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立候補 [フランスのお宝]

 5月も最後の日となりました。

 少し和らいだとは言え、夏の暑さには変わりありませんねえ。

 このありさまでは夏が4ヶ月近く続くことになりそうな・・・天気がまともだった時代に戻りたい。

 さて、当ブログでは折に触れ「フランスで最も美しい村」を紹介していますが、この称号を取得するためには様々な条件をクリアーしなくてはなりません。

 現在、この称号を持つ村は158あります。そして今年、その仲間入りを目指す村があります。

Paris_Polignac.jpg


下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月30日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 中世の城塞。

 11世紀に作られた教会。

 もうこれだけで “フランスで最も美しい村” に選ばれそうな気がします。

 しかし、これだけでは不十分。厳しいですね。

 ここはフランス中南部の村ポリニャック(Polignac)。

 「この建物のファサード、素晴らしいでしょう。でも、あのサッシの窓がすべてを台無しにしているのです」と村長さん。

 窓は木造でなくてはなりません。石畳もアスファルトなどで覆われていてはダメ。

 称号を手にするためには27もある条件をすべてクリアする必要があります。

 ゴミ箱などがあちこちに出ているようでは落第です。こうして地下に埋めてしまいましょう。

 「こうしておけばゴミ箱など見ないで済みますからきれいですよ」

 村長さん、観光客になったつもりでここから村を眺めます。

 村は2010年から、このプロジェクトを立ち上げ、すでに200万ユーロが使われました。

 しかし、称号への門はかなり狭き門。倍率は5倍。

 それでも村人たちは必ず選ばれると信じて頑張っています。村の人口は約2,800人。全員で沿道に花を植えているそうです。

 「美しくするためには花は欠かせません」と村人。

 「この村は気さくで暖かい人たちばかりですよ」と女性。

 村の商店も称号がもらえることに期待しています。何しろ、この称号が付くと、観光客の数が30〜40%も増加するからです。

 「来てくれる人が増えれば、売り上げもあがりますから、ありがたいですね」とお店の方。

 あの城塞の塔に上ってみると、こんな素晴らしいパノラマが楽しめます。

 当落がわかるのはいつなんでしょうね?一報が入ってきたら、また紹介したいと思います。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、ママが僕のゴミ箱に灰があるのを見つけた。そして、隠れてタバコを吸っていると怒った。僕はタバコなど吸ってないけど何も言い返せなかった。だってあの灰は、数学の成績表をこっそり燃やした跡だったから・・・

VDM(Vie de Merde)より



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バター派?非バター派? [フランスのグルメ]

 最近、コレステロールを気にしてか、低脂肪というラベルのついた食品が山のように溢れています。

 やはり、気になりますよねえ、脂質が。

 でも、低脂肪だとどうも間の抜けた味になるような気もします。減らすべきなのが、それとも味を優先するべきなのか・・・。

 バターを山のように使うフランスでも、事態は同様です。

 バターを使わないで美味しい料理は作れないものか?いや、バターは今まで通りに使うべきだ!

 決めかねますねえ〜。

 しかし、わかっているのは、2018年にはバターの使用量が4%減少したこと。ついにフランス人もいつかはバターを使わなくなる日がやってくるのか・・・。

beurre01.jpg


下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月28日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 この二人、有名レストランのシェフ。左側のシェフはバターを使わない派、右側のシェフはバターを使う派。

 テリーさんはアトリエ・ジョエル・ロビュションのエグゼクティブ・シェフ。作っているのはジャガイモのピュレ。バターをたっぷり使っています。

 「バターじゃなくてマーガリンを使うとしたらどうなんでしょう。同じ味になりますかね・・・ならないと思いますよ」

 ジャガイモのピュレにはバターをたっぷり使うのが一般的。でも、他のものに変える料理人が増えています。

 そんな中、こんなものを代用しているシェフがいます。

 それは、お米。お米でアスパラガスに火を通します。

 「アスパラガスの上に炊きあがったばかりの熱いお米をのせ、220℃に熱したオーブンに7〜8分入れておくと火が通ります」とシェフ。

 お米は細長いインディカ米。このシェフ、ミシュランで星を獲得しているようですが、すでにバターを使わない料理を50種類ほど編み出しているとか。

 「料理というのは脂肪で作るものではなく、頭脳で作るものです」

 なるほどね。しかし、脂肪が多いのはバターというわけではありません。

 例えば、オリーブ油は100ccで900カロリーですが、バターは同じ量で750カロリーにしかなりません。

 「例えば魚の料理を作るとします。ブール・ブランを作ったりレモンを絞ったりしますが、ちょっと複雑すぎると思うんですよ。結局、皆んなバターが好きなんですよ、そうでしょ?」とバター派のシェフ。

