で入り口を閉じて、大鍋で4時間ほど茹でます。
厨房でセリーヌさんがマオーチを作っている間、お客様がたは食前酒を飲みながら仲良くおしゃべり。マオーチ談義に花が咲いていました。
さて、茹で上がったマオーチはオーブンに入れて周りを軽く焼き上げます。
これをスライスして食べます。皆で分け合って食べるのがマオーチです。
確かにあの大きな塊を一人で全部は食べられませんね。
「麓に住んでる人達が、マオーチを食べるために週末になるとここへやってくるんです」とニコラさん。
お腹いっぱいになるとご機嫌になって思わず歌が飛び出します。
そして、たらふく食べたらエスプレッソで締め。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、今年初めての冬の寒波がやってきたにもかかわらず、僕のバイクが一度でエンジンがかかってしまった。とは言っても、僕が乗っていたのではない。目と鼻の先で盗まれてしまったのだ」
VDM (Vie de merde)より
テラスで頂く夏のご馳走 その5 [フランスの郷土料理]
外のテラスに座って食べる夏の料理シリーズもいよいよ最後になりました。
最後は、ブルターニュ地方の小さな港町サント=マリーヌ(Sainte-Marine)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年6月26日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ブルターニュ地方の都市カンペール(Quimper)から20キロほどのところにある長閑な港町。
小さな入江が見渡せるテラス席では家族連れでお食事中。
何を召し上がっているかと言えば、クレープです。
ここは、ブリジットさんとクロードさんが経営するクレープのお店。
スペシャリテは、ビグダン地方のクレープ。
帆立貝とキノコのクリームソースのそば粉のクレープです。
ちなみに、ビグダン地方とはこのあたり一帯の地域を言うそうです。
まずは鍋で帆立貝を炒めます。両面を焼き色がつくくらいに炒めたら鍋から取り出します。
次に刻んだエシャロットを鍋に入れさっと火を通したら白ワインを投入。
そこに、小麦粉と生クリーム、さらにキノコを加えたらソースの出来上がり。
ここに、先ほど火を通した帆立貝を入れ混ぜ合わせます。
「これはビグダン地方の郷土料理です。ということは、お母さんから子供に、そのまた子供にと受け継がれてきた料理なんです。ですから、うちにも代々伝えられた美味しく作るコツみたいなものがあります」とクロードさん。
そば粉のクレープを焼いているのはマチューさん。
そば粉のクレープを焼くのは難しいと聞いていましたが、さすが手慣れた手つきで美味しそうに焼いています。
先ほどの具を中に挟んで出来上がりです。
港の全景が見渡せるテラスでお客様方がお待ちかね。
「新鮮な帆立がとても美味しいので皆に勧めたんですよ」と赤いTシャツのお父さん。
そして、クレープのお供と言えば、シードル。
特に夏は冷たく冷やしたのを陶器のボールでキュッと飲みたくなります。
美味しそうですねえ〜。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、朝の6時に子供たちがやってきて、私を起こそうとベッドの上を飛び跳ねた。なにしろ、クレープが食べたくて仕方がないらしい。でもねえ、子供といっても、一人が15歳で、もう一人が19歳・・・」
VDM (Vie de merde)より
テラスで頂く夏のご馳走 その4 [フランスの郷土料理]
今日から7月。
日本の梅雨は半ばにさしかかったばかり。明けるまでにはまだ少し時間がかかりそうです。
一方、フランスは猛暑に見舞われている模様。
各地で30度を軽く超えるほどの暑さだそうです。
そんな暑い夏に、木陰のある、風通しのいいテラスで食べるお食事。
シリーズの四回目は、フランス・アルプスに近い、サヴォワ地方の湖を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年6月25日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
朝日が昇ったばかりのブルジェ湖(lac du Bourget)。
ボートをこぎ出したのはジャン=フランソワさん。
この湖固有の魚、ホワイトフィッシュ(フランス語ではラヴァレ(lavaret))を釣るためにやってきました。
「ホワイトフィッシュは冷たい水が好きなんです。ですから、湖の端ではなく真ん中あたりの、深過ぎない、ちょうど中ほどのところにいるんです」とジャン=フランソワさん。
昨日の夕方仕掛けておいた網を引き上げると・・・ホワイトフィッシュがかかっていました。
その名の通り白いですね。
本日はこの魚を使った料理をシェフが作ってくれます。
新鮮な魚は新鮮なうちに料理して、おいしくいただきます。
まずは、魚を三枚におろします。デリケートな魚で、丁寧に包丁を入れないときれいなフィレにはならないそうです。
フライパンにバターを溶かしたら、まずは皮を下にして焼きます。
皮の面が焼けたらひっくり返し弱火にし、長めに火を通します。
こうして出来上がったホワイトフィッシュのフィレは特製のソースでいただきます。
