ロワール川ワイナリー巡り その3 [サントル・ロワール地方]
シリーズの三回目は、前回のヴァランセから東へと60〜70キロほど移動したところにあるムヌトゥ=サロン(Menetou-Salon)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月12日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
広大なブドウ園を夕日が照らし出します。
冬の間、固くて茶色のサナギのように、生命の営みがすっかり止まってしまったように見えるブドウの木も、この時期は青々とした葉っぱを茂らせ、たわわに実ったブドウの房を守っています。
フィリップさんのブドウ園からは、遠くにブールジュのサン=テティエンヌ大聖堂が見えていました。世界遺産の大聖堂です。
ブールジュの大聖堂
人口1700人足らずの小さな村ムヌトゥ=サロンは、ブールジュから15キロほどのところにあります。
映像に登場した塔は、教会の鐘楼。
現在の建物は1867年とわりに新しいのですが、教会はすでに11世紀頃からこの地にありました。
ワイン農家は40軒ほどあり、そのブドウ園は全部で約500ヘクタール。
畑の土は固く荒々しいとか。
そして、ワイナリーの経営者は若い人がほとんどです。
フィリップさんのワイナリーDomaine Philippe Gilbertは、農薬を使わない有機栽培のブドウを使ったワイン作り。
一方、オリヴィエさんのワイナリーDomaine des Gaultiersでは、従来通りのやり方でワインを作っています。
二人とも小規模のワイナリーなので、収穫時の人手不足が悩みの種。
その解決法もそれぞれ違っています。
フィリップさんはブルガリアから人を集めて来ますが、オリヴィエさんは機械化に取り組んでいます。
村には、ここで作られるワインを味わえるレストランC'heu l'Zibがあります。
創業は65年前。現在のオーナーであるマリー=クロードさんのおじいさんアルベールさんがレストランを始めました。
とは言っても、アルベールさんは車の修理工。お店はもっぱら妻のジェルマンヌさんが切り盛りしていたそうです。
そして、アルベールさんは仕事の合間に料理を手伝っていたとか。
この村にはワインを試飲して購入できるような施設Maison des vinsはありませんが、ここへ来れば地元の美味しいワインを味わうことが出来ます。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、叔父のレストランで友人と食事をした。忙しくしていた叔父をテーブルまで呼んでワインを一杯ごちそうした。確かに “ごちそう” だった。会計伝票にはしっかりワイン一杯分の料金が書かれてあったから」
VDM (Vie de merde)より
ロワール川ワイナリー巡り その2 [サントル・ロワール地方]
シリーズの二回目は、前回のシュヴェルニーから40キロほど南下したところにあるヴァランセ(Valençay)を訪ねます。
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お嬢さんを連れてブドウ園を歩いていらっしゃる方は、ヴァランセのワイン農家協同組合の代表ジュルダンさん。
「ヴァランセと言えば、一番に思いつくのが山羊のチーズ、二番目がお城。ワインは三番目になってしまうんですよね」
そのチーズとはどんなチーズなのでしょう?
