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ワインとフランス人 [フランスのワイン]

 フランス各地でブドウの収穫とワインの仕込みが始まりました。

 

 ワイン作りはフランスとは切っても切れない産業ですが、最近のフランス人、あまりワインを飲まなくなったそうです。

 

 1960年、フランス人一人につき年間160リットルのワインを消費していました。

 

 それから50年後、三分の一の55リットルに激減してしまいします。ちょうど一日に一杯飲むくらいだそうです。 

 

 そして、1980年、お酒は飲まないという人は19%ほどだったのに比べ、今年は38%に増えていました。

 

 さらに、1ユーロや2ユーロの格安ワインは次第にお店の片隅に追いやられ、中程度のワインが主流となり、海外からの輸入ワインの販売は11%を占めるまでになっているとか。

 

 とは言っても、フランス人に一番人気のあるワインはボルドーワイン。

 

 また、ブルゴーニュ、コート・デュ・ローヌ、ラングドック=ルシヨン、ロワールのワインも価値が高まっているそうです。

 

 購入場所はといえば、70%がスーパー、25%がワイン蔵、インターネットが5%となっているそうです。

 

 確かに、スーパーにはたくさんワインが並んでいますから、選択肢があって買いやすいのかもしれません。

 

 さて、ワインはコルシカ島でも作られています。

 

 のんびりした伝統的なワイン作りをちょっと覗いてみましょう。

Corsemap_Luri.jpg 

 



  下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年9月7日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 ブドウの実を足でつぶしてます。これが昔からのやり方です。

 

 ここはルイさん(80歳)のブドウ園。孫たちに手伝ってもらってブドウの収穫が始まりました。

 

 「家族で飲むためのワインです。残った分は蒸留酒にします」とルイさん。

 

 収穫したブドウが集められ、仕込みの準備が始まりました。

 

 コルシカ島では一般家庭にこうしたワインを作る設備が整えられているのは珍しくないとか。

 

 足でブドウを踏み潰してますが、結構、ブドウは冷たいそうです。

 

 潰し終わると、大きな石とロープと木の棒を組み合わせた道具を使って圧力をかけ絞ります。

 

 「慌ててはいけません。時間をかけて絞るんです」

 

 こうして溜まったブドウジュースを樽に移します。

 

 布と洗濯バサミでできたこし器が素朴でいいですね。

 

 ここではワンシーズンで400リットルのワインができるそうです。

 

 家族や友人達と飲むためのワインだそうです。

 

 一仕事終わったら、昨年仕込んでおいたワインを味わいながら、一休み。

 

 ワイン作りは毎年の一大イベントのようですね。


 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ずっと思い続けていた女の子が『愛してる』と言ってくれた。とは言っても、相当酔っ払ってたし、僕の名前も間違って呼んでた。でも、とにかく彼女は『ジュテーム』と言ってくれたんだからよしとしよう」

VDM (Vie de merde)より




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12月にブドウの収穫 [フランスのワイン]

 スペインとの国境に近いベアルン地方。


 12月のこの寒さの中、ブドウの収穫とワインの仕込みが行われています。


 もうすっかり終わってしまったものとばかり思っていましたが、今、収穫しているところもあるんですね。

Paris_Gan.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年12月19日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 今頃、収穫されるブドウはすっかり茶色に変色し、シワもできています。


 このブドウが、ジュランソン(Jurançon)というAOCのラベルの付いたワインになります。


 この時期にあえて収穫することで甘みの強いワインになるのだとか。


 ただし、霜にやられてしまうリスクもあります。


 今年はうまい具合に霜にやられることもなくブドウの実に糖が凝縮されているため、美味しいワインになりそうです。


 ブドウの収穫となると必要になるのが人手。


 普段は事務仕事に従事している人たちも総出で作業が行われています。


 この時期になるとブドウの葉っぱも落ちて、実を収穫するのは楽な感じがしますが、実際はそうでもなさそうです。


 さすがベアルン地方。美しいハーモニーの歌声が聞こえてきました。


 こうして作業が終わった頃、暖かい食事が待ってます。


 なんだか、豚汁みたいなのを配ってましたが、これはこの地方の郷土料理ガルビュール(詳しくは以前の記事を→こちら)。


 身体があったまりそうです。冬は煮込み料理が一番ですね。


 それにバーベキューもやってました。


 さて、ブドウの方ですが、仕込みが終わると樽の中で2〜3年寝かせられます。


 ジュラソンには辛口と甘口があるようですが、今回紹介した甘口のジュラソンは、食前酒に最適だそうです。


 おつまみには、フォワグラ、オッソー・イラティ(羊乳のチーズ)のようなマイルドなチーズが合うそうです。





 

