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シャルトル 後編 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの最後は、世界遺産の大聖堂です。


 正式にはシャルトルのノートル=ダム大聖堂(Chathédrale Notre-Dame de Chartres)と言います。


 その名の通り、マリア様に捧げられた教会です。

Paris_Chartre.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 重いリュックを背負い隊列を組んで歩くボーイスカウトの一団。向かう先はシャルトルの大聖堂。重要な巡礼地の一つです。


 長い距離を歩いて、もうすぐ目的地に到着です。


 この日は、3,000人のボーイスカウトやガールスカウトの少年少女たちが大聖堂に集まりました。


 さて、まだ巡礼者も訪れない早朝の大聖堂。やって来たのは聖具係のアランさん。鍵を開けて中に入ります。


 朝の光に満たされた大聖堂の内陣。美しいですね。


 そして、床に並べられた椅子が取り除かれると、そこには迷路が描かれていました。


 12世紀に作られたものだそうです。皆さん、迷路に沿って歩いておられます。


 「こうして歩るくことは、自分自身を見つめ直す良い機会になるのです」と女性。


 大聖堂で大切に保存されているのが、聖母マリアのものと言われるベール。876年にここに納められました。受胎告知の時にマリアが身につけていたとされています。


 「多くの巡礼者がこれを見にやってきます」とアランさん。


 外観からしてすぐにゴシック様式の教会と分かる大聖堂。9世紀頃から建築が始まり、その規模はどんどん拡大して行きました。


 最初にできたのが西側のメインの出入り口で、ロワイヤル門(portail royal)と呼ばれています。


 12世紀にはロマネスク様式の塔が付けられましたが、その300年後に今のようなゴシック様式の塔に変わりました。


 「大聖堂はそれぞれの時代の素晴らしい建築で作られています。信者は、何か特別な体験をしようと、マリア様の家とも言えるこの大聖堂にやってきたのです」と話すアランさん。


 その後ろに見える大聖堂の美しいファサード。大きなバラ窓が取り付けられています。ここはステンドグラスが美しいことでも知られています。


 ミレイユさんが案内してくれたステンドグラス。12世紀からずっとここに取り付けられてきました。


 第二次大戦が始まった時、一計を案じた職人さんたちが、たった一度だけここから取り外し安全な場所に保管していたとか。


 そして、一番高いところにあるのが鐘です。故障がないかどうか定期的に点検しているそうです。


 近くのドアをあけるとちょうど内陣の上の屋根裏に出ます。


 金属の支柱は19世紀に取り付けられました。この眺めもなかなか感動的です。


 階下では、アランさんが儀式で使われる用具を見せてくれました。この中には、あのアンリ4世の戴冠式で使われたものもあるそうです。


 何気なくこんなところに置かれてありますが、その価値がかなりなもの。


 そして夜、この時間にお祈りにやってくる信者さんたちもいます。


 皆さん、ロウソクを手に地下礼拝堂へと向かいます。


 これだけの教会となると昼も夜も大忙しですね。


 ライトアップされた大聖堂が美しい姿を見せてくれていました。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、引っ越しの準備をしながら、同居人の荷物を詰めた箱に名前の頭文字取ってXと書くことにした。引っ越し業者がやってきて、唇に薄笑いを浮かべ、教会にでもいるように押し黙り、箱を持って行った。その箱には『DVD X』と書かれてあった」


 

VDM (Vie de merde)より




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シャルトル 中編 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの二回目は、シャルトルを囲む穀倉地帯ボース地方(Beauce)を訪ねます。

Paris_Chartre.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 まずはモーター付きのハンググライダーで空からの眺めを楽しみましょう。