製造所の扉を開けると、ありました。てっぺんが切り取られたピラミッド型の灰色のチーズ。
何故にてっぺんが切り取られているかと言えば、あのナポレオンがエジプト遠征後にこの村を訪ねた時、サーベルの一振りでチーズのてっぺんを切り取ってしまったからだとか。
しかし、本当のところは、ヴァランセから南に20キロほどのところにある村ルヴルー(Levroux)の教会の鐘の形をしているのだそうです。
というのも、もともとこのチーズが生まれたのはルヴルー村だったからです。
灰色をしているのは、塩入りの灰をまぶしているから。こうすることでチーズを保護し、このチーズ独特の菌の活動を促進するのだそうです。
かつてはブドウの若枝の灰をつかっていましたが、現在では木炭の粉末を使っています。
熟成期間は11日間ほど。
チーズの生産者は30軒、山羊の数は13,000匹。なんと村の人口の5倍が山羊。
そして、AOCを獲得したのが1998年のこと。
一方、ワインの方はと言えば、AOC獲得はチーズに遅れること6年の2004年。
ジュルダンさんが畑を耕すのに使っていたのはブドウ園独特の道具。
もとはもっと大きな扇形をしていましたが、3世代に渡って使用されているうちに今のように小さくなったそうです。
ヴァランセの農業は、ワイン、酪農、穀物栽培でなりたっており、作業風景もそれぞれ異なります。
その異なる職種の皆さんは、ときどき村のかまどに集まって、お手製のピッツァやチーズをおつまみにしてワインを飲んだりするそうです。
さて、このヴァランセのチーズとワインをパリの特権階級に広めたのが、19世紀初頭に活躍したフランスの政治家タレーラン。
ブドウ畑の向こうにほんの少し見えていたタレーランのお城がこれです。
ヴァランセ城
りっぱなお城ですねえ〜。
ル・クロ・ドローム ヴァランセ・ブラン2010No.94166
- ショップ: 古武士屋
- 価格: 1,995 円
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、テラスの植物の手入れをした。バーベーキュー用品の近くに置いてあった袋の中の灰を植物の回りの土にまき、水をやった。しかし、灰だと思ってまいたのはセメントだった」
VDM (Vie de merde)より
ロワール川ワイナリー巡り その1 [サントル・ロワール地方]
昨日は、アルザス地方のワイン農家を紹介しましたが、今日から5回に分けてロワール川周辺のワイン農家を訪ねます。
第一回目の今日は、ブロワから10キロほどのところにあるシュヴェルニー(Cheverny)。お城があることでも知られています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月10日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
「ここは砂地で作業をするのは楽ですよ」とおっしゃるのはワイン農家のシリルさん。
この方、以前はパリで数学の先生をしていました。しかし、その仕事がいやになり、2年間かけてブドウの栽培とワイン作りを学びました。
そして、今から5年前の2007年、幸運なことに、リタイヤした農家から畑を譲り受け、独自のブドウ園に仕上げました。
広さは8ヘクタール。現在は有機栽培のブドウを使ったワインを生産しています。
ブドウ園の東には、あのシャンボール城があり、西にはフジエール=シュル=ビエーヴル城(Château de Fougères-sur-Bièvre)があるという恵まれたロケーション。
「この地方で暮らして、歴史の重さをあらためて感じました。お城があちこちにありますし、いつも観光客でにぎわってます」とシリルさん。
お城はシュヴェルニーにもあります。お城を背にして話している方が現在の城主。
シュヴェルニーのワインには、このお城のシルエットをデザインしたラベルが使われているそうです。
ちょっとユーモラスなデザインですね。お城の宣伝にも一役買っているとか。
ちなみにラベルのChevernyはAOC名です。
このシュヴェルニー城は、あの「タンタンの冒険」に登場するムーランサール城のモデルにもなったそうです。
ここを訪れる観光客の数は年間40万人。このうちの10人に1人が、お城の真向かいにあるMaison des vinsでワインを試飲して行くそうです。
もちろん気に入ったらここで購入することもできます。
シェヴェルニーのブドウ園は、広大な平地に広がっているのではなく、小型で、森の中にぽつぽつとあるのが特徴だそうです。
そして、森には樫の木があり、その樫の木を使ってワイン樽を作る工房Tonnellerie du Val de Loireがあります。