 

******** フランス人のつぶやき ******* 

 

「今日、コーヒーがこぼれ、砂糖もこぼれ、スプーンも落ちたけど、コップだけは残った。こんな自販機、大嫌いだ!」

 

VDM (Vie de merde)より




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人の手か?マシーンか? [フランスのワイン]

 ふと気がつけば猛暑があっさりいなくなり、秋の足音が間近に聞こえてきました。


 そして明日は秋分の日。暦通りに秋がやってきそうです。


 さて、フランスではブドウの収穫とワインの仕込みが本格化してきました。


 そこで問題になっているのが、ブドウの収穫を人の手で行うのか?それとも、マシーンでやるのか?


 手で収穫するところは毎年大変だなと思いながらビデオで見ていますが、マシーンの収穫は見たことがありません。


 一体、どうやって収穫するのでしょう?

Paris_vin&raisin.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2014年9月20日に放送)




 午前11時。とあるブドウ畑。


 ハサミとカゴを持って、人の手でブドウが収穫されています。


 背中の大きなバケツにはブドウが入っています。その重量は70キロほどにもなるとか。


 一方、別のブドウ畑では、トラクターのようなマシーンが収穫しています。


 15人が一日で行う仕事をたったの4時間ですませてしまいます。


 「機械を使えば作業は早く進みます。手でやるよりずっと利益が上がります」とワイン農家のジャン=イヴさん。


 ここでは4年前からドメーヌの半分をこうして機械が収穫します。


 機械が通った後を見てみると、房は枝に残ったまま。どうやらブドウの実だけを刈り取って行くようです。


 この手の機械も改良が重ねられ、最新モデルは、パワステ、静音、エアコン付き。


 労働環境は抜群にいいですね。なんだか良い事ずくめのような気がしてきます。


 しかし、このワイン農家ではスパークリングワインも作っていますが、そちらは機械は使わないそうです。


 やはりワインの味に影響が出てくるのでしょうか?


 伝統的な方法で収穫しているワイン農家の方は、こうおっしゃっています。


 「父や祖父の代から受け継いで来た古いブドウの木がたくさんあるんです。30年代に植えられた木もあるんですよ。それを機械で収穫するなんてちょっとできないですね」


 味の違いと言うより、大切に育ててきた木を機械で収穫というのに抵抗があるような感じを受けます。


 あのマシーン、木を傷めたりはしないんでしょうかね?心配になるのも分かるような気がします。


 でも15人の仕事をたったの4時間でやってしまうのでは、マシーンの方がはるかに効率的に思えます。


 ブドウの収穫風景もそのうち変わって行くのかもしれません。


 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、トマト畑の雑草を抜いた。うちの庭にトマトを植えて2年になるが、なかなか実をつけてくれない。お隣さんは、大きくて真っ赤なトマトをいくつも収穫しているというのに・・・。そして、今日、うちのカミさんがトマトの苗をビニールの小さな鉢に入れたまま庭に植えているのに気がついた。どうりで・・・」

 

VDM (Vie de merde)より




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ロゼワイン [フランスのワイン]

 梅雨明け早々にこの猛暑[晴れ][晴れ][晴れ]


 夏休みを満喫しようという気力も失せてしまいそうになります。


 どうも年を重ねるごとに夏の暑さが堪えるようになってきました。熱い砂のビーチより、冷房の効いた職場の方を選んでしまいそうです。[あせあせ(飛び散る汗)]


 さて、昨年もお伝えしたような気がしますが、フランスではロゼワインがブームになっています。


 特に夏はロゼが人気だとか。フランスで消費されるワインの4本のうち1本がロゼだそうです。


Paris_vin&raisin.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2014年7月24日に放送)