 それにしてもオリーブ油の方がカロリーが高いとは知らなかったあ〜。最近、バターよりオリーブ油ばかり使ってます(冷汗)。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、義理の妹が誇らしげに、私のためにベジタリアンの料理を作ると言った。しかも、美味しくするためにたっぷりのバターを使うとか[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より



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夏山に大移動 [トピックニュース]

 紫陽花の花がだいぶ咲いてきましたが、最寄り駅のホームの土手の紫陽花はまだまだこれからのようです。

 5月の初めに100均で手に入れ、玉子パックに土を入れて蒔いたラベンダーの種は、発芽して2週間あまりが経ち、まだまだ小さいですが、双葉の間から本葉が出てきました。そろそろ少し大きい鉢に植え替えた方が良さそうです。

 一ミリもないような小さな種が、こんな風になるなんて、ちょっとオーバーかもしれませんが、生命の神秘を感じます。

 さて、外は新緑から青葉若葉の季節に変わってきました。フランスのオブラック地方では毎年恒例となった牛の大移動が始まりました。

Paris_Aubrac-village.jpg

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月28日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 この牛の姿、もう見慣れてきてしまいました。初めて見たときは、なんだこの飾りは!?と思ったものでした。

 冬の間、麓の牛小屋で干し草を食べていた牛たちを、緑に覆われた夏山に連れていくことをお祝いするための飾りだったんですよねえ。

 先週末の5月25日、オブラック地方では、この牛の大移動をお祝いするお祭りが開催されました。

 この牛君たち、自分の足で山に向かって登っていきます。

 「私の夫は今朝3時に起きて準備しました。牛にベルをつけたり、花飾りをつけたりと忙しくしてました」と女性。

 「牛たち、おめかししたんで立派に見えるでしょう」と男性。

 牛に飾りが付いているとお祭りらしくなりますね。オブラック牛は地元の誇りです。

 「牛の大移動は大昔から続けられてきた、大切な習慣なんです」と男性。

 皆さんがテーブルを囲んで召し上がっているのは朝ごはん。

 どんな料理かと言えば、もつ煮込み料理。これがこのお祭りの定番です。

 「今日の朝ごはんはクロワッサンじゃなく、もつ煮込みです。美味しいですよ」と女性。

 数キロほど山道を登ってくると、オブラックという名の小さな村に到着です。

 通常の人口は20人ほどですが、この時ばかりは20,000人に増えるそうです。これだけの数の牛もやってきますから、かなり賑わいになってしまいます。

 ここでもまたテントの下で食いしん坊が地元の料理を食べています。

 この白く伸びたガムのようなものは、チーズとジャガイモを練り合わせたものでアリゴ(Aligot)といいます。

 さぞかし噛み切るのが大変だろうと思いきや、むしろサクサクと簡単に食べられます。

 人間たちが美味しいもの夢中になっている間に、牛たちはどんどん山道を進んでいき、目的地に到着したものもいます。

 これからしばらくはこの天然の牧草がいっぱいの山の上で過ごすことになります。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、義理の両親が牛を買ってきて、マリオンという名前をつけた。私の名前もマリオン。なぜに私の名前を牛に?[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より



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パルメザンチーズ戦争 [トピックニュース]

 異例のこの暑さ、かなり身体にこたえますねえ。

 これくらいならなんとかなるだろうと軽く考えていたら、とんでもなかったです。

 体調を崩して寝込むというほどのことはないですが、全体に体がグッタリ疲れているのがわかります。油断は禁物。

 さて、昨日のお料理にも登場したパルメザンチーズ。これを巡って、イタリアとフランスの間で火花が散っているとか。

 なぜに火花が散っているかと言えば、フランスのグループ会社ラクタリス(Lactalis)が、イタリアのパルメザンチーズの最大輸出企業ヌオーヴァ・カステリ(Nuova Castelli)を買収しようとしていることが明らかになったからです。

 パルメザンチーズと言えばイタリアのシンボルです。それをフランスの企業が傘下に取り込もうとしていると聞けば、イタリア人は穏やかではいられないはず。

 フランスのTV局TF1の記者が、そのイタリアに取材に行ってきました。

Parmesan.jpg


下記のウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月25日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 こちらがそのパルメザンチーズ。大きいですね!