樫は乾燥させるのに2年かかるとか。
「納品までには2年かかります。樫は大きくなるのに200年はかかりますからねえ。気の長い話ですよ」と樽職人。
樽のお値段は、一つで600ユーロほど。ここの樽は世界中の名門ワイナリーで使われているそうです。
最後の焼き印はレーザーだそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、家庭教師のアルバイトで女子高生に数学を教えに行った。帰る時間になり家のドアを閉めるのと同時に、彼女の妹が話している声が聞こえた。『あの人だったら、恋に落ちる心配は絶対ないわね』」
VDM (Vie de merde)より
暖炉をめぐる旅 その4 〜暖炉のメンテナンス〜 [サントル・ロワール地方]
シリーズの四回目は、美しいお城の点在するトゥーレーヌ地方のブドウ農家を訪ねます。
そして、暖炉と言えば、欠かせないのが煙突の掃除。その方法についても紹介します。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
ワイン農家のダヴィッドさんは、お祖父さんから受け継いだ元農場だった家に住んでいます。
18世紀に作られた建物ですが、昔は、一部屋に一つの暖炉がありました。それがこの地方の伝統的家屋だったそうです。
現在では一つだけになってしまった暖炉ですが、ご覧のとおりちゃんと機能しています。
フランスで良く見かけるスタイルの暖炉ですね。
ブドウ畑は28ヘクタールあり、暖炉に使う薪は敷地の中にある森から調達します。
切り出した木は2年間放置して乾燥させます。
薪として使えるような大きさにカットして、必要な量を自宅に保管しておくそうです。
そして、大事なのは暖炉のメンテナンス。暖炉や煙突を煤で汚れたままにしておくといずれ詰まって使えなくなってしまいます。
メンテナンスは、素人には難しい複雑な暖炉の専門家ヴァンサンさんの担当です。
ブラシを片手に自ら潜って掃除していたのは昔のこと。現代では専用のマシーンを使います。
暖炉と言えば、正面から見た姿に目が行ってしまいますが、専門家が見ると奥の作りも様々で見どころがあるようです。
暖炉の上側は煙突に向かって徐々に狭くなるように傾斜をつけながら石が積み上げられています。
保存状態が良く美しいとヴァンサンさんは言っていました。
上のほうには煙突の出口が見えていました。
煙突のメンテナンスは一年に一回必ず行われます。煤が飛び散らないように暖炉の前には幕がかけられていました。
掃除が終わったら、暖炉に火をつけることになりますが、まずは新聞紙に火をつけて上のほうを焦がしておきます。
こうしておくと煙が充満しないですむそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、煙突掃除屋が来ることになっていたが、あいにく全員が外出することになってしまった。『鍵を玄関マットの下に置いといたら?』と母が言った。しかし、掃除屋はそんなことは知らない。で、結局、ドアに『鍵は玄関マットの下にあります』と書いた貼り紙をしてでかけることになってしまった」
VDM (Vie de merde)より
偉人の暮らした家 後編 〜マルセル・プルースト〜 [サントル・ロワール地方]
小説「失われた時を求めて」の作者マルセル・プルースト(1871ー1922)が、子供時代にバカンスをすごすために滞在したというイリエ=コンブレの家を訪ねます。
イリエ=コンブレの人口は3200人ほど。
かつて村の名前はイリエだけでした。この村を、プルーストがコンブレという名前で上記の小説に登場させたため、世界的に知られることとなります。
プルーストの生誕100年を迎えた1971年、イリエとコンブレを合体させ、今の名前になったそうです。
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******** フランス人のつぶやき *******
「今日、子供の頃に住んでいた町を車で通った。懐かしくなって、昔良く通ったオモチャ屋を探してみると、葬儀屋に変わっていた」
VDM (Vie de merde)より
猟の季節 [サントル・ロワール地方]
フランス中央部に、50万ヘクタールに渡って緑の広がる地域があります。ここはソローニュ地方と呼ばれ、昔から猟のさかんなところとして知られています。
今日は、伝統に従ってやや大物の猟を楽しむ人たちの様子をご覧下さい。
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******** フランス人のつぶやき *******