 ここはフランス南部、地中海沿いのリゾート地。


 レストランのテーブルに運ばれてきたのはロゼワイン。


 この数年で夏のバカンスの飲み物と言えばロゼワインというのが定番になってきました。


 「ロゼワインはすっきりして美味しいです」と男性。


 「おっしゃる通り、夏の飲み物ですね」と女性。


 あっちのテーブルでもこっちのテーブルでもロゼをお飲みになっております。こりゃ本物のブームですね。


 このブーム、1990年頃からじわじわ始まって、今ではロゼワインの生産量が3倍になっているそうです。


 しかし、供給が追いつかないくらい需要が増しているとか。実際、フランス産だけでは足りなくて25%が輸入物だそうです。


 国内のロゼ市場はプロヴァンス産が圧倒的なシェアを占めているそうですが、これまでひっそりとロゼワインを作っていた他の地方のワイン農家が、このブームに乗って本腰を入れ始めています。


 その一つがフランス南部のラングドック=ルシヨンのワイン農家です。


 「20年くらい前までは5〜8%の生産量だったのが、今では15〜20%にもなっています。しかもAOC付きのロゼワインになったんですから大変なことです」とワイン店の方。


 ラングドック=ルシヨンのロゼワインは現在市場の10%ほどにまで躍進しているそうです。


 氷水で冷えたロゼワインを見ていると飲みたくなってしまいますね〜。


 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、映画館があまりに暑かったので靴をぬいでしまった。映画が終わり明かりが付いた時には、脱いだ靴が消えていた・・・」

 

VDM (Vie de merde)より




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箱ワイン [フランスのワイン]

 ワインと言えば、専用の栓抜きでボトルのコルク栓を空け、グラスに注いで飲むというのが一般的。


 しかし、これからはちょっと違って来るかもしれません。


 フランスではバッグ・イン・ボックス(Bag-in-box)のワインがお店に並び、好調な売れゆきを見せているそうです。


Paris_vin&raisin.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年7月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック



 お店に並ぶ四角い箱。この中に入っているのがワインです。


 10年ほど前から徐々に売り場が増えて行き、今ではここまでになりました。


 この手のワインが初めて登場したのは70年代のこと。


 段ボール箱を空けると、ワインのつまったビニールのバッグが入っています。そして、蛇口をひねると簡単にワインが出て来るようになっています。


 因に段ボール箱はワインが陽に当たって劣化するのを防ぐ役割を果たしています。


 そして今の箱入りワインはこんな感じ。


 コルク栓を抜くのに失敗することもありませんし、経済的、それに大勢で飲むには最適です。


 この手のワインがスーパーで売られるワインの三分の一を占めているそうです。価格は通常より25%ほど割安だとか。


 「このボックスのワインは12.50ユーロです。このボトルのワイン4本分が入っていて、普通なら15ユーロします」と売り場の責任者の方。


 このスーパーではこの4年で箱ワインは2倍になったそうです。


 それと呼応するようにAOC付きの箱ワインも登場するようになりました。


 「ボトルのワインより安いですし、品質が劣るわけでもないですからね」と女性客。


 「ピクニックにでかけたり、大勢で食事をする時に便利ですよ」と別の女性客。


 高級ワインの産地として知られるボルドーのワイン農家も、箱ワインの生産に参入し始めています。通常の生産に比べて15%ほどコスト削減になるとか。


 「4本分となると、ボトルならボトルが4本、コルク栓が4つ必要になりますが、箱ワインなら箱とバッグと蛇口だけで済みますからね」とワイン農家の方。


 箱ワインを始めてから売上は2倍になったそうです。


 問題は価格。ボーダーラインは20ユーロ辺り。


 高級ワインをバッグ・イン・ボックスの安価で売るというのに抵抗のあるお店や生産者もいるようです。


 その一方で、どんどん市場を席巻する箱ワイン。パッケージデザインに工夫を凝らしたものが出回るようになりました。


 この箱ワイン、ボトルと同じという分けには行かず、賞味期限は出荷から6ヶ月以内だそうです。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、結婚を申し込むために愛する人の前でひざまずき、指輪の入った箱を開けた・・・いや、開けようとして2分間格闘したあげく、結局、開けられなかった[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より




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ブルゴーニュワインの高騰 [フランスのワイン]