 何百年も前からイタリア人が手塩にかけて作り続けてきたチーズです。

 「これはイタリアのカルチャーなんです。その作り方は900年前から何一つ変わっていません」と製造者の方。

 しかし、そのカルチャーの一角がお隣の国に奪われてしまいそうになっています。

 こちらが買収されそうな会社ヌオーヴァ・カステリ。

 「フランス人にパルメザンチーズをどうすることもできないさ。イタリアにしかないチーズだからね」と男性。

 「フランスにはカマンベールがあるでしょう。それと同じようにイタリアにはパルメザンがあるんですよ」と女性。

 しかし、ヌオーヴァ・カステリは、数年前に別の会社が出資したため、今ではイギリスのものになっているそうです。あれれれれ・・・。

 そんな中で今回の買収話が持ち上がったのでした。

 「食べ物の話になるとフランスとイタリアはいつもライバル関係になってしまいますね」と女性。

 こちらはとあるパルメザンチーズの製造者。この会社の社長さんは全然心配いらないと言います。

 「イタリアの有名なこのチーズはAOPで保証され守られているんです。ですから、他の地域に変わってしまうということはありません」

 つまり、会社の所有者が変わろうが何しようが、産地はあくまでもイタリアというわけです。

 それにしてもこの貯蔵庫はすごいですね。あんな大きなチーズがこれだけたくさん保存されていると爽快ですね。

 イタリア政府は、何とかして今回の買収を阻止したいと言っているとか。

 どのような結末になるのやら・・・。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、カフェでエスプレッソを頼んだ。砂糖を入れて飲もうとしたら、パルメザンチーズの味がした。どうして砂糖入れにパルメザンチーズを入れたりするんだよ [ちっ(怒った顔)]

VDM(Vie de Merde)より



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30ユーロで晩ご飯64 [お料理実践編]

 月曜日は恒例の節約晩ご飯シリーズ。30ユーロ以内で、4人分の晩ご飯をフルメニュー(前菜+メイン+デザート)で作ってもらいます。

 今回チャレンジしてくれるのは、若干12才のちびっこシェフ。どんな晩ご飯を作ってくれるんでしょう?

 ではスタート!

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下記のウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月25日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 こちらがチャレンジャーのガブリエル君。

 目下のところ、レゴテクニックとお菓子作りに夢中。将来の夢はパティシエになることかしら???

 それはともかくとして、今回は家族のために晩ご飯を作ってくれます。早速30ユーロを渡して材料を揃えていただきましょう。

 それにしてもつむじのあたりのくせっ毛が気になる(笑)。

 さあ、市場にやってきました。

 ガブリエル君、ここにはよく来るそうです。というのも、日曜日など家族のために料理を作るらしい。

 まずやってきたのが八百屋さん。トマト、ナス、レモン、イチゴを購入。これが9.15ユーロで残りは20.85ユーロ。

 次にやってきたのはケイタリングのお店。ここではモツァレラチーズ2袋、パルメザンチーズを購入。さらに、トマトのピュレを一本追加。これが10.02ユーロで残りが10.83ユーロ。

 次は乳製品のお店で玉子と牛乳を調達。これが3.15ユーロで残りは7.68ユーロ。

 これで市場での買い物は終了ですが、さらに欲しいものが残っています。それはパイ生地。

 「スーパーでも売ってるんだけど、バターを使ってないから本物じゃないんだ」とガブリエル君。

 お菓子作りに熱中しているだけあってこだわりがあるようです。

 お望みのパイ生地はこのパン屋さんにありました。これが4ユーロ。

 残金を調べてみると・・・3.68ユーロでした。余裕でクリア。ではお家に帰って調理の開始!