「今日、部屋で身支度をしていると、外でどぼんという音がした。窓から下を見ると、庭のプールに鹿が落ちていた。それから3時間というもの、うちの庭で消防隊と村人と鹿の熱い戦いが繰り広げられた」
VDM (Vie de merde)より
売りに出された異例の物件 その3 〜狩猟用の別荘〜 [サントル・ロワール地方]
シリーズの三つめの物件は、「コンクリートの父」と呼ばれ、あのル・コルビュジエにも影響を与えた建築家オーギュスト・ペレが手がけた狩猟用の別荘。
コンクリートの父とは言っても、今回の建物はまったく別もの。
ハーフティンバーの田舎風の別荘にはLa Saulotという名前がつけられています。
そして、ここが重要なのですが、若き日のル・コルビュジエがこの設計に参加していました。
別荘があるのは、フランス中部ロワール=エ=シェール県の、人口6,000人ほどの町サルブリにあります。(下記地図の緑印)
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月16日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、不動産会社の社員としては落ちこぼれの僕が、大口の契約を取り付けたので社長が100ユーロの祝儀を出してくれた。ラッキーと思っていると、祝儀は他の社員のモチベーションを高めるためだと言う。つまり、僕に出来ることは皆にも出来るはずというわけだ」
VDM (Vie de merde)より
ロワール=エ=シェール県の小さな村 その4 〜 ラヴァルダンの城跡 〜 [サントル・ロワール地方]
シリーズの最後は、「フランスで最も美しい村」の一つ、ラヴァルダン(Lavardin)を訪ねます。
下記地図の紫の印のある所です。
人口は220人ほど。みどころはたくさんありますが、今回は、壊れかけた中世の城とそれにまつわるお話が中心です。
リタイア後、ボランティアでガイドを務めるジャン=ピエールさんが村を案内してくれます。下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。
ジャン=ピエールさんは、現役時代はモントワールの緑地課に務めていたそうで、この地域については熟知しています。ガイドは5年前からやっているそうです。ガイドの特権は、自分の好きな時に好きなだけお城に入れること。
城は、村の上に陣取っている岩山の頂きにあります。11世紀初頭に建てられ、12世紀終わり頃から城塞化され、二重の城壁で長く守られてきました。
宗教戦争の頃、カトリック同盟に占拠されますが、当時のフランス国王アンリ四世の命により、城は壊されます。この時、城の石は村の家を造るために利用されたそうです。
城壁の門を通ってしばらく歩くと、城の入り口が見えてきます。中に入ると、井戸や大広間などが残っています。主塔へは岩の中に掘られた通路を通って行きます。
主塔も半分壊れていますが、ジャン=ピエールさんは14才の時、先生に連れられここにきたことがあるそうです。当時は梯子のようなものがかけてあって、上まで行けたそうです。上からゆで卵を落として遊んだとか。
最後に、ジャン=ピエールさんが寄った家は、昔は食料品店でした。かつてはここで、お城の鍵を管理していたそうです。
店は閉めてしまいましたが、窓からは、壊れかけたとは言え美しい城の姿を眺めることが出来ます。
村には下記のような、フレスコ画のあるサン=ジュネ教会、ロワール川にかかる古い橋などの歴史的建造物もあります。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、車の鍵がなかなか開かないので、いらいらしてがちゃがちゃやってるうちにキーが中で壊れてしまった。ふと我に返って気がついた。その車、僕のじゃなかった」
VDM (Vie de merde)より
ロワール=エ=シェール県の小さな村 その3 〜 モントワールの市 〜 [サントル・ロワール地方]
フランスは、どこの町や村でも、たいてい市が立ちますが、シリーズの三回目は、その市の様子を紹介します。
下記地図の緑の印のあるモントワール=シュル=ル=ロワールを訪ねます。
村の人口は4,000人。ここも、村というより町ですね。
ここでは毎週土曜日に町の広場で市が立ちます。
冬の日の、まだ明けやらぬこの朝一番にやってくるのはおまわりさん。邪魔になる車が止まっていないかチェックします。もしあれば、違反切符を切るのではなく、車の所有者に電話で警告し、車を動かしてもらいます。
次に登場するのが、露店でオリーブを売っているベルナールさん。もうかれこれ35年になります。そのせいか通称「オリーブ」と呼ばれるようになってしまいました。