 フランス市・町・村長選挙は無事終了しました。


 残念ながら、第二回目の投票でも棄権者の数を減らすことはできませんでした。


 惨敗を喫した社会党、オランド政権の旗色は思わしくありません。そのため内閣を一新して出直すことにしたようです。


 なにはともあれ新しい首相を任命しました。内務大臣を務めていたマニュエル・ヴァルス(Manuel Valls)氏です。


 こんなお顔の方→こちら。51歳だそうです。若いですね。


 これから少しずつ内閣の顔が揃います。


 さて、本日の話題はブルゴーニュ地方のワイン。


 樽の中で数年熟成されてきたワインがそろそろ出荷される頃。


 しかし、その価格が例年比べて32%値上がりになっているそうです。


 例えば、1000円のワインが、1320円になっているということになります。


 う〜む、かなりの値上がり。その原因は、不作だった2013年にあると言われています。

Paris_Dijon02.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年4月1日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 スーパーで10ユーロのブルゴーニュワインを探してみますが、なかなかみつかりません。


 「これは例年ですと12ユーロで販売されていましたが、今年は15.70ユーロにはね上がっています」と男性。


 グラン・クリュのレベルになると200ユーロを超えます。ものによっては70%値上がりしたものもあるとか。


 「25ユーロのワインは、私には高すぎます」と男性。


 「同じくらいの美味しさなら、安い方を買ってしまうわね」と女性。


 一方、レストランでもお客さまのワインの選び方に変化が起きているそうです。


 「ワインの価格を気にする人たちは、ローヌ川渓谷のワインや、ボジョレーのワイン、ロワール川渓谷のワインを選んでいるようです」とお店の方。


 ブルゴーニュワインが高くなったのには2つの理由があるそうです。


 輸出の需要が増加したこと。そして、2013年が非常に厳しい天候だったことです。


 そう言えば、ヒョウが降ったというようなニュースが繰り返し流れていましたっけ。


 このブドウ園でも収穫の半分が嵐でダメになってしまったそうです。


 「今年は私の給料はほとんどありません。財布のヒモを引き締めなくてはいけません」


 ブルゴーニュ地方は去年2014年も天候に恵まれず、十分な収穫ができなかったワイン農家がかなりの数ありました。


 採算が取れないとブドウ園を手放す人もいるとか。しばらくは厳しい状態が続くようです。




******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ドバイの高級ホテルに宿泊した。受付へ行って、Wi-Fiにつなぐためのパスコードを尋ねると、受付係が言った。『そのような白ワインがお飲みになりたいのであれば、バーでお尋ねになった方がよかろうと存じます』」

 

VDM (Vie de merde)より




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夜明け前のブドウの収穫 [フランスのワイン]

 ブドウの収穫とワインの仕込みで大忙しのフランスのワイン農家ですが、だいたい10月20日頃にはすべての作業が完了するそうです。


 ご存知のように、収穫から仕込みまでは、昼間、手作業で行われるのが一般的。


 しかし、中には暗いうちにブドウを収穫して、早朝から仕込みの作業に入る農家もあります。


 しかも、その作業のほとんどが機械化されています。そんな農家の一つを訪ねました。

 

Paris_Rousset.jpg

 

 下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 南仏のワインと言えば・・・透き通った、フルーツの香り一杯のロゼ。

 このワインを作っているのがDomaine Terre de Mistralです。

 午前5時。日の出前のブドウ畑を走る一台の車。

 この車、Machine à vendangerと呼ばれ、言うなれば自動ブドウ刈り取り機。

 やはりこのような機械があったのですね。動いている様子を見ていると「刈り取り」が一番ぴったりする表現のような気がします。

 優れもので、一台で、刈り取り、洗浄、運搬の三役をこなすそうです。

 このマシーンで、日の出前の気温が低い時間にさっとブドウを刈り取ります。

 「クリアで、適度の色合いと香りのあるワインにするために、気温の低い間に刈り取って仕込むんです」とセルジュさん。

 フルーティなワインを作るためにはこのやり方がいいのかもしれませんね。

 「空気に触れると香りが微妙に変化するので、できるだけ早くブドウを絞って樽の中で発酵させなくてはなりません」

 先日紹介したブルゴーニュ地方の木の樽と違って、こちらは近代的な樽です。

 ブドウの収穫の時期を決めるのはアルノーさんの役割。

 サンプルのブドウを研究所に持ち込み糖度などを調べてもらいます。その結果で、収穫の日が決まります。

 ここのワインにはAOPのラベルがついています。ボトルの形もどことなくスタイリッシュ。

 お手頃なお値段のようですが、お味はどうでしょう?



