どちらのもの??? [ノルマンディー地方]
日本人を取り戻そう [ノルマンディー地方]
昨日、知り合いがドイツのクリスマスマーケットを見物するため、羽田発の飛行機で飛んで行ってしまいました。
今の時期ならまだ混雑してないでしょうからいいかもしれませんね。
ドイツに近いフランスの都市ストラスブールでもクリスマスの市が始まっています。
なんとこの時期、ストラスブールのホテル代はパリより高いとか。シーズンの真っ最中となれば致し方なしです。
さて、フランス西部のノルマンディ地方にある都市ルーアン(Rouen)。
モネの描いた大聖堂や、ジャンヌ・ダルクが処刑された町として世界的に知られ、フランスの重要な観光地の一つになっています。
しかし、相次ぐテロ事件で海外からの観光客数は激減。
これではいかん!と立ち上がったのが市の観光関連の皆様方。
特に日本人観光客をなんとか以前の数字にまで戻したいと、こんな活動を行っていました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年12月6日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
観光客が減少する中、熟年のビジネスマンの姿が目に付きます。しかも日本人。
この方々は会社の社長さんたちです。パリで開催された企業家向けセミナーに参加し、少し足を伸ばしてルーアンに観光にやってきました。
スケジュールの中に必ず含まれているのがルーアン美術館です。
「早く前のような状態に戻ることを願っています。パリでテロ事件があったので、日本人はまたテロ事件に巻き込まれるんじゃないかと心配しているんです。安全だということが分かれば、また来てくれるようになると思いますよ」と旅行会社の全国組織の会長さん。
美術館を見学した社長さんたち、今度は市の観光課が用意した昼食をいただくことになりました。
ナレーションによると、テロ後は日本人観光客が60%も減少してしまったそうです。60%とはすごい数字ですね。
なんとかこの現象に歯止めをかけ、できるだけ早く日本人に戻って来て欲しいと、市の観光課が昼食会を準備したのでした。
「もう一度、日本人の観光市場を取り戻すための活動の一環なんです。何しろ日本人には来て欲しいですからね。また来年の3月には観光の国際見本市がルーアンで開催されます。その準備のためでもあります」と観光課の責任者。
「ここにいらっしゃる方々とはよく一緒に仕事をします。皆さん仕事でやってきて空き時間にこうして観光を楽しんでらっしゃいます。その方々には、ご自身のクライアントにルーアンをご紹介いただき、ルーアンに来てもらう、そうやって来ていただいた方々は仕事ではなく観光を楽しむために来てくださる、つまり純粋に観光客なんです。この観光客が徐々に増えていけばいいかなと思っています」と、日仏関連の組織の局長さん。
なるほど、そういうわけですね。
ルーアンには一度だけ行ったことがありますが、古い建物の残る、中世の趣を残した落ち着いた街でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、日本を旅行中。ちょっと田舎の奥まったところまで出かけようと車を借りた。1時間近くかけて道順をあれこれ教えてもらい、いざ出発。高速道路に入ったところで気がついた。日本の車は左側通行だということを」
VDM (Vie de merde)より
ノルマンディーの夏 [ノルマンディー地方]
関東も梅雨明け間近?
今年の梅雨は雨が降ったような降らなかったような微妙な印象です。
少なくとも昔のように毎日しとしと降るという感じではなかった。
気になるのは水がめの状態。
国土交通省関東地方整備局のサイトにアクセスすると、関東の水がめと言われている「利根川上流8ダム」の貯水状況というのがわかります。興味のある方は→こちら。
54%と数日前より少し増えているような・・・。ただし、平年なら88%あるところが54%ですからまだまだ足りないですね。
もちょっと雨に降ってもらいたいところです。
さて、フランスは夏のバカンスの真っ只中。
海に行く人、山に行く人、南へ行く人、北へ行く人と様々ですが、今回は、ディエップからル・アーヴルまでの海岸線にある小さな保養地の一つヴール=レ=ローズ(Veules-les-Roses)を訪ねてみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年7月17日に放送)
人口が600人にも満たない海岸沿いの小さな村。
この村のお宝はこの清き水の流れるヴール川(la Veules)。
フランスで最も小さな川で、全長は1,149メートル。
そしてこのほっとするような風景。水辺の花が美しいですね。それに水車もあります。
多くの人たちが海水浴を楽しむためにこの村へやってきますが、海岸に出るためにはこの “シャンゼリゼ通り” を通っていかなくてはなりません。