付け合わせは、じゃがいものリゾット。
「湖畔のテラスで食べられるなんて理想的ですよ」と男性客。
「ランチは、こうしてレストランのテラスで食べるんです。夏は気持ちがいいですよ」と女性客。
美しい湖を眺めながら、そこで獲れた新鮮な魚をいただく。確かに理想的ですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日は、ママの誕生日。お祝いにお寿司を食べようと、弟にお使いを頼むと、『まかしとけ!』と言って張り切って出かけていった。買ってきたのは、新鮮な魚に海苔。そしてお米は、絶対にくっつかないという保証付きのパラパラのお米」
VDM (Vie de merde)より
テラスで頂く夏のご馳走 その3 [フランスの郷土料理]
夏の太陽の降り注ぐ屋外のテラスで食べるご馳走。
シリーズの第三回目は、プロヴァンス地方を訪ねます。
プロヴァンス料理に欠かせないのが、アイオリ・ソースです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年6月24日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
南仏独特の入り組んだ海岸にはカランクと呼ばれる小さな入江があります。
そこを歩いている方がクリストフさん。
定期的にお客様を招いて料理の腕をふるっています。
本日も厨房で作業の真っ最中。
クリストフさんにとってアイオリ・ソースはなくてはならないソースだそうです。
そのソースでおいしく頂くためのご馳走といえば、野菜とお魚。
野菜は、じゃがいも、カリフラワー、ニンジン、いんげん等々。
そして、ニンニクはソースを作るのに使います。
「いいですか、アイオリ・ソースはニンニク入りのマヨネーズとはまった別ものですよ」とクリストフさん。
まず、野菜はブイヨンで茹でておきます。
野菜に添えるのが塩漬けのタラの干物。一晩、水につけて塩抜きしてから茹でます。
最後にアイオリ・ソースを作ります。
ニンニクの皮をむいて、乳鉢でつぶします。
ここに卵黄、塩、コショウを加え、オリーブ油を少しずつたらしながら混ぜ合わせます。
根気のいる作業です。
準備ができたところで、お客様の到着です。
プロヴァンスの光いっぱいの庭に用意されたテーブルに案内します。
並べられたお料理にはムール貝もあります。
「これはプロヴァンス地方の郷土料理です。仲間や親戚が集まってわいわいおしゃべりしながら食べる料理なんです」とクリストフさん。
「あるべきものが全部この一皿にのっています。野菜は歯ごたえがあってとても美味しいですよ」
まさに屋外でリラックスして食べられるお料理でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、親知らず抜いたばかり。優しい夫がスープを作ってくれるという。そして出てきたのは、生の野菜をミキサーにかけただけのスープ」
VDM (Vie de merde)より
テラスで頂く夏のご馳走 その2 [フランスの郷土料理]
ギリシャの債務問題、合意どころか決裂してしまいそうになってきました。
思わず、国民投票なんかしてる場合じゃないだろう!と言いたくなってきます。
余計なお世話かもしれませんが、EUの提案をさっさと受け入れて融資してもらったほうがいいです。
それはさておき、本日は、夏の料理シリーズの二回目です。
フランス中西部トゥーレーヌ地方の郷土料理を紹介しましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年6月23日に放送)
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トゥーレーヌ地方の小さな村クリセ=シュル=マンス(Crissay-sur-Manse)は「フランスで最も美しい村」の一つ。
15世紀から16世紀に建てられた家々が中世の趣を残しています。
そんな村にあるオーベルジュのシェフが夏に良く出す料理が「グルメのサラダ」。
トゥーレーヌ地方の特産品が集められた一皿です。
「まずは山羊のチーズでサント=モール・ドゥ・トゥーレーヌ(Sainte-Maure de Touraine)。次に、リヨン(Rillons)。この地方の郷土料理です。そしてこれがリエット・ドゥ・トゥール(Rillettes de Tours)です」
リヨンは、豚ばら肉をさっと炒めたのち、コンフィしたもの(コンフィとは低温の溶かした脂肪で煮ること)。
リエット・ドゥ・トゥールは豚肉を細かく刻み、溶かした低温の脂肪で煮てドロドロに混ぜ固めたもの。
これらを見栄え良くお皿にのせていきます。
最後にサイコロ状に切ったパン・デピスを盛りつけたらできあがり。
「新鮮で、食べたいものが全部つまってます」とテラス席でお食事中のお客様。
目の前には、車の往来もほとんどなさそうな静かな田舎の風景が広がります。
「古い石造りの家々の並ぶ小さな村はほっとしますね」と別のお客様。
シンプルな料理ですが、この地方のグルメを堪能するには最適なようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、テラス席にすわってアイスティーを注文したのに、なまあったかい紅茶が出てきた。お店の人を呼ぶと、確かめるかのように人差し指を紅茶の中に入れるといった。『確かに冷えてないわ。ちょっと待ってて、今すぐ氷を持ってくるから』」