 

******** フランス人のつぶやき *******



「今日、企業での2ヶ月に渡る実習が終わった。最後の日に上司が私に言ったのは・・・『社内の自販機に君が小銭を残してくれたことははっきりしてるが、ウチの会社に君が何をもたらしてくれたのかはさっぱり分からないねえ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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ブドウの収穫とワインの仕込み [フランスのワイン]

 いよいよフランス各地でブドウの収穫とワインの仕込みが本格化してきました。


 ブドウの収穫はともかくとして、ワインの仕込みとはどんな風にして行われるのでしょう?


 ブルゴーニュ地方のワインの産地メルキュレ(Mercurey)のあるワイン農家を訪ねました。

 

Paris_Mercurey.jpg

 

 下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月1日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 今朝、収穫されたブドウは全部で1トンほど。

 トラックに乗せたら、ワインの製造所へと向かいます。

 忙しいこの時期、従業員の他にも、家族や元従業員が手伝いにやってきます。

 まずはブドウの選別です。

 「熟していないものや腐ったものを取り除いて行きます」

 「畑の方と違って、こちらは白髪まじりの人が多いですね」と取材班。

 「そりゃそうさ、ここにいるのは皆、頭を使ってものを考えて来たからね(笑)」と男性。

 白髪はともかくとして、この作業はやはり多少の経験がないとできませんね。

 「今年のブドウは小ぶりですが、ほどほどの酸味と糖分を含んでいて美味しいワインに仕上がるはずですよ」とワイン農家Domain de Suremainのロイクさん。

 と、そこへやって来たのが見学のドイツ人夫婦。

 「ビールの作り方ならよく知ってますが、ワインは良く知らないので見せてもらいにきました」と奥さま。

 こういう作業をする時は、誰ともなく歌を歌い出すもんなんですね。しかもこの方達、ハモってました。

 選別されたブドウはつぶされ、大きな樽に詰め込まれます。

 ここの農家には大きな木の樽が10樽ほどあります。

 「この状態で8〜10日間寝かせます。こうすることで、ブルゴーニュ地方のメルキュレのワインの色が生まれるのです」

 この後は圧搾して発酵した果汁だけを取り出し、熟成用の樽に移されます。

 蔵の中にはすでに空の樽が用意されていました。

 「ここで1年ほど熟成されます。そしてボトルにつめられることになります」

 このワイン農家では昨年は4万本を製造したそうです。



 

******** フランス人のつぶやき *******



「今日、あまり衛生的とは言えないピザ屋でピッツァを買って来た。ピッツァに干しぶどうなんてのっけるもんかなと眺めていたら、干しぶどうが動き始めた!」

 

VDM (Vie de merde)より



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ワイン作りの村 その5 [フランスのワイン]

 シリーズの最後は、シャンパーニュ地方の村を訪ねます。


 シャンパーニュで作られているワインがシャンパン。


 フランスなら飲み物も地方の名前も同じでシャンパーニュ。


 日本では英語読みから伝わったからなのか、シャンパンやシャンペンなどと言いますね。


 いずれにしても、シャンパンもワインの一つです。


Paris_vin&raisin.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月6日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 森とブドウ畑の間に位置しているのがオヴィレ村(Hautvillers)(上記地図のF)。


 有数のシャンパンの産地ですが、17世紀、ここにはシャンパンの生みの親と言われている修道士ドン・ペリニョンが暮らしていました。


 ドン・ペリニョンと言えばこの音!


 修道士の名前がそのままシャンパンの名前になったドン・ペリニョン。日本ではその手のお店にはなくてはならない飲み物になってしまったような・・・。


 修道士のドン・ペリニョンは、村のサン・ピエール修道院で、47年間、美味しいシャンパンを作るために努力を続けたそうです。今のようなシャンパンができたのはこの方のおかげだそうです。