「パリのシャンゼリゼ通りとは随分と異なりますが(笑)、共通点もありますよ。パリの方は美しいショーウィンドウや看板が並んでいます。ここには美しい自然の風景があります」と男性。
ノルマンディ地方独特の断崖絶壁のある海岸にはわりに大きなビーチがあり、海水浴を楽しむ人たちで賑わっています。
「私はルーアンから1時間かけてきました。仕事のことは忘れて家族と1日楽しく過ごせそうです」と若いお父さん。
「家族と一緒に過ごせる大切なお休みの日です。ノルマンディは日差しが少ないのですが、今日はこんなに晴れて絶好の海水浴日和です。ほら、あの断崖絶壁が凄いでしょ。向こうの方まで続いてますよ」と男性。
そして、この村で養殖されている牡蠣も味わえます。
芸術家だけでなく俳優、作家、政治家など多くの有名人がこの村を訪れましたが、その中にヴィクトル・ユーゴーもいたそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、海で泳いでいると、母親が息子に言っている声が聞こえた。『あのブイのところまで泳いで帰っておいで!』すると息子が僕の方に泳いできて、お腹に触ったかと思うと母親に向かって言った。『ママ、やったよ!』」
VDM (Vie de merde)より
毛糸で名作を再現 [ノルマンディー地方]
ニースのテロ事件から2日経った7月17日の夜(0時15分〜1時30分)、ニース近くの半島サン=ジャン=カップ=フェラにあるホテルから1時間以上にわたって花火が打ち上げられました。
これがネット上で多くの人の怒りを買ってしまいました。
国中が喪に服している時に花火とは!というわけです。
マントンもマルセイユも花火の打ち上げをキャンセル。モナコ公国に至っては国際花火大会の開催を取りやめたとか。
自粛と言う以前に、あんな悲惨な事件の直後に花火なんか見たいという気分になれないでしょう。KYなホテルですねえ。
さて話は変わって、ノルマンディ地方では、4月16日〜9月26日まで “ノルマンディ印象派祭(Festival Normanide Impressioniste)” が開催されています。
その一環として、ちょっと面白い試みが行われています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年7月17日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
「こんにちは、編んだのを持ってきましたよ」
ここは町の図書館。女性が集まって、5センチ角のタイルのようなものを大量に編んでいます。
「印象派の画家が滞在した町のユニークな企画なんです」と女性。
「これを再現するには1万枚の小さな編み物が必要です。色もできるだけ原画に近いものを使わなくてはなりません」
そう言う女性が手にしているのは、クロード・モネ作 “日傘の女性(Suxanne à l’ombrelle)”。
そう、あの作品です。これを編み物で再現しようというのがこの企画。
実現のためにノルマンディの住民の力を借りて、今年の4月から作業が開始されました。
編み物のできる人なら誰でも参加できます。
この企画を仕切っているのがルーアンの団体Cité mômes(“子供の街”)。
「微笑みを編もう」を合言葉に始められました。
四角に編むだけなので大した技術は入りませんが、難しいのは色選び。丁度いい色の毛糸がなかなか見つからないこともあります。
「とてもいい企画だと思いますよ。作品作りに参加することができるんですからね」と女性。
こうして編み上がった四角を使って、ジグソーパズルのように組み合わせていきます。
かなり大きな作品になりますね。でもほとんど完成に近いです。
「このような企画を立てたのには2つほど目的があります。一つはノルマンディの団結を強くすること。もう一つは、あまり知られていないノルマンディの繊維産業を知ってもらうことです」と責任者の方。
夏が終わるまでにあと200枚ほど必要だそうですが、今日の集まりでその三分の一が出来上がったので、残り140枚ほどです。
印象派祭の期間中には完成しそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、義理の母に私の手編みカーディガンをプレゼントした。すると義母が入った。『ケチだねえ〜、本物のカーデガンを買わないで済まそうなんて』」
VDM (Vie de merde)より
フランスの食のお宝 その2 [ノルマンディー地方]
シリーズの二回目に登場する食のお宝は、フランス北西部ノルマンディ地方にあります。
それは、フランスのみならず、世界中で食べられています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年4月5日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが原因のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここはカルヴァドス県のとある町の青空市場。