 まずは“トマトのタルト” を作ります。

 生地の上に粒マスタードを塗り、スライスしたトマトをのせオリーブ油をさっとかけたらオーブンに入れ焼きます。焼きあがったら、パジルの葉っぱをトッピング。色違いのトマトを使って、春らしい感じに仕上がりました。

 次は、ナスとモツァレラチーズの料理。

 ナスは輪切りにします。鍋にオリーブ油を引いてスライスしたニンニクを炒めたら、トマトのピュレを加えます。これでトマトソースの出来上がり。次にモツァレラチーズをスライス。リポーターさん、気合が入っていた分だけ切るのが早かったですねえ〜。

 材料が揃ったところで、まずは天板にパラフィン紙を引き輪切りにしたナスをのせ、オリーブ油を塗ったらオーブンで焼きます。焼きあがったナスにトマトソースを塗りモツァレラチーズをのせ、3段重ねにします。最後にパルメザンチーズをトッピングして完成。

 最後はデザート。

 まずは、玉子、牛乳、小麦粉でシュー生地を作ります。これを絞り機に入れて天板に絞り出し、オーブンで焼きます。焼きあがったら真ん中に切れ目を入れ、レモン風味のクリームとイチゴをはさんだら出来上がり。

 さすが、お菓子作りが趣味だけあってプロ並みのデザートが出来上がりました。

 ナスとモツァレラチーズの料理は簡単でいいですね。今度、作ってみよう!


******* フランス人のつぶやき *******

今日、私がトマトを洗うように頼んだら、16歳になる息子が洗い始めた。洗剤で [がく~(落胆した顔)]

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週末はシエーナで [パリから週末旅]

 日曜日は恒例の週末旅。今回はイタリア・トスカーナ地方にある都市シエーナを旅します。

 パリからは、まず空路でフィレンツェまで1時間45分、フィレンツェからシエーナまで車で1時間ほど。列車なら1時間半から2時間。

 中世に繁栄した都市は、今もその趣を残しているようです。

 では出発!

Rome_Siena.jpeg

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月18日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 フィレンツェの空港から、ぶどう畑の広がる丘に沿って車を走らせます。この道をまっすぐ行くとシエーナに行けるようです。途中、坂道を自転車で登っていく方に出会いました。

 1時間ほどのドライブを楽しむと、シエーナの街に到着です。ひときわ高い塔が目を引きます。その下には中世さながらの建物が並んでいます。なんかワクワクしますねえ。

 やって来たのはドゥオーモ(シエーナ大聖堂)の真下(青印)。大聖堂は、シエーナが繁栄を遂げていた13世紀に建てられました。

 街は17の区画に分けられています。この区画の住人たちはそれぞれ団結し、その団結力を表すかのようにこんな紋章を描いた旗まであるそうです。

 「こちらはセリラ地区、そしてあちらはラクイラ地区ですね」と旅人。

 確かに、それぞれ異なる紋章が描かれています。中世のころはこんな風にして自治が行われていたのでしょうか?

 どこからか賑やかな音が聞こえてきます。通りを登って行くと・・・太鼓の音でした。

 「昔からこの地域では太鼓をたたく人は大切な存在なのです。子供達は必ず太鼓を習います」と男性。

 「私もこの学校で習いました。そして30年間、パレードで叩いできたんです」と別の男性。

 今度は階段を下って、こんなところを訪ねました。中に入ると女性たちが針仕事をしています。

 「紋章の入った旗を繕ってるのよ。長年使ってきたのであちこち傷んでしまってるからね。こうやって出来るだけ長く使うのさ。だって大切な旗だもの」と女性。

 出来あがると、こうして街角に飾られます。そして教会の中にもあります。

 さて、今度はちょっと高いところから街全体を眺めてみることにしましょう。そのためには、かつてシエーナ共和国庁舎として使われていた建物にあるマンジャの塔に上る必要があります(赤印)。

 350段の階段を上がると、展望台に出ました。いい眺め!

 目の前にはドゥオーモ、すぐ下にはカンポ広場(緑印)、そして遠くには広大なぶどう畑が広がっています。

 ここで作られているワインがキャンティです。では早速、試飲に出かけましょう。今度は地下へと降りていきます。

 中世の頃、シエーナには数キロにわたって地下道が掘られたそうです。水を各世帯に供給するためです。その地下道に、ワインが試飲出来る蔵Il Battisteroがあります(こげ茶印)。

 夏の間、太陽の光をたっぷりと浴びたぶどうで作られたキャンティワイン、美味しそうですね!