 遠くにシャルトルの大聖堂の姿がはっきりと見えます。その回りには建物が密集し、一つの町を作っています。


 広大な穀倉地帯がその外側に広がっています。その面積は50万ヘクタール。


 この中で4,000軒もの農家が250万トンもの穀物を生産しているそうです。


 「ここの80%が、小麦、大麦、トウモロコシなどの穀物を生産しています」とパイロット。


 地上に戻ったところで、ある農家を訪ねてみましょう。


 ジャン=ミッシェルさんは父親と一緒に、もう15年も前から、185ヘクタールの畑で穀物を生産しています。


 朝7時、やることはだいたいいつも一緒です。


 「コーヒーを飲みながら、携帯やパソコンをチェックしています。パソコンで見るのは、天気予報、株式などです


 コーヒーを2杯飲み終わったら、トラクターで畑に出ます。


 刈り入れから種まきまでの間、畑の手入れは欠かせません。右手には大聖堂の姿が見えていました。


 そして、ジャン=ミッシェルさんの畑のすぐそばには分譲地ができていました。


 「都市計画で少しずつ農地が減少していますが、それともうまく共存していかなくてはなりません」とジャン=ミッシェルさん。


 商業施設や分譲地の拡大で、この10年で7,000ヘクタールの農地が消えてしまいました。


 「こちら側は分譲地で住宅があり、あちらは農地です。子供たちは農作業の様子を見て楽しんでますよ」と分譲住宅にお住まいの女性。


 この近くには農業専門高校があり、実習の授業が行われていました。


 「鋤や鍬を持って畑を耕す農民の時代は完全におわりました」と先生。


 トラクターの運転席にはハイテク機器が並んでいます。


 ジャン=ミッシェルさんのハイテク機器はスマホ。穀物の相場が常時分かるようになっています。


 ジャン=ミッシェルさんの倉庫に貯蔵されている小麦の量は約300トン。きちんと保存するためには温度の管理が重要です。


 「小麦の相場は株式で決まります。できるだけ良い値で売りたいんです」とジャン=ミッシェルさん。


 そして別の場所では・・・収穫された大麦を使ってビールが作られていました。つまりここはビール工場。


 シャルトルでビールが作られているなんて初耳です。その銘柄はL'Eurélienne。


 あのパリで開かれる農業見本市で銀賞を獲得したほどのビールです。


 どんなお味なのかちょっと飲んでみたいですね。


 さて、次回はいよいよ世界遺産の大聖堂です。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、夜だというのに隣りが宴会で騒いでいるので警官を呼んだ。二人の警官は隣りの家のベルを鳴らし、にこやかに挨拶を交わすと中に入って行った。30分後、二人の警官はそれぞれビール片手に出て来た」


 

VDM (Vie de merde)より





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シャルトル 前編 [サントル・ロワール地方]

 パリから列車で約1時間。世界遺産の大聖堂で知られるシャルトル(Chartres)があります。


 今日から3回のシリーズでこの町を訪ねます。


 第一回目の今日は、町の様々な顔を見てみましょう。

Paris_Chartre.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 町の人口は39,000人。その外側に広がるフランス有数の穀倉地帯は50万ヘクタールにも及びます。因に、大聖堂は13世紀に建てられました。