売られているチーズの中でも一番人気がカマンベール。これが本日の食のお宝です。
「これはこの地方ならではのチーズです」とチーズ屋さん。
「私はずっとカマンベールを食べてきましたよ」とメガネの女性。
「カマンベールはフランスのシンボルですよ。フォワグラとか、バゲットとかと同じ!(笑)」と別の女性。
国内外で毎年4億個を売り上げるカマンベール。
しかし、その名は知れ渡ってはいても、その歴史を知る人はそう多くないはず。
そもそもカマンベールとは村の名前なのです。全ては3世紀ほど前にここから始まりました。
「1791年、村の住人マリー・アレルは、共和主義者から逃れてこの村にやってきたお坊さんをこの家に匿いました。ブリーの出身だったこのお坊さんが、匿ってくれたお礼にとマリーにチーズの作り方を教えたのです」とカマンベールについての本の著者ピエールさん。
それから100年あまり経った第一次世界大戦中、カマンベールは一躍人気となり、外国でも知られるチーズになります。
そしてフランスで盛んに作られるようになります。
「カマンベールは小さな村で生まれ、その評判が都会へと伝わり、やがてはアメリカやその他の国々へと広がっていったのです」
こうしてフランスのエンブレムになったカマンベールですが、村の人たちはその本当のルーツはこのカマンベール村にあると言います。
「銘柄とかアペラシオン(AOCやAOPのこと)とかより、カマンベール村が実際ここに存在しているということを知って欲しいのです」とガイドさん。
こちらはカマンベール村に唯一残っているカマンベール製造所Camembert Durand。
この製造所が売りに出されていていることを以前の記事で紹介したのですが(興味のある方は→こちら)、どうやらグルノーブル出身のフランス人3人が買い取り製造を続けることになったようです。
ルーツとなる土地で作る人がいなくならなくてよかったです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、異常な匂いがするので、警官が隣家の玄関を蹴り破って中に入った。そして台所のテーブルに腐った古いカマンベールチーズがあるのを発見 。隣人は2ヶ月前からバカンスに出かけていて留守だった」
VDM (Vie de merde)より
大天使ミカエル空を飛ぶ [ノルマンディー地方]
フランスの一大観光地モン=サン=ミッシェル。
ここに修道院が建てられたのは10世紀のことでした。
大天使ミカエルが司教の夢の中に何度も登場してはしつこく「この岩山に聖堂を建てよ」と告げたおかげでできたのだとか。
そのため、教会の鐘楼の一番高いところにその大天使ミカエルの像が立てられています。
この度、この像が修復のために別の場所に移されることになりました。
あんな高いところにある像をどうやって移動させたのか?
下記ウィンドウの▸をクリックしてビデオをご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年3月15日に放送)
地上150メートルのところに組まれた足場。そこへロープを下ろしにやってきたのがヘリコプター。
何度目かのトライでやっとうまい具合に作業員がロープを捕まえました。
そして、ヘリコプターに吊り下げられたミカエル像が空中を移動し始めました。
像の重さは500キロほど。
地上では人々が心配そうにその様子を見守っています。
「数ヶ月間、ミカエル像がいなくなると思うとちょっと寂しいですね。神様にお祈りしながら戻ってくるのを待ちます」と修道女。
ヘリコプターからの映像がこれ。
潮の引いた湾の上空を移動し、陸地へと到着しました。
わずか数分間の空の旅。天使はまるで翼をはためかせながら空を飛んだようにも見えました。
「間近であのミカエル像が見られて親しみを感じますね」と村長さん。
こんな機会は二度とない!ということで、こうして全員揃って記念撮影です。
これがあの高いところに立っていた像です。風雨にさらされて、さすがにだいぶ傷んでいますね。
「まずは黄ばんだ汚れをきれいに落として、新しく銅をかぶせます。そして、最後に金箔で覆ったら完了です」
2ヶ月後にはピカピカになったミカエル像が元の場所に戻されるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、フィラデルフィアを散歩していると銅像のふりをしている男がいたので、しばし感心しながら眺めた後、1ドルあげようと近づいたとたん、本物の銅像だったことに気がついた」
VDM (Vie de merde)より
シードルで育つ牛 [ノルマンディー地方]
経営難のフランスの畜産農家。なかなか利益が上がらないのが大きな問題です。
例えば、スーパーでステーキ用の肉を一枚買ったとします。そのお金はどのように分配されるのでしょう?