今日の目玉商品はスペインから輸入したオリーブにニンニクを入れてマリネしたもの。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
こうやってお店の準備ができたところで、ちょっと遅い朝食で腹ごしらえ。場所は近くのカフェ。
市で売るチーズ、リエット、パテ、ハム、ソーセージなどを仲間が持ち寄りにぎやかにいただきます。中には顔なじみのお客さんも一緒だとか。
この市には地元の人たちのほかに、数十キロ離れたところからも人がやってくるそうです。目的は買い物だけではありません。昔からの知り合いと再会し、互いに近況を知らせ合ったり、おしゃべりに花を咲かせたりと、社交の場にもなっています。
この市にやって来る名物おじさんが地元のジョルジュさん。1920年生まれ。御年90才。挨拶する人の数は数えきれません。
そして、町のことはもとより、近くの半分壊れた中世のお城(このお城については次回くわしく紹介する予定です)や、ロワール川渓谷での暮らしについて知らないことはないくらいで、人間記憶装置と言われています。
この辺りに別荘を持つパリジャンたちも、"本物”を求めてこの市にやってくるそうです。
生産者が直接製品を売るのもこの市の特色。
ファブリスさんが市場でチーズを売っている間、奥さんは家でチーズ作りに励んでいます。
朝一番で働いていたおまわりさんは、市が立っている間も交通整理に忙しい。違反した車がいても、この日ばかりは即罰金にはしません。違反は話し合いで解決します。そうすることで皆に市を楽しんでもらいたいのだそうです。
*追加情報
市で売られていた山羊のチーズはこれです。日本でも入手可能とか。(詳しくはコメント欄を参照ください)
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、元カノの別荘の前を通った。僕が彼女にあげたドレスは今でも気に入ってくれてるらしい。別荘の菜園に、そのドレスを着た案山子が立っていた」
VDM (Vie de merde)より
ロワール=エ=シェール県の小さな村 その2 〜 キジ猟の村 〜 [サントル・ロワール地方]
シリーズの二回目は、キジの繁殖する場所。
下記地図の赤印のあるナヴェイユという村です。
村の人口は2,000人。村というより町ですね。
この地域には数年前からキジが繁殖しているそうです。というのも、10年くらい前からキジの数が減り始めたので、その対策として、県の狩猟協会が若い野生のキジをここに放したからです。おかげで徐々に数が増えつつあります。
しかし、キジの数を維持するためには、10羽のうち1羽以上を殺してはいけないそうです。そのため、しっかりした狩猟計画が必要です。そうなると、出来るだけ正確なキジの数を把握して置く必要があります。
そこで、組織されたのが「キジを数える会」。下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。
「○○会」と言えば、どこの国も同じで、美味しいものを皆でいただく打ち上げがつきもの。ある猟師の奥さんがキジ料理を作ってくれます。
野生のキジは家畜のに比べて脂肪が少ないそうです。コニャックでフランベし、リンゴを投入し焦げ目がついたら生クリームを加えます。脂肪が少ないとは言え、生クリームを加えるとなると高カロリー。「でも、たまには美味しいものを食べなくては!」と奥様がおっしゃっておりました。
火を通す時間は、キジの年齢によって45分~2時間と幅があります。フランベした後にナイフがするっと身を通るようなら若い雉子だそうです。
お鍋がぐつぐついっている間、メンバーの人たちはキジの数を数えにでかけます。夕方行くのがベストだそうです。というのも、この時間、キジは寝るために狐などの天敵から逃れ高いところに移動するそうですが、その時に鳴くそうです。その鳴き声をたよりに数を数えます。
こうして、キジの数を確認し、その数が減っているようならキジ猟は止めて、ウサギや山ウズラなど、別の野生動物を狩猟することになるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、クロスカントリースキーをした。子供たちのグループを追い抜こうとしたら、インストラクターが子供たちに向かって言った。『いいかい、あの人を良く見るんだよ』僕は、雄鶏みたいに得意げになって足を動かしながら通り過ぎた。その瞬間、インストラクターのこんな声が聞こえて来た。『まさにあれだ!君たちがやってはいけないことは』」
VDM (Vie de merde)より