 まずは、町を散策してみましょう。


 市場へと向かう集団。引き連れているのは料理人のローラン・クレマンさん。


 料理の授業の一環です。市場に並べられている食材によって、今日の料理が決まります。


 市場を歩き回ってお腹が空いたら、軽食の時間です。美味しそうなワインとパンとソーセージ。


 「シャルトルは小さな町ですから交通渋滞はありませんし、皆親しみやすい人ばかりです」とハム・ソーセージのお店Au Petit Cochonの方。


 このお店では古くから伝わるパテを作っています。オーブンから取り出されたのがそのパテ。これにワインとバゲットにサラダがあれば、美味しいランチがいただけそうです。


 というわけで、ロワール地方の有数のワインが揃えられているワインセラーも訪ねます。


 イル=ドゥ=フランスとサントル地方がちょうど交差するシャルトルには有数のワインが集まっています。


 「遠くから試飲にやってくる人もいますよ。たとえばイギリス人。ロワールのワインを求めてやってきたりします」


 アジア人の集団がやってきました。こりゃどう見ても日本人のようです。


 シャルトルは緑が豊富なことでも知られています。


 カリフラワーや花キャベツが所狭しと植えられていますが、ここは菜園ではないそうですから、公園みたいなところでしょうか?花が植えられている場所もありました。


 世界遺産の町だけあって、整備には力が入っているようです。


 次に訪れたのがMaison Picassiette(メゾン・ピカシエット)。


 建物全体が陶のモザイクでおおわれています。レイモン・イシドール(別名ピカシエット)という男性がたった一人で作り上げました。


 「彼は家を飾るために、一生かけて陶の皿やカラフルなガラスを集めました」とガイドの女性。


 ピカシエットさんは道路作業員だったそうです。白黒の写真はドワノーが撮影したもの。


 それにしてもすごいですね。家の中も調度品も全部モザイクです。


 さらに家の外壁もモザイク。近くで見るといろいろなものが使われています。


 シャルトルの郊外にはゲランの工場があります。


 最初の工場ができたのが1970年のこと。そして今、さらに新しく近代的な工場が作られています。


 320人の従業員が働いているそうです。シャルトルは化粧品の町でもあったんですね。


 さて、町の中心へと戻りましょう。


 大聖堂の次に高いのが、このネオ・ゴシック様式の建物です。


 1928年に建てられ、郵便電信電話局として使われていたようですが、現在はメディア・センターになっています。


 中は現代風に作り直されており、唯一、昔の金庫が残されていました。


 4階まで上がると町が一望できます。


 さて、次は地上に降りてみましょう。そこにはガロ=ロマン時代の遺跡が残されていました。


 どうやらここは総合文化施設だったようです。注意深く発掘作業が進められています。


 シャルトルと言えば大聖堂だけと思っていましたが、様々な顔があったんですね。


 次回は、町を取り巻く穀物地帯を訪ねます。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、化粧品店の販売員として、お客の相談にのっていると客が言った。『私の肌はひどくくすんでいて少し油っぽいの。そうねえ、ちょうどあなたみたいに』」


 

VDM (Vie de merde)より





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光のシャルトル [サントル・ロワール地方]

 世界遺産の大聖堂で知られるシャルトル(Chartres)。パリから列車で約1時間ほどで行くことができます。


 そのシャルトルで現在、Chartres en lumières(光のシャルトル)と題されるイベントが開催されています。


 町の29カ所で、毎晩、無料で美しいイルミネーションを楽しむことができます。


 もちろん大聖堂も例外ではありません。

Paris_Chartre.jpg


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年7月29日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 夜の闇の中に現れた大聖堂のファサード。イルミネーションで輝いています。


 「大きいですね。それに色が印象的です。まるで絵をみているようです」と女性。


 イルミネーションの手法もどんどん高度になっていきます。単に光を当てるだけではありません。


 建物がスクリーン代わりになり、幻想的な世界を創り出しています。


 「こうして見ていると、昼間は見えてこないこまごまとした部分が見えてきますよ」と男性。


 このイベント、今年で10年目になるそうです。今年はすでに4月13日から始まっており、9月21日まで開催されます。


 「どんなお天気になろうとも毎晩行われることになっています。なにか問題が起きたらすぐに解決しなくてはなりませんよ」とイルミネーションの担当の方。


 全部で162晩、休むことなく続きます。


 見ている方は楽しいだけですが、やる方はなかなか大変です。


 観光客は、どうしても大聖堂ばかり見てしまいますが、町のお薦めは他にもあります。


 ウール川に架かる橋と昔の共同洗濯場。


 こちらはイルミネーションに光る橋が川面に映って詩的な情景を見せてくれています。


 そして、サン=ピエール教会。


 中に照明が入ったおかげで、普段外からは見られないステンドグラスが浮き上がって見えます。


 毎晩、このような風景が楽しめるなんて贅沢ですね〜。


 さて、このイベントのサイトに行くと29カ所全部の写真が見られます。興味のある方は→こちら


 ページの中ほどにある地図に1〜29までの番号が記してあります。この番号をクリックするとそれぞれのイルミネーションの写真が見られます。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、町を歩いていると、向こうからやって来た人とぶつかった。相手はこう言って謝った。『すいません、マダム』相手をよく見ると、今時の10代の長髪の男の子。しかめっ面をしたら、男の子はちょっと考え込んで言った。『マドモワゼル、ごめんなさない』その瞬間、私の顔がぱっと明るくなった」