VDM (Vie de merde)より
テラスで頂く夏のご馳走 その1 [フランスの郷土料理]
今日から5回のシリーズでフランス各地の夏の料理を紹介します。
第一回目の今日は、バスク地方の料理シピロン・ア・ラ・プランシャ(chipirons à la plancha)(イカの鉄板焼き)です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年6月22日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
バスク地方の大きな茶色のチーズ。羊の乳から作ったアルディ=ガスナ(Ardi-Gasna)です。
付け合わせのリゾットに使います。
メインは小ぶりのイカ。
まずはチョリソをスライス。次に赤ピーマンを刻みます。
イカは水でよく洗い、外側の薄皮を取り除きます。
熱く熱した鉄板に、イカ、刻んだ赤ピーマン、チョリソを一度にのせ、さっと火を通します。
「数分で火が通ります」とシェフ。
最後に特製のソースをさっとかけたら出来上がり。
ソースは、オリーブ油に刻んだパセリとニンニクを入れたペルシヤード(Persillade)と呼ばれるソース。
海の幸に合いそうなソースは誰にでもつくれそうです。
次に付け合わせのリゾットを用意します。
お米に火が通ったところで、さきほどの羊のチーズと生クリームを加え、仕上げます。
お皿に盛りつけたら、最後にエスプレットのパウダーをひと振り。
エスプレットは、AOC付きの唐辛子。バスク地方の特産品です。
唐辛子と言っても、辛さより香りが優っているのがその特徴です。
こうして出来上がったイカの鉄板焼きは、海の幸と肉が見事に融合した一皿となりました。
バスク地方に昔から伝わるこの料理、人気の一品だそうです。
「とてもよくできた料理です。チョリソが出過ぎず、イカの味がしっかり楽しめます」
「とっても美味しいですよ」
テラスで海を眺めながらいただけばさらに美味しいことでしょう!
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、急いでいたので、パスタを作って食べることにした。塩とオリーブ油を用意し、パスタが茹で上がったら火が止まるようにセット。鍋を火からおろし、水切りボウルにパスタを移そうした瞬間、気がついた。鍋にパスタを入れるのを忘れた!」
VDM (Vie de merde)より
味覚週間2014 その5 [フランスの郷土料理]
シリーズの最後は、ブルゴーニュ地方の郷土料理ブーフ・ブルギーニョン(boeuf bourguignon)。
日本ではビーフシチューと同じ、と言われるようですが、それよりずっとコクのあるお肉料理です。
本日は一般家庭の主婦が作ってくれます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年10月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ブルゴーニュと言えばワイン。ワインと言えばぶどう畑。
収穫の終わったぶどう畑のぶどうの葉は緑から茶や赤に変わっていました。すっかり秋の色です。
「地元のワイン、地元の牛肉、地元の食材を使った、本物のブルゴーニュの料理なんです」と主婦のアンヌ=マリーさん。
まずは八百屋さんへ向かいます。ニンジン、玉ねぎ、マッシュルーム等々を仕入れます。
次はお肉屋さんへ。
「ブルゴーニュの牛肉を2キロほどください」
お肉屋さんが用意してくれたのはシャロレー種の牛肉。脂肪の少ない赤身のお肉です。
食材が揃ったらキッチンで調理開始。
まずは、豚バラ肉を刻み、鍋で炒めます。そこに牛肉を加え周りに焦げ目がつくくらいに火を通します。
ここに、ニンニク、刻んだ玉ねぎ、小麦粉を入れたらワインを注ぎます。
「お肉をたくさん使いますから、ワインは2本くらい必要になります」
ワインが2本となると、かなり濃厚なソースができそうです。
最後に、ニンジンとブーケガルニを入れてコトコト煮込みます。3〜4時間に煮込むそうです。
「普通の家庭の母親やお祖母さんから伝えられてきたお料理なんです」
ブーフ・ブルギーニョンが完成に近づいてきた頃、お客様が集まり始めました。
アンヌ=マリーさん、最後の仕上げに何かをお鍋に入れました。
何かと言えば・・・チョコレート!
「これを入れるととっても美味しく仕上がります」
ブーフ・ブルギーニョンにチョコを入れるのは初めて見ました。アンヌ=マリーさんの隠し味でしょうか?
にぎやかに歌で始まった食卓も、食べ始めたら静まり返ってしまいました。
おしゃべりも忘れてひたすら食べるだけ。美味しいものを食べるとこうなります。
そして、遠慮なくお代わりする方もいました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、レストランで給仕係をしています。日本人のお客が来たので、身振り手振りでメニューを教えてあげました。きっといい思い出になってると思いますよ。何しろニワトリの真似までしたんですから」
VDM (Vie de merde)より