 「かつてこの建物にはローマ教皇のアレクサンデル7世が住んでいたんです。彼はこの地下道を通って大聖堂に行ったり、街の外に出たりしていたんです」と蔵の方。

 ここはホテルになっていて、地下にこのお店があるようです。

 さて、そろそろ今晩の宿Hotel Battisteroへと向かいましょう(黄緑印)。案内されたのはこちらのお部屋。角部屋で、あのカンポ広場を一望できます。

 この広場では夏になるとパーリオが開催されることで知られています。パーリオとは、街のそれぞれの区画の代表が馬に乗り、速さを競い合うという競技兼お祭り。

 この時は、石畳の広場に砂がまかれて馬場に変わるそうです。競技の前には、騎手と馬が旗を持って街をパレードするようです。

 パーリオの時期は宿泊代が300ユーロにもはね上がるとか。ここは見物するのには絶好のローケーションですもんね。高くなるのも仕方ありません。

 さて、次は美味しいものをいただきに出かけましょう。向かったお店はRistorante Gallo Nero(オレンジ印)。ここではトスカーナ地方のパスタ、ピチを出してくれるそうです。

 うどんのような太麺パスタ、これがピチです。このお店のは手作り。茹で時間は4分。ラグーソースを絡ませていただきます。これまた美味しそう。

 ではこのピチをいただきながら、今回の旅の費用をおしらせしましょう。

 飛行機代が150ユーロ、宿泊代が90ユーロ、マンジャの塔が20ユーロ、食事代が20ユーロ、ワイン代が25ユーロで、締めて305ユーロ(約37,000円)でした。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、村の中世祭りで騎士に扮した男の子がこちらにやってきて、木製の剣を私のお腹に突き立てて言った。『お前をロースハムにしてやる!』[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より



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温泉保養 [ローヌ=アルプ地方]

 昨日の朝、通勤電車の中から線路の土手を見ていたら、紫陽花の花が咲き始めているのを発見!

 水色で涼しげ。でも雨の季節が始まるなあと思っていたら、午後からは気温がぐんぐん上がって、梅雨を通り越してもう夏でした。

 5月からこの調子では本物の夏が思いやられます。夏、そんなに早く来なくていいよ。

 それはさておき、フランスには、日本ほどではありませんが、それなりの数の温泉施設があります。

 今日は、フランス南西部のブルジェ湖のほとりにある温泉保養地エクス=レ=バン(Aix-les-Bains)を訪ねてみましょう。

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下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月23日に放送)

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 あちらの皆さんは温泉に入る時は水着姿。なんだか高齢者が多いですね。

 しかも、のんびり浸かるというより、トレーニングしている雰囲気。

 この施設にはプールが11面、処置室が200室あるそうです。収容人数は2,500人。かなり大きな施設ですね。

 維持管理は地下室で行われています。

 どうも、掛け流しじゃなさそうです。循環式?温度は37度に保たれているとか。水を足しているとかなんとかおっしゃってます。熱いのを覚ますためなのか・・・。

 何れにしても37度では体を温めるというような目的で運営されているとは思えません。

 ハイシーズンになると、1500㎥の温泉水が必要になるそうです。2リットルのペットボトルなら75万本分。バスタブなら10,000台分。

 源泉はどこにあるんでしょ?

 こちらのタンク11台に温泉水が蓄えられているそうです。ああ、やっぱり掛け流しじゃないですねえ。

 でもフランスではそういうのは気にしないらしい。どっちかというと温泉の成分の方が大事。

 この温泉水は、地下2000メートルのところから汲み上げているのだそうです。

 そしてお客様がお見えになる前に、ラボの方が毎日水質を検査しているとか。

 その間に、タオルやバスローブの準備も同時に行われます。

 朝の9時、受付が始まりました。皆さん、手には1日のケアプログラム。

 「私のプログラムは、泥治療、ウォーターセラピー、マッサージです」と女性。

 泥治療は人気のケアだそうです。温泉水を混ぜた泥で体を覆うらしい。

 「泥の温度は45度〜48度です」と担当者。

 45度はともかくとして48度はちょっと熱すぎるような・・・。この泥ケア、痛みやリューマチに効くそうです。

 この泥も地下の管理維持室で製造しているようです。

 そして後片付けもなかなか大変です。毎日9トンもの洗濯物が出るそうです。従業員の数は60名ほど。

 美味しいものを食べて、裸で熱めの掛け流しの温泉に浸かって「はあぁぁ〜〜」なんてやっている日本の温泉とはちょっと違ってました。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、隣の奴が、うちの玄関マットで、泥のついた靴をきれいに拭いて、何事もなかったように自分のうちに帰って行ったのを、俺は見てしまった [ちっ(怒った顔)]