 

VDM (Vie de merde)より





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地方のお食事処巡り その5 [サントル・ロワール地方]

 フランスの田舎のお食事処シリーズの最後は、フランス中西部の、人口800人にも満たない小さな村プゼ(Pouzay)のレストランAu Gardon Frit

Paris_Pouzay.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年5月10日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 12世紀に建てられたと言う教会を中心に出来た川沿いの村はどことなく趣があります。


 海からは200キロも内陸に入った土地柄にも関わらず、今回訪ねたお店のスペシャリテは海の幸。


 エビ、カニ、貝など、大西洋に面したヴァンデ県の村レ・サーブル=ドロンヌ(Les Sables-d'Olonne)から直送されるそうです。


 そもそも、1966年にこの村にやってきたクロード・マルタンさんがヴァンデ県出身だったことから、新鮮な海の幸がこの村に届けられるようになったのだとか。


 「こんな内陸の村で海の幸が食べられるなんてと皆さん驚かれます」とレストランのオーナーのステファンさん。


 奥さまのベロニクさんと一緒にお店を切り盛りしています。


 「メニューをいろいろ考えてバリエーションをつけたりしましたが、結局、人気なのは海の幸なんです」とベロニクさん。


 どうやら代々家族で続けられて来たお店のようで、現在のオーナーで三代目になるようです。


 日曜日には家族そろって村人たちがお店にやってきます。


 海の幸とはこのことかと思うくらいにカニやら貝が山盛りになった一皿がテーブルに運ばれて行きます。


 こんな風にして食べるのも楽しいですね。


 そして、時間など気にせずゆっくりと食べるのが美味しく頂く秘訣だそうです。


 お店ではもちろん魚料理も食べられます。


 最後に登場したのはお店の名物デザートOmelette norvégienne。


 薄いスポンジケーキまたはビスケットの上にアイスクリームをのせ、その上からメレンゲをかぶせフランベしたお菓子。美味しそうでしたねえ〜。


 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、新しいガールフレンドを夕食に招待した。今日のメニューは海の幸の盛り合わせ。ロウソク良し、ナフキン良し、シャンパン良し、準備オーケーで完璧と思っていたら、カニを見たとたん彼女がパニックに!なんとカニ恐怖症だそうだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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地方のお食事処巡り その3 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの三回目は、こちらもまたロワール川沿いのワインの産地ブルグイユ(Bourgueil)にあるCafé de la Promenad)。


Paris_Bourqueil.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年5月8日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 厨房でお鍋をかき回しているのがお店のオーナー、リュドヴィクさん。