まずスーパーが27%を、屠殺業者が21%を取ります。残りの47%が生産者に行くことになります。
しかし、これがすべて経費で消えてしまい、さらに平均で7%の赤字になるとか。
屠殺業者は必要経費を払っても1.6%の利益を手にすることができます。
スーパーは逆に1.2%の赤字。しかし、他の製品でカバーすることができます。
で、結局、畜産農家だけが損をするという状況が続いているというわけです。
対策としてはやはり値上げしかないということで、66%のフランス人が値上げもやむなしと答えているそうです。
そんな苦境に立つ畜産農家ですが、他とは違う、より美味しい牛肉を生産しようと工夫を凝らしている農家もあります。
日本の神戸牛はビールを飲ませていると聞いて、それならウチはシードルだ!とノルマンディーの農家では牛にシードルを飲ませているそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年2月28日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
クラシック音楽の流れる中、牛たちが黙々と干し草を食べています。
そういえば、クラシック音楽を聴かせると牛乳の出が良くなるという話を聞いたことがありますが、食肉用の牛にもいいことがあるのかしらん。
さらにこの牧場ではノルマンディ地方の特産シードルを牛に与えています。
アルコール度数3%のシードル15リットルを毎日こうして干し草と一緒に食べさせています。
というのも、牧場の経営者グザビエさんは副業でオーガニックシードルを生産し、毎年2万本を出荷しているのです。
他からわざわざ取り寄せなくても自前で牛に与えることができます。
そして畜産業で何かあってもこの副業があれば乗り切ることができます。
こうしてシードルで育てられた牛の肉はおいしいと評判です。そのため高級品として高値で取引されます。
「多くの畜産農家がやり方を考え直しています。つまり、クオリティーの高い肉を生産することに力を入れ始めました」と生鮮食料品の取引会社の方。
グザビエさんの生産する牛肉は近隣のレストランに納品されています。
「お客さんに評判がいいんですよ。よく注文されるのですが、春になるまで待ってくださいとお願いすることがあります」とシェフ。
牛が生まれて、シードル入りの干し草を食べさせ、ちょうどいいくらいに育つ頃に出荷となると年中食べられるというわけではなさそうです。
それにしてもシードルで育った牛の肉はどんな味がするのか気になります。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、妻との賭けに負けて、これから2週間は食器洗いを担当することになった。妻は、一枚のお肉を焼くのに2つのフライパンを使い、人参を切るのに少なくとも三本の包丁を使った」
VDM (Vie de merde)より
印象派トレイン [ノルマンディー地方]
フランスは世界でも指折りの観光地の一つですが、観光開発にはそれなりに力をいれています。
先週末の土曜日、パリのサン=ラザール駅からは、特別列車がモネの庭があるジヴェルニーへと出発していきました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2015年4月18日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
「印象派トレイン(train de l’impressionnisme)」と銘打ったこの特別列車、外装にはモネとピサロの絵が描かれています。
開通式のあったこの日、外務・観光大臣のファビウス氏も式典にかけつけました。
「印象派といえばノルマンディですし、シンボルのようなものです。そして、観光客を呼び込む力があります。それが雇用を生み、財政を豊かにしてくれます」とファビウスさん。
ジヴェルニーには年間60万人のツーリストが訪れます。
そのうち20万人が列車を利用しているとか。その数をさらに増やそうと考え出されたのがこの印象派トレインです。
「この列車は観光のためのものです。そして観光は雇用を生みます。世界的に知られている印象派は多くの観光客をノルマンディに連れてきてくれると思っています。そうなれば雇用が増えます」とオート・ノルマンディ地域圏の議長。
議長さんや大臣のお話はいいから、列車の様子をもっと詳しく見せてくれ!と言いたくなりますが、映像にはあまりたくさんは登場しません。
別の情報ソースによると、列車内にはモネの有名な作品パネルがいくつか設置されており、スマホで詳しい説明を見ることができるそうです。
この日は開通式とあって、楽団が乗り込み、美しい音楽をかなでてくれたようです。
列車は今年9月27日までの毎週末(土日)だけ走ります。
パリのサン・ラザール駅発11時5分、ジヴェルニー着12時2分。
帰りはジヴェルニー発18時49分、サン・ラザール駅着19時40分。
(ジヴェルニーの正確な駅の名前は、ヴェルノン=ジヴェルニー(Vernon-Giverny))
この列車、ジヴェルニーを通り越してルーアンまで連れて行ってくれるそうです。
国鉄では、往復切符と、ジヴェルニーの2つの美術館、モネの家と庭、印象派美術館の入場券(並ばずに入れる)をセットにして販売しています。
セットが何種類かあり、購入する時期によっても値段が違ってきますが、40ユーロから60ユーロ。
フランス語の分かる方は、国鉄の専用サイトを→こちら。