VDM(Vie de Merde)より



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続・春の風物詩! [コート・ダジュール地方]

 本日も匂いのお話です。

 とは言っても、今回は悪臭ではなく、皆を笑顔にしてくれるいい香りのお話。

 昨日のアンティーブから30キロほど内陸部に入ったところに香水で有名なグラースがあります。

 この辺一帯では、5月になるとバラの収穫が始まります。

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下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月17日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 ここはグラースのすぐお隣にある町ペメナード(Peymeinade)の花壇。

 春の日差しを受けて、ピンク色のバラの大輪が開花しました。このバラ、 ローズ・ドゥ・メ(rose de mai)(5月のバラ)と呼ばれ、その香りが珍重されています。

 この日は子供たちがバラを摘み取るお手伝いをしていました。

 「いい匂い!」と男の子。思わず笑みがこぼれます。

 「僕はバラを摘み取るのがとても楽しいです」と少々クールな男の子。

 年に一度、5月にしか咲かないバラを摘み取る作業には、ちょっとしたコツが必要です。

 真ん中を親指で押しながらぽきっと摘み取るようです。

 「ずっとこれをやっているとちょっと大変ですが、終わってみるとやってよかったなと思います」と女の子。

 子供たち、手に小さなカゴを持ってピンクの花をせっせと摘み取っています。

 この時期、一週間に二回、ここに手伝いに来るそうです。楽しそうですね。お天気もいいし、春も満喫できます。

 「このバラはなんていうんだっけ?」とバラ園の方。

 「ローザ・サンティフォリア(rosa xcentifolia)!」と子供たち。

 これが正式名称のようです。日本語にすると “100枚の花びらのバラ” 。そう言われると、花びらがたくさん付いてますね。

 「ここに来ることで、この地域では昔から人々が花の香りと共に生きてきたことを知ることになります」とバラ園の方。

 子供たちが摘み取ったバラが一つに集められます。きれいですね。一緒にもぞもぞやりたくなります。

 このバラ、香水になるわけではありません。

 「このローザ・サンティフォリアは食べるんですよ。なんてきれいなバラなんでしょう!」とオドレーさん。

 まずは使えそうな花びらだけを選んでよく洗い、水気を切ったらお砂糖をかけて固めます。

 こうして出来上がったのがバラのキャンディー。18世紀頃から作られているそうです。

 砂糖が固まると白くなってしまうので、最後に赤で着色するようです。

 バラの花びらでできたキャンディー、美味しそうですねえ〜。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、僕と彼女の一周年を記念して、レストランで食事をした。事前にお店の人に食事の最後にバラの花束を持ってきてくれるように頼んでおいた。給仕係が花束を持ってやってくると彼女が言った。『結構です!買う気はありませんから』と言った。[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より



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春の風物詩? [コート・ダジュール地方]

 ノートルダム大聖堂で炭になってしまった800年前の木材は、あのまま処分されてしまうんでしょうかね?それとも幾つか保存しておくなんてことになるんでしょうか?

 それにしても、あれが日本のお寺や神社だったら建物全体が木造だから、全部消えて無くなってますね。結局は建て替えるしかなくなります。

 しかし、欧米の教会は基本的に石造なのでその部分だけは燃えずにしっかりと残ってました。残っているものを活かしながら修復するという作業はそう簡単ではなさそうな気がします。

 それはさておき、コート・ダジュールの町アンティーブの海岸に、あまりありがたくないものが大挙して押し寄せているとか。

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下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月21日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 そのありがたくないものがこちら。

 数キロにわたって、数え切れないほどのカツオノカンムリが浜に打ち上げられています。どうもクラゲの仲間のようです。

 「毎年、1ヶ月とか数週間とか、これが続くんですよ。海の中でゆらゆらしている時はすごくきれいなんですけどねえ、打ち上げられると匂うんですよ。それが強烈な匂いなんです」と男性。