 「ウチで出す料理は、カベルネ=フランやカベルネ・ソヴィニョンのワインに合う、お馴染みの料理ばかりですよ」


 カベルネ=フランやカベルネ・ソヴィニョンとはワインの元になるブドウの品種。ブルグイユのワインはこの二種類の品種から作られています。


 リュドヴィクさんがおっしゃるように、お店はこのワインを中心に出来ています。


 お客さまは、まるでワインの図書館のようなワインセラーで、自分で飲みたいワインを選びます。


 お客さまが手にしたワインについて立て板に水のような解説をしてくれるオーナー。


 なぜにワインに詳しいかと言えば、時間があれば近隣のワイン農家を訪ね回っているからです。


 一瞬映像に移ったお店の庭のオブジェ。たくさんのワインのボトルで出来ていました。


 オーナーが最初に訪ねたのはセバスチャンさんのワイナリー。


 まずは2012年のワインを試飲。樽に詰められたワインは地下のワイン蔵で熟成されています。


 次に訪ねたワイナリーはCatherine & Pierre Breton。


 ここでワインを仕入れたら、広大なブドウ園の間を走ってお店に戻ります。


 途中のブドウ園では馬を使って畑の手入れをしていました。


 お店に戻ったリュドヴィクさん。早速仕入れたワインをワンセラーに並べます。


 「自分がよく知らないワインをお客さまに飲ませるわけには行きません」とリュドヴィクさん。


 このお店に行けば、間違いなく美味しいワインが飲めそうです。


 ワインセラーで飲みたいワインが決まったらテーブルでおつまみと一緒に頂きます。


 生ハム、テリーヌ、ピクルス・・・ワインと一緒にいただいたらさぞかしおいしいでしょうねえ〜。


 因にCafé de la Promenadeには宿泊施設もあるようです。興味のある方はお店の名前をクリックしてサイトをご覧下さい。


 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、マクドナルドに行って、思わず『静かに!』と叫んでしまった。このところずっと図書館通いが続いた後遺症か?」

 

VDM (Vie de merde)より



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地方のお食事処巡り その2 [サントル・ロワール地方]

 田舎のお食事処を巡る旅の二回目は、フランス中部シェール県のムヌトゥ=サロン(Menetou-Salon)にあるレストランC'heu l'Zibを訪ねます。


Paris_MenetouS.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年5月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 ムヌトゥ=サロンはロワール川沿いに広がる有数のワインの産地の一つ。


 そんな土地柄の中にあるレストランC'heu l'Zib(シュ・ルジブと発音するらしい)。創業から65年という堂々たる家族経営のお店です。


 厨房を取り仕切っているのが元気いっぱいのマリー=クロードおばあちゃん。お料理はお父さんから仕込まれたのだそうです。


 フロアの担当は、マリー=クロードさんの一人娘ドロテーさん。賑やかなお客さま方をきっちり取り仕切ってました。


 「お客さまの中には、祖父母をご存知の常連の方もいらっしゃいますよ」とドロテーさん。


 あれ、この写真、どこかで見たことがあるような・・・と思ったら、このお店、去年、当ブログで紹介したロワール川ワイナリー巡りシリーズの三回目にちらりと登場してました(興味のある方は以前の記事を→こちら)。


 大皿で出て来たクリームソースの魚料理が美味しそうです。


 どの料理もチマチマしてないところがいいですね。


 お店には直接生産者から仕入れたワインが置いてあるようですが、チーズも同じように生産者から仕入れているそうです。


 ドロテーさんが向かった先は、山羊のチーズを作っている農場。熟成したチーズのカビがすごいですね。


 厨房に戻ると仕事が待っています。


 お店の名物デザート、シャルロット作りです。


 シャルロットはフランスの定番のお菓子。ビスケットを型に並べ、中にフルーツやクリームなどを詰めたお菓子です。


 ここのシャルロットにはチョコクリームが入っているようです。


 大きなのを切り分けて食べるのがまた美味しそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、息子に、祖母を乗せるために車を開けるように言うと、息子はトランクを開けた」

 

VDM (Vie de merde)より



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お城を買ったその後は…… その4 [サントル・ロワール地方]

 お城シリーズも残すところあと2つ。どちらも中世の趣を残す素晴らしいお城ですが、それぞれ異なる道を辿ることになりました。


 四つ目のお城は、12世紀から13世紀初頭にかけて作られたという由緒あるキュラン城(Château de Culan)。国の文化財になっています。

Paris_Culin.jpeg
より大きな地図で お城を買ったその後は…… を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 朝日に輝く中世のお城。昔から変わらない風景に見えます。