パリ観光のついでにジヴェルニーまで足を伸ばすのに利用すると便利かもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、列車が出発するまでに5分ほど時間があったのでトイレを済ませることにした。全自動のトイレに入り用を済ませて出てくると、突然、トイレのドアが閉まった。気づいたときは、乗車券とお金の入ったバッグを中におき忘れていた」
VDM (Vie de merde)より
地方のお宝 その2 [ノルマンディー地方]
フランスの地方のお宝シリーズの二回目は、ノルマンディ地方を訪ねます。
そのお宝は古くから続く屋根付きの市場。
下記ウィンドウの▸をクリックしてビデオをご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年4月7日に放送)
ここは人口750人ほどの小さな村リヨン=ラ=フォレ(Lyons-la-Forêt)(上記地図の青印)の市場。
八百屋さんにお肉屋さん、それにチーズ屋さんもあります。
頑丈な木の柱が重そうな屋根を支えています。
ここに初めて市場が建てられたのは12世紀のこと。
現在の建物は17世紀に作られ、1776年に修復されたものです。それ以来、何一つ変わっていないそうです。
外から見るとここだけ時間が止まったよう。
「フランスでも一番美しい市場じゃないでしょうか。そして今でもりっぱに使われています。村人が集まる場所でもありますし、雨やどりもできます」と男性。
次に向かったのが、サン=ピエール=シュル=ディヴ(Saint-Pierre-sur-Dives)(上記地図の緑印の市場。
こちらは生きたウサギやニワトリが売られています。中世もこんな感じだったんでしょうね。
ここに市場ができたのは11世紀のことです。
15世紀に一度建て直され、1944年の戦時中には火事に遭い、当時と全く同じように再建されたのが今の建物です。窓と床は昔のままだそうです。
リヨン=ラ=フォレのに比べると規模がだいぶ大きいですね。外から見るとまるで教会のように見えます。
そして、外側の屋根のひさしのついた部分にもお店があります。
昔はここに肉屋さんがお店を構えていました。
「ここにお肉を吊るしていました。特に大きな牛肉を吊るしていました。そしてこっちには小さな肉を引っ掛けてました」
昔はかなりワイルドだったのですね。冷蔵庫なんてない時代のお話です。
最後は、エトルタ(Etretat)(上記地図の赤印)の市場にやってきました。
時計台付きの豪華な市場です。こちらも木造。
エトルタから車で1時間ほどのところにあるブリオンヌ村にあった穀物倉庫を移築・再建したものだそうです。
中に入ると、前の2つの市場とは雰囲気が違って、こちらはアーケード街のようになっています。
どうやらお土産物屋さんがたくさんはいっているようです。
建物は船底を逆さにしたような作り。
「ずっと昔からここにあったような気がしてきます」とお店の女性。
移築されたとは思えないくらいエトルタの町に馴染んでいました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、おもちゃの店でレジ係をしています。配達のためにお客に郵便番号を訊くと即座にお客が答えた。『6680よ』しばらく沈黙した後、彼女が言った。『しまった!キャッシュカードの暗証番号を言っちゃった』」
VDM (Vie de merde)より
小さなお城 [ノルマンディー地方]
桜の木のある近くの公園に行ってみたところ、まだまだ蕾は固く、開くまでにもう少々時間がかかりそうです。
さて、フランスには大小様々なお城が残っていますが、最近、小さいお城を購入する人が増加しているとか。
ノルマンディ地方のお城を訪ねてみました。
下記ウィンドウの▸をクリックしてビデオをご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年3月21日に放送)
19世紀のお城。離れが4つもついていて、寝室は合計22室あります。
これが479,000ユーロで売られています。
見学しているのはパリからやってきたご家族。
「この額なら、パリでせいぜい50〜60㎡の、ロケーションのいいアパートが買えるくらいですね」とお父さん。
「これくらいのお城が中流階級に人気です」と案内してきた不動産屋さん。
最近、この規模のお城の値段が下がってきているとか。
あるお城は5年前まで120万ユーロだったのが、今では50万ユーロに。
別のお城は70万ユーロだったのが、468,000ユーロに値下がり。
値を下げ始めたのは2008年頃から。
「今は、購入する側が選ぶ時代になりました」と別の不動産屋さん。
日本円にすると6,000万円くらいでお城が手に入るといことになりそうです。これなら手が出ないわけではないですね。
ギヨームさんもこういった手頃な値段のお城を手に入れた一人です。広さは900㎡ほど。
しかし、使えるようにするためにはリフォームが必要。
屋根を直したり、電気を通したり・・・。毎年、購入額の10%に費用がかかるとか。
ギヨームさん、どうやら自力でリフォームに挑戦していらっしゃるようで、ある時は大工さん、ある時は電気屋さん等々にならなくてはならないとおっしゃっていました。
必要経費を捻出するためにコンサートを開いたり、健婚式の会場として提供したりしているそうです。
今年の夏は11件の結婚式が開かれる予定です。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、結婚25周年の記念日。夫がディスニーランドに出かける計画を立てた。しかし・・・インフルエンザのウイルスにやられてそのままベッドへ。で、私は結局、シンデレラのように、お城へ行く代わりに家の掃除に明け暮れたのだった」
VDM (Vie de merde)より