 このカツオノカンムリ、乾燥し始めると悪臭を放つそうです。一体、どんな匂いがするのやら。

 日本でも、鰹と一緒に黒潮にのってやってきたカツオノカンムリが台風で大量に浜に打ち上げられることがあるそうですが、あまりそのような場面に出くわしたことがないのでよくわかりません。

 「私のうちはすぐそこなんですが、朝起きて窓を開け深呼吸すると、そりゃあすごい匂いがしますよ(笑)」と別の男性。

 「海を船が通りたびに匂いがこちらに向かってくるのよ」と迷惑そうに話す女性。

 専門家によると、衛生的には問題がないので、海岸を掃除する必要はないそうです。

 「この透明の部分は鳥やなんかが持ってってしまいますが、本体がここで腐敗していく過程で匂うんです。でもそれも2〜3日のことです」と専門家。

 こちらのカップルは英国から休暇を過ごしにやってきました。悪臭もなんのそので海岸の散歩を決行しました。

 「これはもう受け入れるしかないでしょう。でも、一日中ここにいて甲羅干しをするかどうかはちょっとわからないわね。大量の香水をふりかければ大丈夫かしら(笑)」と女性。

 う〜む、やはりかなり臭うらしい。

 毎年、この時期になるとに臭うらしいので、ちょっと変わってますが春の風物詩とも言えそうです。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、ひどい頭痛に見舞われた。頭痛の時は何にでも敏感になってしまう。特に臭いに。そんなわけで、自分のオナラの臭いで気絶しそうになった[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より



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大聖堂の今 [パリ]

 アラン・ドロンさんが今開催中のカンヌ映画祭で名誉賞を受賞した時の映像が→こちら

 若い時の映像も少し出てきました。この賞を授与するのに反対した人もいたらしいですが、フランス映画にこれだけ貢献してきた方ですから、受賞するだけの資格はあるはずですよね。

 さて、ノートルダム大聖堂が火災にあって約1ヶ月になります。

 フランスのTV局TF1の記者が中に入って撮影するのを許されたそうで、現在の中の様子が分かってきました。

 Paris_Paris.jpg


下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年5月16日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 入り口から中に入ると、いつもは暗くて目が慣れるまでに少し時間がかかる大聖堂ですが、屋根が焼け落ちてしまった今は、こんなに明るい。

 天井にはネットが張られています。安全のためだそうです。焼け残ったものが今になって落ちてくる可能性があります。

 現在、130人ほどが作業に当たっているそうです。

 ちょうど尖塔の付け根の火元と思われる部分に近づくと、燃えて炭のようになった木材が散乱しています。

 屋根を支えていた木造の骨組みです。中には800年前のものもあったようです。本当に残念なことをしました。

 木材だけでなく彫刻の施された石も散乱しています。

 その中を小型ブルドーザのようなロボットがせっせと瓦礫を集めています。

 中には再利用できるものもあるため、番号を振って保管しておくようです。

 こういうのを見ると、修復作業は本当に大変だなと思います。

 次は火災の被害から逃れた階段を上がって、トリビューンと呼ばれる中二階に行ってみましょう。

 ゴシック建築独特のアーチ型の天井にぽっかり穴が空いているのがわかります。

そして、前の方に進むと、あの大きなバラ窓が見えてきました。一見して火災前と同じに見えますが、どうなんでしょう?

 こちらの石像は火に焼かれたのか、黒いススが付いています。椅子もこの通り。

 となると、バラ窓もよく調べると被害が明らかになるかもしれません。

 大聖堂の中心部分にあるマリア像は、運良く被害を免れたようです。なんといってもマリア様をお祀りしているノートルダム大聖堂ですから、この像が以前と同じ姿で残っているのは幸いでした。

 消防士さんたちががんばってくれたのかもしれません。

 修復工事には長い時間がかかりそうですが、少しずつ着実に歩を進めていっていただきたいですね。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、鳥を見ようと、屋根に取り付けてある天窓を開けたら、鳥の糞が落ちてきた。一つは窓枠に、もう一つは僕の頭に・・・[ふらふら]

VDM(Vie de Merde)より



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