 週末になると、お城にやってくるのがオーナーの息子さんエドゥアール・マルキさん。


 オーナーのジャン=ピエールさんはだいぶご高齢のようです。ビジネスマンでしたが2000年に現役を引退しました。


 「高齢の父がここで城の管理をしているので、週末や機会をみつけてはパリから戻って来るのですが、私も仕事がありなかなか頻繁には来られません。ですから、売ることにしたんです」


 エドゥアールさんは、仏版のWikipédiaによると、ジャーナリスト、ラジオやテレビの司会者、さらにテレビプロデューサーでもあります。現在はインターネット関係の仕事が中心だとか。


 庭をそぞろ歩くお二人の会話は、例の宝くじユーロミリオンのお話でした。


 あのお金があったら、ここのお城の維持も楽々でおつりがきたかもしれません。


 ガイドに連れられて見学の団体がやってきました。


 去年の見学者数は10,000人ほど。年々少なくなる一方です。さらに補助金もなく、赤字が続いています。


 エドゥアールさんが案内してくれたのは大切な資料が保管されている部屋。


 お城ともなると鍵の数もそれなり。ぴったりの鍵をみつけるまでに少々時間がかかりました。


 「この写真は、映画『三銃士』のロケが行われた時のものです」


 大々的に城の修復が行われたのは一つ前のオーナーであるジャン・フェラギュさんの時。1950年から1980年のことでした。


 当時は、ビュッフェやピカソなどの展覧会が開催されたそうです。


 「今日の見学者は何人くらいだったの?」と息子。


 「47人だよ」と父。


 ジャン=ポールさんの代になってからも、庭を中世風に作り替えたり、鷹を飛ばしてみたりといろいろトライしてみましたが、なかなか十分な集客にはつながりませんでした。


 売却することになりましたが、オーナーになると年に7ヶ月は見学者を受け入れ、中を一般公開しなければならないそうです。


 販売価格は400万ユーロ(ざっと4億円)ほどになるとみられます。


 このお城、資料によると、ジャンヌ・ダルク、フランス国王ルイ11世、セヴィニエ夫人、ショパンを連れたジョルジュ・サンドなど、有名人が次々に訪れた由緒あるお城のようです。


 良いオーナーがみつかると良いですね。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、私はシングルファーザーです。数ヶ月前から夢中になっていた女性とホットなデートをして帰宅すると、6歳になる息子が言った。『で、彼女で決まり?』」


 

VDM (Vie de merde)より



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お城を買ったその後は…… その3 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの三回目は、売りに出されているお城パラディ城(Château de Paradis)です。(下記地図の緑印)


 修復も済んで、このまま入居してしまえば普通に生活できます。

Paris_CivraydeT.jpeg
より大きな地図で お城を買ったその後は…… を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月26日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 お城を訪ねてみると、見学のお客さまがお見えのよう。


 右側で握手をしている白いブラウスの女性と黒い帽子をかぶった長髪の男性がこの城の現オーナー。つまり売り手。


 お客さまを案内してきたのはこの手の物件専門の不動産屋さん。


 お城を物色中の方々はどうやらイギリス人のようです。


 この物件、あのダ・ヴィンチがいたことでも知られるアンボワーズ城から6キロほど南下した森の中にあります。


 住居部分は1,400㎡。パーティが開けるようなホールが3つもあります。


 16世紀に建てられ、18世紀に増築。4年前は廃墟同然でした。


 オーナーのジャン=ポールさんとヴィルジニさん夫妻が暮らしやすい近代的なインテリアに仕立て上げました。


 ところでお値段の方は?……機密事項。


 「千万単位でしょうねえ。このくらいの城だったら1500万ユーロ(約15億ほど)くらいでしょうか。売りに出てる城は絶えずありますよ。お客さんはフランスの歴史に興味のある外国人が多いですね」と不動産屋さん。


 では、今度はこの物件を空から見てみましょう。今回のシリーズではどれも気球でお城を眺めるようです。


 かつて屋根はぼろぼろ、壁は真っ黒だったお城が、今ではこのとおりです。


 庭をいれると敷地面積は全体で15ヘクタールもあります。


 「こうやって見るとあらためて素晴らしいなと思いますねえ」とジャン=ポールさん。


 すぐ近くにはアンボワーズ城やシュノンソー城もあります。


 シュノンソー城は上空から見た姿も美しいですね。


 ロワール川の向こうには夕日が輝いていました。


 パラディ城を手に入れ、ここまできれいに修復したジャン=ポールさんとはいったい何者???