 中世とルネッサンスの面影を残すオヴィレ村には、古い街並が残っています。


 見上げると、あちこちにシャンパン作りの看板が飾ってあります。


 そして、試飲もできます。3種類のシャンパンに、豪華なおつまみが付いてきます。


 どれもシャンパーニュとアルデンヌ地方の名物だとか。なんだかこれだけでランチになってしまいそうです。


 「いろんな種類のシャンパンを見て呆然とされてるお客さまに、ブドウの品種、香りの違いなど説明することにしています」とお店のドミニクさん。


 シャンパーニュ地方の320の町村に散らばるワイン農家は合計で15,000にも及ぶそうです。


 3つあるブドウの品種のうちピノ・ノワールを栽培している村がヴェルゼネ(Verzenay)(上記地図のG)です。


 ワイン農家Domaine Quenardelのブドウ畑では青い実が色付き始めていました。


 このブドウからできたワインを保存しておくのが蔵です。


 クリステルさんとジャン=クリストフさんは5代目にあたります。


 「ここは岩を削ってできた古い蔵です。一定の温度が保たれていますからシャンパンの熟成には最適なんです」とクリステルさん。


 そして、ヴェルゼネ村の丘の上には、なんと灯台があります。


 1909年、ワインの仲買人だったジョゼフ・グレが広告のために作ったそうです。


 ここには灯台だけでなく、レストラン、ダンスホール、劇場なども設置され、一大娯楽施設になっていました。


 皆さん、ポーンとコルク栓を抜いて美味しいシャンパンを飲みながらここで週末を楽しんだのかもしれません。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、夕日のビーチでシャンパンを飲んでいると、彼に結婚を申し込まれた。なかなかロマンチック?とんでもない!婚約指輪の半額は私の負担だった」

 

VDM (Vie de merde)より




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ワイン作りの村 その4 [フランスのワイン]

 シリーズの四回目は、南仏から北へと移動し、ブルゴーニュ地方へ向かいます。


 訪ねたのはニュイ=サン=ジョルジュ(下記地図のE)の北5キロほどのところにあるヴージョ村。


 ここにブルゴーニュ・ワインの様々な活動の中心地であるクロ・ドゥ・ヴージョ城(またはクロ・ヴージョ城)があります。


Paris_vin&raisin.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年9月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 一面に広がるブドウ畑。この辺りは、ブルゴーニュ地方のシャンゼリゼと呼ばれています。


 そのブドウ畑の中に現れたのが、クロ・ドゥ・ヴージョ城


 12世紀から16世紀にかけて作られたルネッサンス様式のお城です。


 そして、近くの町がニュイ=サン=ジョルジュ。


 ここには約40軒のワイン蔵があり、ワイン好きの観光客でいつも賑わっています。


 フランス北部のピカルディ地方からやってきたミッシェルさんとフランソワズさんは、ピノ=ノワール(ブドウの品種)で作られたワインを味わいにやってきました。


 「ブルゴーニュワイン好きの友人がここのワインを飲ませてくれたことがあったのですが、産地で飲んでみたくなってやってきました」


 さて、ブルゴーニュ地方の大都市ディジョンからボーヌまでを結ぶルートは、グラン・クリュ街道と呼ばれ、街道沿いには有数のワインの産地が並んでいます。


 ニュイ=サン=ジョルジュはこの途中にあります。そして、あのロマネコンティの産地もこの街道沿いにあります。


 その産地を訪ねるには、やはり自転車が一番。


 「ワインは、ブルゴーニュ地方そのものであり、文化でもあります」と男性。


 そのワインを生み出すブドウ畑の真ん中にあるのがクロ・ドゥ・ヴージョ城。


 かつてシトー派の修道士がワインを作っていたのがここでした。


 現在は中にワイン博物館が設置され、毎年5万人ほどの見学者が訪れるそうです。


 木製の大きな装置は圧搾機です。昔はこれでブドウをつぶしてワインを作っていました。


 16世紀には修道院長のりっぱな屋敷にもなっていたこの建物、現在の所有者はブルゴーニュ地方のワイン協会です。


 毎年、ここでその年の優秀なワインが選ばれるそうです。


 お城の回りでは、80ほどのワイン農家が、合計50ヘクタールに渡ってブドウの栽培を行っています。


 「この同じ地域でも、土質や気候が微妙に違っていますから、それぞれのワイン農家によって独特のワインができるんです」


 皆さん、代々受け継いで来た知恵と技術で、誇りを持ってブドウを栽培されているようです。


 そのブドウで作られたワインにはクロ・ドゥ・ヴージョというAOC名が付けられています。



 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、夏の間だけの仕事(博物館の監視員)をしていると、一人の男性が近づいて来て言った。『ウチのカミさんを喜ばせるために来たんだがね、そのスドクを一緒にやってもいいかな?』」

 

VDM (Vie de merde)より




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