 アメリカで航空機用部品を製作する会社を設立し一財産築いた方だそうです。


 ギターのコレクションがすごいですね!


 「稼いだお金をフランスの大切な遺産のために使うのがいいと思ったんです。こうやってきれいになったのを見るとやって良かったなと思います」


 修復の間には思いもかけないような場所から16世紀の傑作がみつかることもありました。


 ご夫妻は、これからカリフォルニアで子供たちと一緒に暮らすことになっているそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、弟がプレゼントしてくれた香水とシャワージェルを試してみることにした。容器をよく見てみると、こんなことが書いてあった。『無料サンプルにつき販売禁止』」


 

VDM (Vie de merde)より



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ロワール川ワイナリー巡り その4 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの四回目は、前回のムヌトゥ=サロンから北東へ25キロほどのところにあるサンセール(Sancerre)。

Paris_Sancerre.jpg

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 サンセールは標高310メートルの山の上にあり、ちょっとした陸の孤島のよう。


 山の斜面にはブドウ畑が広がっています。


 麓には、シャヴィニョール(Shavignol)という名の村があります。


 今ではサンセールに統合されてしまいましたが、ワインのほかに、山羊のチーズ “クロッタン・ドゥ・シャヴィニョール(Crottin de Chavignol)” の産地として知られています。


 サンセールのブドウ畑は全体で3,000ヘクタール。そのうちの75%が急斜面にあります。


 そのブドウ畑を楽に往来できるようにエスカレーター方式の乗り物が設置されています。


 山の頂上からはロワール川も見下ろせます。


 観光客にとって見逃せない名所の一つが、街の地下に張り巡らされた地下道のようはワイン蔵。


 中には15世紀に作られたというものもあります。


 天井にはレンガや屋根に使われていた石がはめ込まれています。昔から建材の再利用はあったようですね。


 なんとなく、ここで熟成されたワインなら美味しいワインになりそうです。


 このワイン蔵はドメーヌAlphonse Mellot & son filsのもの。


 このメロ家(Mellot)では、代々長男はアルフォンス(Alphonse)という名前を付けることになっており、現在の当主もその前の当主もAlphonse Mellot。


 これなら代が替わってもドメーヌ名の変更を心配する必要はありません。


 このお宅、1513年の書物にすでに名前が登場しているそうです。その時からワイン農家だったことが分かっています。


 1513年と言えば、日本は下克上・群雄割拠のまっただ中。


 フランスはこの2年後にフランソワ一世が王位に就くことになります。


 歴史あるメロ家のワインは、アメリカ、日本、カナダなど20ヶ国に輸出されているそうです。


 そして、番組に登場した子供たちは20代目にあたるとか。


 当主のアルフォンスさんとアルフォンス・ジュニアがブドウ畑を案内してくれました。


 石灰石のごろごろした畑です。この石の中にたくさんのミネラルが含まれているそうです。


 現在の当主の父親にあたるアルフォンスさんは、終戦直後にパリにレストランを開きました。


 その時のゲストブックには、ジャン・コクトーのデッサンが残されています。




 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


 

「今日、寝ぼけ眼で、妻に言われた通りに子供のミルクを用意した。ミネラルウォーター180ccを哺乳瓶に入れる。簡単だ。粉ミルク6さじを加える。これも簡単。そして良く振る。バカでもできる。ただし、本日の教訓:フタをしてから振ること」

 

VDM (Vie de merde)より



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